bashで何気なく使っている連番を生成する方法についてまとめてみた。
連番でfor文を回す
1~10までの数値連番をfor文で回したいことは多々あるだろう。
やり方についても様々な実現方法が存在する。
よく使う方法としては以下だろうか。
seqを利用した連番ループ
個人的にはよく使っていた方法である。
seqコマンドを使って、1~10の連番を出力し、forループに利用している。
for i in $(seq 1 10)
do
echo $i
done
ブレース展開を利用した連番ループ
今回メインで取り上げたいのがブレース展開である。
何気なく使っていた方法ではあるが、この記述方法がブレース展開ということを知らなかった。
for i in {1..10}
do
echo $i
done
ブレース展開を利用すると数値の連番だけでなく、a-zA-Zといった文字列の連番も作成することができて便利である。
これが意外と知らなくて、本気で便利だった。
for i in {a..z}
do
echo $i
done
ブレース展開まとめ
以下では、ブレース展開についてまとめていく。
ブレース展開の記述方法
ブレース展開の記述方法には、2種類存在する。
- カンマ区切りの文字列を指定
- シーケンス式の指定
簡単に試してみよう。
$ echo a-{x,y,z}-b # カンマ区切りを使用
a-x-b a-y-b a-z-b
$ echo a-{1..10}-b # シーケンス式を使用
a-1-b a-2-b a-3-b a-4-b a-5-b a-6-b a-7-b a-8-b a-9-b a-10-b
$ echo a-{1..10..2}-b # シーケンス式+インクリメント数指定
a-1-b a-3-b a-5-b a-7-b a-9-b
いや、便利です。これ見ただけでかなり便利ですね。
組み合わせ展開
ブレース展開は入れ子、複数記述を可能としており記載した組み合わせパターンを展開してくれる。
ここでいきなり数学の問題だ。次の式を展開してみよう。
(a + b)(x + y)
・・・
答え
(a + b)(x + y) = ax + ay + bx + by
別に数学が懐かしくなって書いたわけではない。
ブレース展開ではこれを同じことを勝手にやってくれるのである。
$ echo {a,b}{x,y} # (a + b)(x + y)
ax ay bx by
次は入れ子もやってみた。
$ echo {,a{b,c}} # a(b + c)
ab ac
$ echo a{,b{,c{,d}}} # a(1 + b(1 + c(1 + d)))
a ab abc abcd
ちなみに、{,b}とカンマを1つ入れているのはブレース展開の制約である。
ブレース展開の中身は、カンマが1つ以上ある組み合わせ、もしくはシーケンス式以外記述できない。
カンマを含まない文字列を入れた場合、単に{}で囲った文字列として出力されるので注意が必要である。
# 中身が一つならば、ブレース展開で記述する必要がないため、当然の制約といえる。
$ echo {a}
{a}
ブレース展開の用法
いろいろ使い方はあるが、ぱっと思いつく用法を書いてみる。
こんな使い方できるよという程度です。
例1
例えば、以下のファイル構成のものがあるとしよう。
$ ls
001.jpeg 001.png 001.txt 002.jpeg 002.png 002.txt 003.jpeg 003.png 003.txt
png, jpegファイルだけを別ディレクトリへコピーする。
$ cp *.{png,jpeg} ../data2/
$ cd ../data2
$ ls
001.jpeg 001.png 002.jpeg 002.png 003.jpeg 003.png
例2
001.data~100.dataのファイルがあるとする。
これらのうち、奇数番号のファイルと偶数番号のファイルを別々にマージする。
$ cat {001..100..2}.data > odd.data
$ cat {002..100..2}.data > even.data
その他(メモ)
以下は便利と思った展開方法を追記していく。
大文字アルファベット、小文字アルファベット同時に連番
$ echo {{A..Z},{a..z}}
A B C D E F G H I J K L M N O P Q R S T U V W X Y Z a b c d e f g h i j k l m n o p q r s t u v w x y z
0で埋めた数値連番
# 通常
$ echo {1..20}
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
# 0埋め
$ echo {01..20}
01 02 03 04 05 06 07 08 09 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20
16進数を作ってみた(連番じゃない)
$ echo 0x{{00..99},{A..F}{A..F}}
0x00 0x01 0x02 0x03 0x04 0x05 0x06 0x07 0x08 0x09 0x10 0x11 0x12 0x13 0x14 0x15 0x16 0x17 0x18 0x19 0x20 0x21 0x22 0x23 0x24 0x25 0x26 0x27 0x28 0x29 0x30 0x31 0x32 0x33 0x34 0x35 0x36 0x37 0x38 0x39 0x40 0x41 0x42 0x43 0x44 0x45 0x46 0x47 0x48 0x49 0x50 0x51 0x52 0x53 0x54 0x55 0x56 0x57 0x58 0x59 0x60 0x61 0x62 0x63 0x64 0x65 0x66 0x67 0x68 0x69 0x70 0x71 0x72 0x73 0x74 0x75 0x76 0x77 0x78 0x79 0x80 0x81 0x82 0x83 0x84 0x85 0x86 0x87 0x88 0x89 0x90 0x91 0x92 0x93 0x94 0x95 0x96 0x97 0x98 0x99 0xAA 0xAB 0xAC 0xAD 0xAE 0xAF 0xBA 0xBB 0xBC 0xBD 0xBE 0xBF 0xCA 0xCB 0xCC 0xCD 0xCE 0xCF 0xDA 0xDB 0xDC 0xDD 0xDE 0xDF 0xEA 0xEB 0xEC 0xED 0xEE 0xEF 0xFA 0xFB 0xFC 0xFD 0xFE 0xFF