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Amazon Inspector の調査に Amazon Q Developer CLI を活用して運用効率化を考えてみる

Last updated at Posted at 2025-06-30

内容

Amazon Inspector で脆弱性が検知された。

しかし、これって検知はしてくれるものの、

  • 本当に対応する必要があるものなのか
  • どう対処したら良いか

など、その後の運用面での課題があるかと思います。

また、ECR においてはタグ及びダイジェストごとのイメージごとにスキャンされたりするので、実際に利用していないタグもしくはダイジェストのイメージにおいてもスキャンの対象になります。

そこで、Amazon Q Developer CLI を使って効率的な調査ができないか考えてみました。

先に結論

  • Amazon Inspector の AWS コンソールからみた cvs の情報だけでは判断しずらい内容も生成 AI を活用することで要約してくれてわかりやすくなる
  • ECR の場合現在利用しているイメージのみを確認することができた
  • 基本的にソースコードを見て、修正案を提案するため、Git 管理は必須
  • 対処においては最終的に人の判断が必要な部分は生成 AI の活用においては変わらないことを念頭に入れる

前提

今回は、CDK で ECS Fargate で nginx をデプロイ済みのものとします。

初回の Dockerfile は以下の通りとしています。

FROM public.ecr.aws/docker/library/nginx:1.24-alpine

# カスタムnginx設定をコピー(オプション)
COPY nginx.conf /etc/nginx/nginx.conf

# 静的コンテンツをコピー(オプション)
COPY index.html /usr/share/nginx/html/

EXPOSE 80

CMD ["nginx", "-g", "daemon off;"]

実際に自分の場合は、IDE に GitHub Copilot も導入しているため、以下の通り脆弱性が含まれていることが表示されています。

スクリーンショット 2025-06-30 11.10.48.png

調査する

> ECS のサービス一覧を取得して下さい。

スクリーンショット 2025-06-30 11.00.53.png

> nginx-service で動いているタスクで利用しているイメージを教えてください。

スクリーンショット 2025-06-30 11.03.40.png

> 123456789012.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/nginx-app:build-123456789012-def0264 で脆弱性がないか、Inspector から確認して下さい。 また、緊急性、対応の可否、対応策を教えて下さい。
※ 回答内容が長いためスクリーンショットではなく、内容をそのまま貼り付け
ECRイメージの脆弱性スキャン結果を確認しました。このイメージには複数の深刻な脆弱性が発見されています。

## 🚨 脆弱性スキャン結果サマリー

イメージ: 123456789012.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/nginx-app:build-20250630014728-def0264
プラットフォーム: Alpine Linux 3.17 (サポート終了)
スキャン完了日時: 2025-06-30 10:56:08

### 脆弱性件数
• **CRITICAL**: 4件
• **HIGH**: 6件  
• **MEDIUM**: 12件
• **LOW**: 1件
• **合計**: 23件

## 🔥 最重要脆弱性(CRITICAL)

### 1. CVE-2024-45491 - expat (CVSS: 9.8)
• **影響**: 整数オーバーフロー、リモートコード実行の可能性
• **修正版**: 2.6.3-r0

### 2. CVE-2024-45492 - expat (CVSS: 9.8)  
• **影響**: 整数オーバーフロー、リモートコード実行の可能性
• **修正版**: 2.6.3-r0

### 3. CVE-2024-5535 - openssl (CVSS: 9.1)
• **影響**: バッファオーバーリード、機密情報漏洩
• **修正版**: 3.0.14-r0

### 4. プラットフォーム終了 (Alpine Linux 3.17)
• **影響**: サポート終了OS、セキュリティ更新なし
• **修正**: サポート中のOSへの移行が必要

## ⚡ 緊急性評価

### 🔴 極めて高い緊急性
• **CVSS 9.0以上の脆弱性が3件**
• **リモートコード実行の可能性**
• **認証不要で悪用可能**
• **本番環境で稼働中**

## 📋 対応の可否と優先度

### ✅ 対応可能(修正版利用可能)
• expat: 2.6.2 → 2.6.3-r0以上
• openssl: 3.0.12 → 3.0.15-r0以上  
• curl: 8.5.0 → 8.9.0-r0以上
• busybox: 1.35.0 → 1.35.0-r31以上
• musl: 1.2.3 → 1.2.3-r6以上

### ⚠️ 根本対応必要
• **Alpine Linux 3.17 → 3.19以上への移行**

## 🛠️ 推奨対応策

### 即座に実施すべき対応(24時間以内)

1. 緊急パッチ適用
dockerfile
# Dockerfileの更新例
FROM alpine:3.19
RUN apk update && apk upgrade
RUN apk add --no-cache \
    expat>=2.6.3-r0 \
    openssl>=3.0.15-r0 \
    curl>=8.9.0-r0


2. イメージ再ビルド・デプロイ
bash
# 新しいイメージをビルド
docker build -t nginx-app:patched .
# ECRにプッシュ
docker tag nginx-app:patched 123456789012.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/nginx-app:patched
docker push 123456789012.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/nginx-app:patched


3. ECSサービス更新
bash
# タスク定義を更新してサービスをデプロイ
aws ecs update-service --cluster nginx-cluster --service nginx-service --force-new-deployment


### 中長期対応(1週間以内)

1. ベースイメージ更新
   • Alpine Linux 3.17 → 3.19以上
   • 定期的なセキュリティ更新の自動化

2. CI/CDパイプライン強化
   • ビルド時の脆弱性スキャン追加
   • 脆弱性検出時のデプロイ停止

3. 継続的監視
   • ECR Enhanced Scanningの有効化
   • Inspector継続スキャンの設定

### 運用改善

1. 定期スキャン
   • 週次での脆弱性チェック
   • 新しい脆弱性の早期検出

2. アラート設定
   • CRITICAL/HIGH脆弱性検出時の即座通知
   • 自動パッチ適用の検討

現在のイメージは本番環境での使用を即座に停止し、修正版への更新を強く推奨します。

Alpine Linux 3.17 → 3.19 以上 を提案してきましたが、もちろんリポジトリのソースコードーを見て回答しているわけではないため、リポジトリを確認してもらうように指示してみます。

> Alpine Linux は利用していません。/Users/XXX/ecs-nginx-cdk を確認し、どのような修正が必要か教えて下さい。

スクリーンショット 2025-06-30 11.22.29.png

public.ecr.aws/docker/library/nginx:1.26-alpine3.19 へのイメージの修正を提案してきました。
他に運用面でのアドバイスなどもしてくれましたが、今回は脆弱性が検知されなくなるところまで確認できれば良いのでベースイメージのみ修正することにします。

修正する

public.ecr.aws/docker/library/nginx:1.26-alpine3.19 に修正するように提案されましたが本日時点で確認できる最新のバージョンを聞いてみます。

この辺りは、最新のバージョンを提案してくれるわけではないため、
 

  • 対処としてはバージョンを上げれば解決しそう
  • どのバージョンまで上げるかは検証しながら本番ワークロードへの影響も考え人が考える

といったところでしょう。

> public.ecr.aws/docker/library/nginx の apline の最新のバージョンを確認して下さい。

スクリーンショット 2025-06-30 14.12.33.png

public.ecr.aws/nginx/nginx:1.29-alpineのためこれにしてみます。

FROM public.ecr.aws/nginx/nginx:1.29-alpine

# カスタムnginx設定をコピー(オプション)
COPY nginx.conf /etc/nginx/nginx.conf

# 静的コンテンツをコピー(オプション)
COPY index.html /usr/share/nginx/html/

EXPOSE 80

CMD ["nginx", "-g", "daemon off;"]

修正後の再調査

> nginx-service で動いているタスクで利用しているイメージを教えてください。
その利用しているイメージで脆弱性がないか、Inspector から確認して下さい。
また、緊急性、対応の可否、対応策を教えて下さい。
※ 回答内容が長いためスクリーンショットではなく、内容をそのまま貼り付け
## 🎉 現在の状況

使用中のイメージ:
123456789012.dkr.ecr.ap-northeast-1.amazonaws.com/nginx-app:build-123456789012-54a03cf
(nginx:1.29-alpineベース)

## ✅ 脆弱性スキャン結果

素晴らしい結果です!現在動作中のイメージ(build-123456789012-54a03cf)には脆弱性が検出されていません。

## 📊 過去のイメージとの比較

リポジトリ内の古いイメージには以下の脆弱性が残っていますが、**現在動作中のイメージは完全にクリーン**です:

### 古いイメージの脆弱性(参考情報)
• **HIGH重要度**: libxml2, expat, curl, opensslの脆弱性
• **MEDIUM重要度**: 複数のopenssl, curl関連の脆弱性  
• **CRITICAL**: Alpine Linux 3.17のEOL警告

## 🔒 緊急性の評価

緊急性: なし(対応完了済み)

• ✅ 現在動作中のイメージに脆弱性なし
• ✅ nginx 1.29-alpineの最新版を使用
• ✅ 最新のAlpine Linuxベース
• ✅ 全ての既知の脆弱性が解決済み

## 📋 対応状況

### ✅ 対応完了
1. nginx 1.29-alpineへの更新により、すべての脆弱性が解決
2. 公式nginxリポジトリからの最新イメージを使用
3. CI/CDパイプラインによる自動デプロイ完了
4. Inspector2スキャンで脆弱性ゼロを確認

### 🎯 推奨事項

現在の対応:
• 現在のイメージは完全にセキュアな状態
• 追加の対応は不要

今後の運用:
1. 定期的な更新: 月1回程度のベースイメージ更新
2. 継続的監視: Inspector2による自動スキャン継続
3. 古いイメージの削除: ECRの古いイメージタグの定期削除を検討

## 🏆 結論

nginx:1.29-alpineへの更新により、セキュリティ面で完璧な状態を達成しました。現在動作中のサービスには脆弱性がなく、緊急の対応は不要です。

2025/07/25 追記

本記事では、現在稼働している ECR のイメージを生成 AI に質問していくことで調査していましたが、Amazon Inspector もしくは ECR のコンソールからでも 最後にイメージを使用した日時、そのイメージを実行しているクラスター等を特定できるんですね。

それならば、Amazon Q Developer に「Inspector で ECS タスク/EKS ポッドがある脆弱性一覧と対策をコンテナイメージごとに教えて」と投げればやり取りが少なく済みそうですね。

スクリーンショット 2025-07-25 19.24.26.png

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