私は現在、多国籍、多文化の従業員を持つグローバル的な企業で働いています。またBrseというポジションで、主にオフショアプロジェクトに携わっているため、コミュニケーション、特に異文化コミュニケーションは非常に重要な要素です。
そこで今日は、日本企業で働く外国人として感じる、日本人の同僚との“コミュニケーションの壁”をご紹介し、その壁をどのように越えるかを自分で考えたことをみなさんに共有したいと思います。
さらに、日本人の方に向けて、もっと外国人の同僚とスムーズにコミュニケーションできるように、覚えておきたいポイントも共有したいと思っています。
1. 見えない壁
■言語の障壁
私は数年日本語の勉強を続けていますが、なかなか日本語が難しいと感じています。
なぜ日本人とうまく話せないのかをよく考えてみると、以下の問題があることに気づきました。
聞き取りきれない
日本で働いている外国人の日本語の能力は、日本語能力試験のだいたい~N2レベルだと思います。そのレベルであれば、日本語をかなりよく使えて、普通のコミュニケーション(生活のコミュニケーション) について問題なくできると思います。
しかし、日本人の話す日本語を理解するためには、さらなる壁を越えなければなりません。職場では、日本人の同僚がよく長い文章を使ったり、難しい言葉を使ったりします。また、話すスピードが早いことがあります。
そのために、ある程度日本語の能力を持っている外国人の方でも、聞き取れず困ることが多いと思います。
聞き取ったと思ったけど、実は別の意味に理解してしまう
さらに、これはちょっと危ないケースですよね。これもやっぱり日本人とコミュニケーションをするときに、よくあるケースです。
前述した通り、外国人は、日本人の同僚が話した際、内容を100%聞き取ることは難しいです。そのため、聞き取れた80%、または70%の内容から、残りの部分を判断します。そうすると、判断が少しずれ、話がかなりずれることがあります。
同じ言語を話し、似たような文化背景で育ってきた日本人同士では、1から10まで話さなくても、相手の言いたいことが何となくわかることがよくあります。
日本には「空気を読む」「行間を読む」という言葉があるように「言葉でコミュニケーションを取らずとも、相手の考えや気持ちを汲み取る」という日本独特のコミュニケーション方法もあります。
しかし、異なった文化で育った外国人材にとっては、言葉で伝え合わずして、これらの情報をキャッチすることはなかなか難しいことです。
■コミュニケーション力の問題
日本で働いている外国人はだれでもコミュニケーションの能力が高いわけではありません。
その上、母国語ではない日本語を考えて、テンポよく話さないといけないから、話している内容が混乱するケースが多いです。
混乱してしまうと、本来もっている日本語の能力を発揮できなくなるので、うまく話せなくなってしまいます。
2.壁を越える
壁は多くて、高いですが、越えないといけません。
ただ、どうやって越えるか?人によって、いろいろな方法があると思いますが、自分の経験から、以下にいくつかのポイントを共有したいと思います。
■日本語の勉強を積極的に続けること
日本語の勉強は必要だと思います。いつでも、どこでも(職場、生活、日本語クラス、また自習など)多くの言葉、文法をできる限り勉強したほうがいいと思います。
しかし、勉強に終わりはありません。勉強できたことをよく活かして、話していきましょう。
■大切な話なら、終わりにメインの内容を復唱する
大切な話なら、話の終わりに、メインの内容が漏れないように復唱して、相手に確認してもらうと安心だと思います。
■話したい内容を準備すること
事前に話の内容が準備・整理できたら、話す時に、自信を持って、あまり混乱せずに、スムーズにコミュニケーションできると思います。
■日本の文化を理解するだけでなく、同僚を理解する
日本で働いている外国人が日本の文化を理解しなければならないことは当然だと思います。
ただ、文化理解だけではなくて、できる限り日本人の同僚を理解して、スムーズにコミュニケーションできるようになった方がいいと思います。また良い関係を構築しましょう。
■自分のコミュニケーション力をアップするべき
日本語のひとつひとつに問題がなくても、伝え方が良くないと、話したいことをなかなか伝えられないということを経験しました。
難しい問題だと思いますが、ある程度効果があるいくつかのTipsを共有したいと思います。
- もっと簡単な言葉で考える
- 伝えたい内容(一番大切な内容)をまず伝える
- 難しい話しなら、小さく分割して、1つずつ説明する
3.日本の同僚のみなさまにお願いしたいこと
外国人の方々に向けたTipsを書いてきましたが、さらに、日本人の同僚のみなさまにも、意識的に心掛けることで、外国人社員とのコミュニケーションをスムーズに進められるコツを紹介しようと思います。
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思っているよりも、さらにゆっくり、はっきり発音する
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一つの長文よりも、複数の短い文にして伝える
→ 外国人にはより話の内容が分かりやすくなります -
主語や目的語を明確にするように意識する
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よりわかりやすい、シンプルな言葉を選ぶ
→意味が同じ(似てる)言葉がたくさんあると思いますが、その中で一番わかりやすい(普段よく使われる言葉)を使ったほうがいいと思います。とくに打ち合わせをするときです。 -
打ち合わせなどの結果を復唱させる
→ 打ち合わせの際、話のポイントなどについて、外国人社員に声を出して復唱してもらいます。そうすると、積極性を養えて外国人社員が質問しやすくなる効果があると思います。 -
一緒に働いている外国人の同僚の国を少しだけでも知る
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相手の日本語能力を理解する
→ 相手の日本語能力を理解することで、それにあった話し方・言葉を意識できるようになると思います。
4.最後に
日本で働いている外国人には、コミュニケーションの壁がたくさんあります。
苦労すると思いますが、「もっとスムーズにコミュニケーションできるようになりたい気持ち」が大事です。それを持って、1つずつ問題を改善しながら、紹介した壁をドンドン越えていきましょう。
また、一緒に働く日本人の同僚からの理解や支援も大事だと思います。ご紹介したTipsを使ってコミュニケーションがスムーズにできると、より良い結果がでると思います。
コミュニケーションはよくキャッチボールに例えられます。伝えたいことを相手に投げたり、相手から受け取ったりすることによって情報交換し、お互いを分かりあうことですね。
つまり、1人だけで頑張ってもコミュニケーションになりません。
会社では日本人社員と外国人社員がスムーズにコミュニケーションできるために、相互理解したり文化や言葉の障壁をひとつずつ越えたり、お互いに協力することは大事です。それができれば、素敵なグローバル企業への第一歩になると思います。
一緒に頑張りましょう!