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TypeScriptやJavaScriptに記述したrequireをRollupの出力に含める方法3選

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きっかけ

TypeScriptやJavaScriptに記述したrequireをRollupでバンドルした時、出力にrequireしているファイルが含まれませんでした。
調査して得られた3通りの解決方法をまとめます。

// 解決したいこと: これがRollupの出力にこのまま出てきてしまった (一つのバンドルファイルにまとめてもらえなかった)
const sample = require("sample.js") 

使用したRollupとRollupプラグイン

いずれも執筆日2022-09-25の最新バージョンです。

サンプルリポジトリ

今回扱う全てのソースコードはGitHubに格納してあります。
動作検証を目的としてメソッド実行やログ出力を含んでいますが、この記事で論点としている処理は同じ記述としてあります。
ljourm/sample-rollup-typescript-require

結論

最初に結論をまとめます。

No. 方法 使用条件 バンドル後のrequire サンプルコード(GitHub)
00 Rollupオプションなし 特になし requireがそのまま出力される(実行するとエラー) 00-first-issue
01 plugin-commonjsextensions: [".js", ".ts"]を指定 tsconfigで"module": "CommonJS"を設定 バンドルされる 01-include-ts-js
02 plugin-commonjstransformMixedEsModules: trueを指定 JavaScriptのみを使用 バンドルされる 02-only-js
03 02の設定 + requireをJavaScriptに記述し、それをTypeScriptからimport JavaScriptとTypeScriptをハイブリッドで使用 バンドルされる 03-use-loader

前提として、そもそもrequireを使うべきではない

可能な場合は require (CommonJSの記法) を廃止し、 import (ES Modulesの記法) の使用に切り替えるべきです。
公式ドキュメント、GitHub Issue、StackOverflowなどを参照していくと、どこもimportの使用に誘導されていました。

それでもrequireしなければならない時がある

ですが、先日私が出会ったケースでは以下のような制約・条件となっていました。

  • CommonJSのライブラリを使用している。
  • そのライブラリはベンダー製で、こちらで変更することができない。
  • JavaScriptでなくTypeScriptから使用したい。

検討した上でrequireの継続使用を決定し、問題解消の調査に進みます。

問題となったソースコード

作成したソースコード

calculator.js
// a + b するだけの簡単なサンプルメソッドをexportしている
module.exports.add = function (a, b) {
  return a + b;
};
index.ts
export const output = () => {
  // requreによってcalculator.jsを読み込む
  const { add } = require("./calculator.js");

  // 以降、addメソッドを使って何かする
};

Rollupの出力結果

index.js
'use strict';

Object.defineProperty(exports, '__esModule', { value: true });

var output = function () {
    // requreによってcalculator.jsを読み込む
    require("./calculator.js").add; // !!!!ポイント!!!!

  // 以降、addメソッドを使って何かする
};

exports.output = output;

requireがaddメソッドに置き換わることを想定していましたが、そうはなりませんでした。
このコードを実行するとrequire("calculator.js")でファイルを読み込めず、エラーが発生します。

このrequireをaddメソッドに置き換えることが、この記事の目標です。

解決方法

01: plugin-commonjsextensions: [".js", ".ts"]を指定

まずは、今回紹介する中でTypeScriptにrequireを記述できる唯一の方法です。
サンプルコード: 01-include-ts-js

たいていの場合、プラグイン@rollup/plugin-commonjsを使っていると思います。
このプラグインのオプションextensionsを変更する方法がplugin-typescriptのドキュメントで紹介されていました。

公式ドキュメント: @rollup/plugin-typescript #Importing CommonJS

プラグイン 変更するオプション デフォルト値 変更後
@rollup/plugin-commonjs extensions(読み込み対象の拡張子) ['.js'] ['.js', '.ts']

ただし、これを実現するためにはtsconfig.json"module": "CommonJS"と設定することも必須のため、適用できないケースも多いと思います。
ドキュメントにもit is not recommended(=推奨していない)とあり、バンドル時に"module": "esnext"の使用を推奨する警告も表示されました。

02: plugin-commonjstransformMixedEsModules: trueを指定

次はTypeScriptのことを考えず、JavaScriptとしてrequireを使用する方法です。
サンプルコード: 02-only-js

これも先ほどと同じく、プラグイン@rollup/plugin-commonjsのオプションから設定します。

公式ドキュメント: @rollup/plugin-commonjs #transformMixedEsModules
参考記事: かもメモ Rollup require がバンドルされないにハマる

プラグイン 変更するオプション デフォルト値 変更後
@rollup/plugin-commonjs transformMixedEsModules false true

TypeScriptを使用しない場合はこれで全て解決ですが、今回の目標ではTypeScriptの使用を継続したいため、さらに別の方法の模索へと進みます。

03: 02の設定 + requireをJavaScriptに記述し、それをTypeScriptで読み込む

最後に実際に採用した方法です。
これによってTypeScriptとrequireによって参照するCommonJSの共存が実現できました。
サンプルコード: 03-use-loader

この方法ではJavaScriptとTypeScriptのハイブリットによって解決を図ります。
RollupのオプションはNo.2と同じですが、自分にとっては発想の転換が必要だったため、別の方法として記載します。

ソースコード

transformMixedEsModulesが結果的にJavaScriptのみに適用される特性に着目し、requireとexportだけを実現するJavaScriptファイルを新たに作成しました。

calculator-loader.js
// このファイルではrequireした結果をexportするのみとする
export const loadCalculator = () => {
  return require("./calculator.js");
};

そして、作成したJavaScriptをTypeScriptから読み込みます。

index.ts
import { loadCalculator } from "./calculator-loader";

export const output = () => {
  const { add } = loadCalculator();

  const result = add(1, 2);
};

これによってTypeScriptとrequireによって参照するCommonJSの共存が実現できました。
No.1のようなtsconfig.jsonの変更も不要です。

最後に

全部がモダンで綺麗なプロジェクトばかりならよいのですが、そうでないケースもどうしてもあります。
同じようなケースでお役に立てたら幸いです。

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