グラフ軸設定(https://qiita.com/linear_tree/items/6c1e5852db29d3b8178e) の続きです。デフォルトの画像表示の軸設定を調整して左のグラフのような状態にしたものに色や凡例、矢印などの情報を追加して右のようなグラフにする手順について書いたものです。
左の画像のためのWave作成及び画像の表示までは以下のProcedureで行いました。今回凡例や色分けの説明にグラフが二つ欲しかったので包絡線を追加していますがそれ以外は基本的に前回のものと同じです。
Function set()
ModifyGraph tick=2,mirror=2,fSize=10,prescaleExp(bottom)=6,btLen=3,font="Arial"
Label left "Intensity [a.u.]"
Label bottom "Position [μm]"
SetAxis left -6,6
end
Function GausSin()
Variable A, x0,Wid,WL,phi
A = 5
x0 = 25e-6
Wid = 10e-6
WL = 800e-9
phi = 0
Variable num = 1000 //Cell数の決定
Variable Max_x //x軸の最大値と最小値を指定
Max_x = 50e-6
Variable Step_x //cell数と最大最小値からwaveのstep間隔を決定
Step_x = Max_x/num
Make/o/d/n = (num) GS_Wave //Waveの作成
Wave GS = GS_Wave
setscale/p x, 0,step_x,GS //Waveのセル間隔を指定
GS = A*exp(-((x-x0)/Wid)^2)*sin(WL^(-1)*x+phi) //式で波形を指定
Duplicate/o GS Envelope //GSをEnvelopeという名前のWaveに複製
Wave Enve = Envelope
Enve = A*exp(-((x-x0)/Wid)^2) //包絡線の式
Display/k=1 GS //GSを表示
Appendtograph Enve //表示しているグラフにEnveを追加
set() //グラフの軸を整える(共通設定)
end
グラフの画面上の任意の位置をダブルクリックするか右クリック→Modify Trace appearanceを選択することでWaveごとの色や太さ、タイプなどを選択するWindowが開けます。
Color: Color。
Mode: グラフの種類を選択できる。線/棒/ドット/マーカーなどをグラフに応じて使用する。分野によって何を使うかは変わりそうだが今までに使ったことがあるのはLines between points(線)とMarkers(いろいろな形状のマーカー)のみ。
Size: Lineを選んだ場合は線の太さ。マーカーだと大きさ。
Style: Lineの場合実線か破線かなどの線の種類を選択できる。
Error barsやOffsetはグラフによっては(取得した実験データの表示の時など)多用するんですが長くなるのでいったん省略します。
次にグラフ上の任意の箇所(グラフの線が存在しない空白箇所)で右クリック→Add anotationを選択することで画像のような画面を出します。
呼び出したばかりの時には画面左上の赤線で囲っている箇所はTextになっているのでLegendを選択することで凡例の文書(右グラフ左上赤枠参照)を追加することができます。かっこの中を変えると凡例が正しく認識されなくなってしまいますがかっこの後ろの文章は自由に変更可能です。
文章の編集のほかにはフレームの有無、背景色、背景透過の有無などが選択できます。
Positionは基準とする一をAnchorで設定し、XY Offsetで基準点からの距離を指定します。デフォルトだとXY Offsetは両方とも5.00ですが個人的に少し余白が大きすぎるように思えるため2.00に変更することが多いです。
ここまでの内容でグラフは上のような状態になります。正直この後に行う矢印や文字の追加はスクリプト化しづらいので大体手作業でやることになりますし別にIgorでやる必要性は特にないのでグラフを出力(File→Save Graphics)して別ソフトでやってしまうのでも全く問題ないと思います。矢印一つ足すのに別ソフト開くの面倒くさい時などに使ってください。
編集したいグラフウィンドウをクリックしてからコマンドラインにshowtools/aを打ち込んで実行するとグラフの左側に画像のようなバーが出ます(グラフウィンドウをクリックした状態だと画面上部のツールバーにGraphが増えているのでGraph→Show toolsを選択でも問題なく開けます)。個人的にはグラフに線や矢印を追加するときは元のウィンドウを残しておいたほうが後々便利なことが多いのでCtrl+dでグラフウィンドウの複製をしてから図形の追加作業をすることが多いです。
テキストや線、図形の追加などが可能です。線を追加したのちに追加した線をダブルクリックすると画像右のような画面が出てくるので矢印や線幅、色の調整などが行えます。
一つのグラフだけではなく一度にいくつかのグラフに編集を行いたい、複数のグラフを配置したい場合にはLayoutを使用します。
Windows→New Layoutを選択して開くことのできるLayoutでは、グラフのフォントや外形を崩さずにグラフの縦横比を変化させて配置を変えることができます。また、Layoutウィンドウにおいてもshowtoolsの時と同様に図形の挿入は可能です。
たまにしか使用しないツールや非常に細かい箇所を修正する際などに用いるコマンドなどは他にもありますし私が知らないだけで便利な機能もあるとは思うのですが、基本的なグラフの描画はこの文章と前回のグラフ軸設定において記述した内容で作成できるのではないかと思います。