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Amazon EKS

Last updated at Posted at 2018-12-13

##1.Kubernetes(k8s)って##

###1-1 Kubernetes(k8s)とは###
Dockerなど本番環境で実際に動かそうとすると、問題となる箇所があります。

  • 複数のサーバホスト上で、リソースを確保して動かすにはどうしたらいいか。
  • ダウンタイムなくデプロイするにはどうしたらいいか。
  • 負荷に応じてスケールアウト、インするにはどうしたらいいか。

そんな問題を解決するために提供されたのが、Kubernetesであり、
自動デプロイ、スケーリング、アプリ・コンテナの運用自動化のために設計されたオープンソースのプラットフォームです。

Kubernetesはこんなことができるオーケストレーションです。

機能 説明
ホスト管理 ホストで問題があった場合にホスト上で動作させない。
既に動作していたコンテナは、他のホストに移動させて動作させることができます。
スケジューリング コンテナを実行する時に、リソース状況を見て、対象のホストを決めたり、タグを使って制御したりすることができます。
コンテナの死活監視、オートリカバリ 指定したコンテナ数を維持するために死活監視をしたり、問題がある場合は再起動を実施します。
サービスディスカバリ、ロードバランシング 複数のコンテナに分散したり、コンテナ側で通信して処理を実行する。
シークレットやアプリケーション設定の管理 複数の環境で動作させる時にも、コンテナ側の設定を共通化し、パラメータによって制御可能です。
バッチ実行 指定した時間に実行する。
エコシステムとの連携 他社エコシステムとの連携

Kubernetesは他のオーケストレーターとここが違う!

  • さまざまなOSSと組み合わせることにより、柔軟に機能拡張が可能。
  • 本格的な宣言的オペレーションとinfrastructure as codeを実現可能。
  • クラスター上にデプロイするシステムの構成をコードによって定義。

自前でKubernetesを構築しようとすると、各種コンポーネントの設定やメンテナンスが大変です。
そこで、マネージドサービスとして、提供されたのが、Amazon EKS です。

###1-2 おおまかな全体像###

image.png

  • API Server経由で、etcdの操作を行い、etcdの状態に応じてアクションをする仕組みとなっている。
  • API Server経由で、etcdの操作を行い、etcdの状態に一致するようにk8sが変更される。
  • マネージドサービスの場合、 Kubectlとコンテナのことだけを考えれば良い。
コンポーネント
Master k8sを管理するコンポーネントが配置されりサーバ群
node コンテナが配置されるサーバ群
etcd cluster 高信頼性KVS k8sのデータが保存される
Master
API Server etcdへのwrite,readを行うAPIサーバ
複数台配置して冗長化構成をとることができる
Controller Manager デプロイするコンテナの個数等を管理する
複数台配置できるがリーダは1つだけ
Scheduler コンテナをどのNodeにデプロイするか決める
複数台配置できるがリーダは1つだけ
Node
Container runtime コンテナのランタイム
Docker以外を使用することもできる。
Kubelet Node上に配置されるエージェント
コンテナな起動停止を行う。
Kube-proxy コンテナとの接続を保証するためにNodeのNWを管理する
Kubectl
Kubectl ユーザがk8sを操作する際に使う

###1-3 基本的な構成要素####

image.png

Workload
Pod(po) コンテナデプロイの最小単位
ReplicaSet(rs) デプロイしたPod数を維持するリソース
Deployment(deploy) RollingUpdteするためのReplicaSetを管理するリソース
DaemonSet(ds) 書くNodeに1個ずつPodをデプロイするリソース
StatefulSet(sts) Statefulなコンテナのデプロイの対応したリソース
Job Job用のコンテナをデプロイするリソース
CronJob Jobをcron実行するリソース

Pod

  • コンテナデプロイの最小単位のことです。
  • 1個のPodに複数のコンテナを定義できる。
  • 定義された複数のコンテナは必ず同一のNodeのデプロイされる。
  • 複数のコンテナは同一のIPアドレスを共有する。

image.pngimage.pngimage.png
例えば、複数のコンテナ(コンテナAとコンテナB)があり、このPodをデプロイすると、Pod単位にNICが1個あることとなる。

ReplicaSet

  • デプロイしたPod数を維持するリソースです。
  • Podに付与されているlabelを意識してReplicaSetが制御する。
  • 1個のPodにLabelを複数付与できるので、目的の違うPodのLabelの組み合わせが被らないように設計する。

image.png
image.png
image.pngimage.png
Podが死んだ場合でもReplicaSetが3になるように維持してくれる。

Deployment

  • RollingUpdateするためにReplicaSetを管理するリソースです。
  • RollingUpdate はシステムがダウンしないように少しずつアップデートをする手段です。

例えば、imageを “1.7.9”->“1.12” に変更してデプロイすると、ReplicaSetも新しく作成され、Podも新しく作成される。

Configuration
Configmap 設定情報をkey-valueの形式で保持するリソース
Secret 機密情報を保持するリソース

Configmap

  • 設定情報をkey-valueの形式で保持するリソースです。
  • 作り方:Manifestを書く。ファイルから作る (–frome-file)。
  • 使い方:環境変数とする。Volumeとしてマウントする。

Secret

  • 機密情報を保持するリソースであり、Secret Typesについては、↓のページで詳しく。
    https://docs.koki.io/short/resources/secret/

  • Secret ”Type:Opaque”について

  • Key-valueで機密情報を保持する

  • 利用する目的:ID,Password等を格納する

  • Configmapとは別の場所で管理する

Service
ClusterIP クラスタ内のアクセスを保証する
NodePort クラスタ外からクラスタのPortを指定してアクセスする
LoadBalancer 外部のIPアドレスを使⽤してアクセスする
Headless ホスト名で⽤いてクラスタ内でアクセスする
ExternalName 外部のDNSを使⽤するときに使う

ClusterIP

  • クラスタ内のアクセスを保証します。
  • サービス名で名前解決をし、クラスタ内のPodへアクセスする。

image.pngimage.pngimage.pngimage.pngimage.png
例えば、WEBサーバがあり、DBサーバにアクセスするときにDNS名で名前解決するのと同じイメージ。

NodePort

  • クラスタ外からクラスタのPortを指定してアクセスする。

image.pngimage.pngimage.png
例えば、PORT 8080は31076に流すようなイメージになる。

Namespace
Namespace 1つのクラスタの中を仮想のクラスタで分けることができる

Namespace

  • 検証、開発環境で1つのクラスタの中で分ける
  • 開発チーム単位で分ける

###1-4 kubectlによるユーザーのオペレーション###

基本は、Manifestを作成してk8sを操作する

コマンド
kubectl apply リソースの作成
kubectl delete リソースの削除
kubectl get リソースの情報を取得
kubectl describe リソースの詳細情報を取得
kubectl logs コンテナのログを確認
kubectl exec コンテナでコマンドを実⾏

##2.Amazon EKSのTenets##

Tenet 説明
1 EKSはエンタープライズ企業が本番のワークロードを実行するためのプラットフォームであること。
信頼性、可視性、スケーラビリティ、管理の容易さ
2 EKSはネイティブで最新のKubernetesの体験を提供すること現状でKubernetesで実現できることと同じことができる
3 EKSユーザが他のAWSサービスを使うときには、シームレスな連携を実現し不要な作業を取り除くこと
4 EKSチームは積極的にKubernetesプロジェクトに貢献していくこと

##3.Amazon EKSの仕組み##

名称 説明
コントロールプレーン KubernetesでいうMasterに当たる部分。
ここが、フルマネージドとなり、管理する必要がない部分。
ワーカーノード Kubernetesでいうnodeの部分。

スクリーンショット 2018-12-01 19.11.30.png

##4.Clusterの認証##
Heptio Authenticator を利用することで、AWSのIAM と KubernetesのRBACシステム を連携して認証を行う。

 *Heptio Authenticator ついては詳しくないので↓を参考に
 heptio-authenticator-awsの使い方

なので、IAMだけ認証できても、RBACシステムに登録されていないユーザーはクラスタにアクセスできません。

ちなみに、そんなときは以下の項目を確認してトラブルシュートを行います。
・IAMユーザを利用してクラスタを作成しているか。
・heptio-Authenticator-awsが正しくインストールされているか。
・RBACにユーザーが追加されているか。
極基本的な部分ですね。

##5.設定##
■リソース
Podの定義で実際に利用するCPU、Memoryのrequests(要求する最小リソース)とlimits(コンテナが利用できる最大リソース)を設定する。
実際に運用する上で指定がないと、意図せずリソースを消費してノードが応答しなくなることがあるので、必ず設定しましょう。

・CPUの制限は、1AWS vCPUごとに100m~1000m(0.1~1)
・Memoryの制限は、メモリサイズに合わせて、MiやGiで指定する。

namespace:kube-system → kubernetesに必要なコンポーネントが動いているため、こちらが消費しているリソース分も含めて計算する。

ところで、Podって?
Podとは、Kubernetesでコンテナを管理するための最小単位です。
コンテナを単独で管理するのではなく、グループとして管理することで、コンテナの使いにくさを解消することができます。

■ヘルスチェック
・Liveness Prode:ヘルスチェックに失敗すると、Podの再起動が行われます。チェックに成功するまでRunningになりません。
・Rediness Prode:ヘルスチェックに失敗すると、Running状態でもLoad Balancerの振り分け対象から外れ、ユーザからのアクセスを受け付けない状態となります。

成功か失敗かは何で決めるの?
・exec:設定したコードで判定する。
・httpGet:httpでリクエストして、ステータスコードで判定する。
・tcpSocket:tcpコネクションが確立できるかで判定する。
と、それぞれの環境に合わせて設定する。

■スケジューリング

名称 説明
demonset 必ずnodeには、特定の1つのPodを配置する
nodeSelector 指定したLabelのnodeにPodを配置する
taint/tolerations 指定したkey=value:effectに一致しないPodは配置しない
nodeAffinity nodeにLabelにある条件を指定し一致したPodを配置する

・Kubectl describe node node名 → 現在のLabelを確認することができます。
・Kubectl label nodes node名 key=value → key=valueを追加することが可能です。
・spec.affinity.node.Affinity 設定(matchExpressions) を書き、条件に一致(In,Exists)不一致(NOde,DoesNotExists)により、Podを起動するノードを制御することが可能です。

■オートスケーリング
ワーカーノードとPodの2つ視点から検討する必要があり、マニフェストに指定する「targetAnerageUtilization」にCPU使用率が近づくようにスケールする。
・Cluster Autoscaler:ワーカーノードのオートスケーリング
・Horizontal Pod AutoScaler:Podのオートスケーリング

##6.トラブルシュート##
何かあったらログをみろ。

・Podのログ
 Kubectl logs pod名 のコマンドで確認
 
・Kuberbetesのログ
 kubectl describe pod Pod名 のコマンドで確認
 kubectl describe node Node名 のコマンドで確認

・Kubelet のログ
 journalctl -u kubelet のSSHで確認

##7.料金##
課金されないように停止したい!
→現状では、クラスターを削除して、不要になったら作成するしかなさそう。

Amazon EKS ワーカーノードは標準の Amazon EC2 インスタンスであり、通常の Amazon EC2 オンデマンドインスタンス価格に基づいて請求されます。

##8.暗号化##
[Mar 1, 2021]今まで新規クラスターへのKMS暗号化には対応していましたが、既存クラスターの機密情報も KMS キーを利用して暗号化できるようになったようです。

##9.クラスターの起動時間##

[Mar 19, 2021]新しいクラスターの作成時間が 40% 短縮され、平均 9 分以内で EKS クラスターを作成できるようになったようです。

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