※筆者はそろばんが得意なわけでも暗算コンテストに出たことがあるわけでもないです。
日常生活を送っていると、何かと暗算が必要となるシーンに出会うことがあると思います。
例:割り勘、数値の見積もり、乗換案内、人月計算、麻雀のスコア計算、etc...
その時、咄嗟に数字が出てくるようになるために、日頃から心がけていることを書いてみました。
足し算と引き算
100を作る
たとえば、以下のような足し算があったとします。
62 + 97 \\\
89 + 51 \\\
99 + 101 \\\
\\\
Fig1.1: 足し算その1
これくらいであれば簡単に計算ができると思いますが、一工夫してみましょう。
例えば、以下の計算はどうでしょう。
59 + 100 \\\
100 + 40 \\\
100 + 100 \\\
\\\
Fig1.2: 足し算その2
これは簡単です。100を足すだけなので、暗算が苦手な方でも、簡単に計算できると思います。
そして、これらは_Fig1-1_の足し算を、以下のように式変形した形です。
62 + 97 = (62 - 3) + (97 + 3) = 59 + 100 \\\
89 + 51 = (89 + 11) - (51 - 11) = 100 + 40 \\\
99 + 101 = (99 + 1) + (101 - 1) = 100 + 100 \\\
\\\
Fig1.3: 式変形
100を作ることによって、計算でややこしくなりがちな「繰り上がり」「繰り下がり」計算を減らすことができます。
何を足したら100になるのかを意識することで、100を作るのに慣れてくると思います。
10の倍数以外は、「1の位は足して10、10の位は足して9」になる値ということがポイントです。
足し算、引き算のルールを使う
足し算と引き算は、順番を入れ替えても答えは変わりません。
また、マイナスの値を引くことは、プラスにした値を足すことですし、連続した引き算は、一つの引き算にまとめることができます。
a + b = b + a \\\
a - b = -b + a \\\
a + b + c = a + c + b \\\
a - b - c = a - (b + c) \\\
\\\
Fig2.1: 足し算、引き算のルール
上記を踏まえて、以下の計算を暗算してみてください。(解答例は章末にございます)
172 + 999 + 28 \\\
11 + 57 + 89 + 43 \\\
59 - 9 - 25 - 24 - 1 \\\
1 - 2 + 3 - 4 + 5 - 6 + 7 - 8 + 9 \\\
\\\
Fig2.2: ルールを使ってみよう
10の倍数を作る
もちろん、100を作りにくいシーンは多々ありますが、その場合は、50や、40など、10の倍数にすることを心がけるだけで、途端に計算しやすくなるケースも多いです。
68 + 37 = (68 + 2) + (37 - 2) = 70 + 35 = 105 \\\
\\\
992 + 586 = (992 + 8) + (586 - 8) \\\
= 1000 + (586 - 10 + 2) \\\
= 1000 + (576 + 2) \\\
= 1000 + 578 \\\
\\\
Fig3.1: 10の倍数を作るケース
Fig3.1のケースでは、586 - 8で繰り下がりの引き算が出てきていますが、ここも10を引いて2を足す、とすると繰り下がりの計算を回避することができます。
※そもそも繰り下がりの計算の仕組み自体が、nを引く場合に、10を引いて10-nを足すことを言っています。
引き算を回避する
麻雀のスコア計算の時に,2桁がたくさん並んだものを計算するシーンがあると思います。
例えば以下です。
27 + 52 + 93 + 41 - 23 - 59 - 84 \\\
\\\
Fig4.1: 麻雀のスコア計算(1)
これも左から順番に足して後は頑張って引けばいいのですが、引き算は繰り下がりもあり、間違えの元です。
特に負の値になってしまうケースは間違いが発生する可能性が高くなります。
ですので、以下のように式変形してしまいましょう。
27 + 52 + 93 + 41 - (23 + 59 + 84) \\\
\\\
Fig4.2: 麻雀のスコア計算(2)
書いてしまえば当たり前のことですが、引き算の連続は、足し算したものを引くのと等しいです。
ちなみに、1の位に繰り上がりがないケースは、普通に足してしまったほうが計算が早いです。
27 + 52 + 93 + 41 - (23 + 59 + 84) \\\
= 79 + 93 + 41 - (82 + 84) \\\
= 172 + 41 - 166 \\\
= 213 - 166 \\\
= 200 + 13 - (200 - 34) \\\
= 13 + 34 = 47 \\\
\\\
Fig4.3: 麻雀のスコア計算(2)
213 - 166は一見面倒な引き算ですが、200を2つ作ってしまえば両方とも削除できることに気づくと、最後は足し算で計算出来ます。
章末:Fig2.1の答え
以下の計算方法が唯一の答えというわけではありません。
4問目は2通りの計算方法を示しています。
172 + 999 + 28 = 172 + 28 + 999 = 200 + (1000 - 1) = 1199\\\
\\\
11 + 57 + 89 + 43 = (11 + 89) + (57 + 43) = 100 + 100 = 200\\\
\\\
59 - 9 - 25 - 24 - 1 = 59 - (9 + 25 + 24 + 1) = 59 - (10 + 49) = 0\\\
\\\
1 - 2 + 3 - 4 + 5 - 6 + 7 - 8 + 9 \\\
= (1+3+5+7+9) - (2+4+6+8) \\\
= (1+9+3+7+5) - (2+8+4+6) \\\
= (10+10+5) - (10+10) = 5 \\\
\\\
1 - 2 + 3 - 4 + 5 - 6 + 7 - 8 + 9 \\\
= (1-2) + (3-4) + (5-6) + (7-8) + 9 \\\
= -1-1-1-1+9=5 \\\
\\\
Fig5.1: Fig2.2の解答例