この記事は iRidge Advent Calendar 2018 の一日目です。
念の為言っておくと Vim Advent Calendar 2018ではありませんよ。
ti;dr
Vimには多くの便利プラグインがあります。
ですがVimを強化する手段はそれだけではありません。
いくつかの設定を入れるだけであなたのVimは、いとも簡単にモダンで便利な機能を追加することができるのです。
今回はそんないくつかのTipsをご紹介します。
以前開いたファイルのカーソル位置を保持する
私はターミナル上でVim(Neovim)を使っているので、
つい手癖で:q
を叩いて、Vimを終了させてしまうことがよくあります。
そんなとき、見ていたファイルの位置が失われてしまい、開いてまた所定の位置に移動している。
なんてことありませんか?
以下のautocmdを追加することで、カーソル位置を復元することができるのです。モダンな感じですね。
augroup KeepLastPosition
au BufRead * if line("'\"") > 0 && line("'\"") <= line("$") | exe "normal g`\"" | endif
augroup END
以前のアンドゥを保存する
上と同じように、編集していてつい手癖で:wq
を押してVimを終了してしまった。
がしかし、保存前の編集状態に戻したいことありませんか?
以下のautocmdを追加することで、Vimのアンドウ履歴を保存することができるのです。これまたモダンな感じですね。
if has('persistent_undo')
set undodir=./.vimundo,~/.vimundo
augroup SaveUndoFile
autocmd!
autocmd BufReadPre ~/* setlocal undofile
augroup END
endif
Grepしたら即座にQuickFixする
VimにはいくつかのGrep用プラグインがあるわけですが、
VimにはもともとGrep機能が備わっているのです。:vim
や:grep
がそれなんですけど、詳細は以下の記事なんかがよくまとまっています。
vimgrepとQuickfix知らないVimmerはちょっとこっち来い
で、grepするときの話なんですが、grepしたらQuickFixに出したいのがVimmerの性なわけです。
がしかし、:vim {pattern} {file} | cw
の| cw
っていちいちうつのめんどくさくないですか?
どうせgrepしたらQuickFixに出すじゃないかと。
そんなあなたには以下の設定がおすすめです。
:vim {pattern} {file}
まで打ち込めば、なんと勝手にQuickFixに流してくれます。これでもっとGrepできますね。
augroup GrepCmd
autocmd!
autocmd QuickFixCmdPost vim,grep,make if len(getqflist()) != 0 | cwindow | endif
augroup END
あとついでに、以下のキーバインドを登録しておくとCtrl+n,p
でサクサク移動できるのでおすすめです。
ただCtrl+n,p
は超打ちやすい優良キーなので、コレに使うかどうかは熟考すべき項目ですね。
nnoremap <silent> <C-p> :<C-u>cp<CR>
nnoremap <silent> <C-n> :<C-u>cn<CR>
システムGrepを変更する
Grepは超重たい処理なので、もっと早くしたい。
あとGitのリポジトリにいるとき.gitignore
を読み取りしてくれたら便利なのに...
なんてタイミングがありますよね?
ええできますとも、Vimには外部Grep(:grep
)の実行プログラムを変更することができるので、
デフォルトのシステムGrepを差し替えて、便利機能付きのGrepにしてやればよいのです。
じつはGNU Grepも進化してるから、速度ついてはアップグレードすればよくね説はありますけども。
私はripgrepを使っています。
rust実装で高速かつ.gitignore
を勝手に無視してくれる。
しかも、vimからコールするためのオプション(--vimgrep
)とか用意してくれてるんですよ!
なんていい子なのかしら。
というわけで以下の設定で:grep
実行時にripgrepをコールしにいってくれます。
if executable('rg')
let &grepprg = 'rg --vimgrep --hidden'
set grepformat=%f:%l:%c:%m
endif
ちなみに--hidden
は.gitignore
を見てくれるオプション
QuickFixをトグル
QuickFixがちょいと邪魔なのってタイミングは割とあって、
そういうときは:cclose, :ccl
すればいいんですが、再度見たいときに:copen, :cope
する必要があります。
ちょっとコマンドとしては長いので、キーマップしたいけど、2種類もキーマップ消費するのはちょっと...
というときはないですかね?
そんなときはトグルする用の関数つくればいいんですよ。
" Toggle quickfix
if exists('g:__QUICKFIX_TOGGLE__')
finish
endif
let g:__QUICKFIX_TOGGLE__ = 1
function! ToggleQuickfix()
let l:nr = winnr('$')
cwindow
let l:nr2 = winnr('$')
if l:nr == l:nr2
cclose
endif
endfunction
nnoremap <script> <silent> <Space>f :call ToggleQuickfix()<CR>
Vimの起動時間を測る
Vimの一つの大きなメリットとして、起動速度の速さがありますね。
けどプラグインを入れすぎて、鈍重なVimになっていることもあるわけです。
体感ではなく、ちゃんと測定するのがすごく重要になってくるわけですね。体感も重要だけど。
Vimには当然そのためのオプション(--startuptime
)があるわけなんですけど、
つどつどコレを実行するのはだるいですよね。
そんなときは以下のオプションをつけてやれば、Vimの起動毎に起動時間を表示してくれるので、
気軽に起動時間をチェックすることが出来ます。
これでなんとなーく見ていて、遅いからどうにかしたい。というときに--startuptime
でしっかり解析しましょう。
augroup VimrCheckTime
autocmd!
autocmd InsertEnter,WinEnter * checktime
augroup END
直近にヤンクしたレジスタ(0レジスタ)をペースト
他のエディタからVimに移って来たときに困ることの一つがヤンクレジスタであると思います。
削除操作とかしたときに、無名レジスタが書き換わってしまって、これはヤンクしたくないの...
ってときありますよね?
Vimの削除操作はレジスタを書き換えてしまうのが原因です。
ですがヤンクした内容と、削除操作とかでレジスタ登録された内容は分けて考えたいところです。
まあ明示的に0レジスタ
をペーストすればいいんですが"0p
はそこそこ打ちづらいです。
なので打ちやすいキーバインドにしておくのがおすすめ。
nnoremap <Space>p "0p
vnoremap <Space>p "0p
ついでに、明らかにレジスタ登録が不要な操作(一文字だけ消すとか)を_レジスタ
に飛ばしとくと、無名レジスタが汚れないのでおすすめ。
nnoremap x "_x
レジスタについては詳しくまとめてくれているひとがいらっしゃるので貼っときます
現在開いているファイルと以前開いているファイルをトグル
<C-^>
(直前に開いたファイルと今開いているファイルをトグルする)って超便利だけど、
打ちづらくないですか?右手がものすごいホームポジションからズレません?
というわけでキーマップ。
nnoremap <Space><Space> <C-^>
ファイル行の絶対行と相対行をトグル
{count}j,k
で指定数の上下移動するために:set relativenumber
しているんですけど、
人に見せるときとか、行数わからんって言われたりするんですよね。
そんなときはトグルですよトグル。
function! ToggleRelativenumber() abort
if &relativenumber == 1
setlocal norelativenumber
else
setlocal relativenumber
endif
endfunction
nnoremap <silent> <Space>n :call ToggleRelativenumber()<cr>
GitCommitのスペルチェック自動有効化
Gitのcommitメッセージ書くときに勝手にスペルチェックONにしてくれるよ!
augroup GitSpellCheck
autocmd!
autocmd FileType gitcommit setlocal spell
augroup END
宣伝
ちなみにここでご紹介しているTipsの多くは、vimrc読書会で教えてもらいました。
もっと知りたいひとは是非参加しましょう!!!