概要
「弊社商品は〇〇%の利用者※が”良い”と評価しています」
という数字を目にすることがありますね。
こういう数字って大抵アンケートから作るのですが、どうせならできるだけ良い数字にしたいと思いませんか?
営業努力でお客様満足度を上げて数字を良くするのも大切ですが、ちょっとしたコツで簡単に数字を良くできるので今回はその方法をお教えします。
評価の基準を作る
基準の無いアンケートはユーザによって評価がぶれてしまい、思わぬ低評価を受けてしまう可能性があります。
ユーザの中にはこちらの想定外の辛めの評価をする方もいらっしゃいます。
例えば、★での5段階評価の時、「1年で★5を付けるのは1件あるか無いか」というユーザや「普通に良かったから★3。★5は付けたことない」というユーザもいるかもしれません。
こういったユーザによってばらけた基準で評価され、想定外に評価が低くなるのを防ぐため
「5:良い、4:どちらかというと良い、3:普通、2:どちらかというと悪い、1:悪い」
といったように基準を明記することが有効です。
4段階評価にする(中央値を消す)
アンケートは「中央値に寄りやすい」という心理効果があります。正規分布に従うと仮定すると5段階評価は
5:6.7%
4:24.2%
3:38.3%
2:24.2%
1:6.7%
となってしまい、「30%のユーザしか良いといえる5,4の回答をしていない」となります。
ここで中央値の存在しない4段階評価「4:良い、3:どちらかというと良い、2:どちらかというと悪い、1:悪い」に変更してあげます。
すると「50%のユーザが良いと言える4か3の回答をした」となります。
何もしてない+単純な統計に従っているだけなのに数字が改善しました٩( ᐛ )و
ちなみにこれは「Good・bad」の2段階評価でもよいですが、「Goodとは言い切れないけどどちらかというと良いくらいなら回答してもよい」と思っているユーザを取り込める4段階評価が個人的にオススメです。
また、6段階評価以上に行くと「良いって言えるの、5,6だけでは?3~4は普通評価なのでは?」という正論を言う人が出てくるので4段階がやはりオススメです。
(この辺の中央値に寄りやすいって心理を考慮したNPSという評価手法などもあるので気になる人は調べてみてネ)
「外れ値」を利用する
一般ユーザ向けにアンケートをとっているとどうしても「お怒りのユーザが故意の最低評価をしてくる」ことがあります。
そういった数字は「外れ値」として統計的に除外しましょう。
外れ値の定義方法はたくさんありますので、グラブス検定や、四分位範囲などいろいろ試してみてください。
一番数字が良くなった統計手法を使うことをお勧めします。
え?改ざんではないかって???
「データの改ざん」はしていません。
また、外れ値の除外自体は「ユーザの誤操作の影響を減らす」といった正しい目的に使われることがあり一般的なものです。
「一般的な統計手法」を用い、「外れ値除外する」理由があり、「計算した結果の正しい数字」が露出しているので、誇大広告・優良誤認には当たりません。
でも露骨にやりすぎると流石に違和感出てくるので統計の悪用はほどほどにね٩( ᐛ )و
悪い評価を付けにくくする
「アンケートは営業さんから手渡しでお客様に渡しその場で回答してもらう」or「記名式アンケート」したうえで「アンケートはお客様の担当営業の考査に使う」と記載します。
担当営業ならば多少なりともお話しして「ユーザにとって身内よりの人間」になっています。
その身内に「悪い」と評価を付けにくい人間心理を利用します。
そのほか「悪いと評価した場合、悪い理由を必ず書いてね」とか「悪い理由を直接別途お電話で聞く場合があります」など書いて「悪いって書いたら面倒くさいな」と思わせるのも手です。
なお、ハードクレーマーが意気揚々と悪い理由を教えに電話してくださる場合があります。気を付けましょう٩( ᐛ )و
良い評価が付きやすいように母集合を調整する
アンケートをとるタイミングを「商品購入後or契約完了後」にします。
そうするとが「商品が良いと納得して購入or契約した人だけ」がアンケート対象になるので、良い評価が付きやすくなります。
※実際に商品を利用したユーザにアンケートを取りました。とか小さく書いてあるヤツです。
こうすると実はアンケートによる「ユーザ満足度X%」という文面の「ユーザの定義」が「良い評価をしやすい母集合」に偏ったものになります。
一方で大多数のユーザはそんな事実には気が付かず、「満足度の高い良い商品なんだな」としか感じ取りません。
わざわざ説明する必要もないですし説明責任もないところなので、誤解したままでいてもらいましょう٩( ᐛ )و
いろいろ言ったけど。
上記のようにアンケートの数字はある程度操作することが可能です。
「顧客満足度NO1(弊社調べ)」とか、
「御社にコンサルとして入って〇〇の数字を改善しました」とかエビデンスっぽい数字を出されるともっともな気もしてしまいますが簡単に信用しないようにネ٩( ᐛ )و