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Oracleの標準監査とは?

Last updated at Posted at 2024-09-15

Oracleの標準監査(Standard Auditing)は、Oracleデータベースにおける監査機能の一つで、特定のデータベース操作やSQLステートメントを追跡・記録するために使用されます。これにより、セキュリティやコンプライアンスを目的として、データベース上の重要な操作やユーザーの活動を監視することができます。

主な特徴
1. SQLステートメントや操作の監視:

  • SQL文レベルの監査: 特定のSQL文(例: SELECT, INSERT, UPDATE, DELETE)が実行された際にその内容を監査することが可能です。

  • 権限・オブジェクトレベルの監査: 特定のデータベースオブジェクトに対してアクセスが行われたときや、ユーザーが権限を行使した場合も監視可能です。

2. 監査の有効化と設定:

  • 監査を有効にするには、Oracleデータベースの初期化パラメータAUDIT_TRAILを設定します。例えば、データベースに監査データを保存する場合はDB、オペレーティングシステムのファイルに保存する場合はOSを設定します。
  • 監査は以下のコマンドで個別に設定できます。
sql
AUDIT <SQL文やオブジェクト> BY <ユーザー>;

3. 監査データの出力先:

  • 監査データは、データベーステーブルやOSの監査ファイルに保存できます。
    • データベースに保存する場合: AUD$テーブルに記録されます。
    • OSに保存する場合: 監査ログはファイル形式で、Oracleサーバの指定されたディレクトリに保存されます(通常は$ORACLE_BASE/admin/<DB_NAME>/adump)。

4. 監査対象の柔軟な選択:

  • 監査はデータベース全体、特定のユーザー、あるいは特定のオブジェクト(テーブルやビューなど)に限定して実行することができます。
  • 例えば、ある特定のユーザーがSELECT文を実行した場合のみ監査することも可能です。

設定例

  • セッションの作成に対する監査:
sql
AUDIT CREATE SESSION;
  • 特定のオブジェクトに対するSELECT文の監査:
sql
AUDIT SELECT ON employees BY scott;
  • すべてのユーザーによるINSERT、UPDATE、DELETEの監査:
sql
AUDIT INSERT, UPDATE, DELETE ON employees;

監査ログの確認
監査が有効になった後、監査データはDBA_AUDIT_TRAILビューなどで確認できます。例えば、次のクエリで監査ログを確認します。

sql
SELECT * FROM DBA_AUDIT_TRAIL;

このビューには、ユーザー名、実行された操作、実行時刻などの監査情報が含まれます。

メリットと用途

  • セキュリティの強化: データベースへの不正アクセスや操作を検出し、監査証跡を残すことで、内部および外部からの攻撃に対する防御を強化します。
  • コンプライアンス対応: 企業の内部統制や法的要求事項に基づいて、適切な監査ログを収集・保存できます。

まとめ
Oracleの標準監査は、データベース内の活動を詳細に追跡するための強力なツールです。データベースの安全性を確保し、監査要件を満たすために使用されます。標準監査はシンプルで導入しやすいですが、大規模な環境や複雑な要件を持つ場合には、より強力な統合監査(Unified Auditing)が推奨されることがあります。

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