ヘロンの公式の導出

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三角形の3辺の長さを$a,b,c$とするとき,三角形の面積$S$は次のようになります.

$$
S=\frac{1}{4}\sqrt{(a+b+c)(-a+b+c)(a-b+c)(a+b-c)}
$$

この公式をヘロンの公式といいます.

ヘロンの公式の導出

$a$と$b$の間の角度を$\theta$とすると,余弦定理より$c^2=a^2+b^2-2ab\cos\theta$となります.面積$S$は$S=\frac{1}{2}ab\sin\theta$なので,$S^2$は次のように求まります.

\begin{eqnarray}
S^2&=&\frac{1}{4}a^2b^2\left(1-\cos^2\theta\right)\\
&=&\frac{1}{4}a^2b^2\left(1-\left(\frac{a^2+b^2-c^2}{2ab}\right)^2\right) \\
&=&\frac{(2ab)^2-(a^2+b^2-c^2)^2}{16}\\
&=&\frac{(2ab+a^2+b^2-c^2)(2ab-a^2-b^2+c^2)}{16} \\
&=&\frac{1}{16}\left((a+b)^2-c^2\right)\left(c^2-(a-b)^2\right) \\
&=&\frac{1}{16}(a+b+c)(a+b-c)(a-b+c)(-a+b+c)
\end{eqnarray}

上の変形で因数分解をする際には$X^2-Y^2=(X+Y)(X-Y)$という公式を用いました.

sを使った表示

$s=\frac{1}{2}(a+b+c)$とおくとヘロンの公式は次のように表せます.

$$
S=\sqrt{s(s-a)(s-b)(s-c)}
$$

基本対称式を使った表示

$s_1=a+b+c$,$s_2=ab+bc+ca$,$s_3=abc$とおくと.ヘロンの公式は次のように表せます.

$$
S=\frac{1}{4}\sqrt{(-s_1^3+4s_2s_1-8s_3)s_1}
$$

この形を見ても,三角形の面積だとは,私には思えないです.

辺の長さの2乗を使った表示

$A=a^2$,$B=b^2$,$C=c^2$とおくと,ヘロンの公式は次のように表せます.

\begin{eqnarray}
S&=&\frac{1}{4}\sqrt{2(AB+BC+CA)-(A^2+B^2+C^2)} \\
&=&\frac{1}{4}\sqrt{A(B+C-A)+B(C+A-B)+C(A+B-C)} \\
\end{eqnarray}

導出は,次のようにします.
ヘロンの公式の導出の途中にあった$S^2=\frac{(2ab)^2-(a^2+b^2-c^2)^2}{16}$から始めます.

\begin{eqnarray}
16S^2&=&4AB-(A+B-C)^2 \\
&=&4AB-A^2-B^2-C^2-2AB+2AC+2BC \\
&=&-(A^2+B^2+C^2)+2(AB+BC+CA)
\end{eqnarray}

以上です.