Template-driven Forms in Angular 2
- Original: Template-driven Forms in Angular 2
- Written by: Pascal Precht
- Translated at: 04/07/2016
Angular 2におけるテンプレート駆動フォーム
Angularはフォームを組み立てるのに3つの異なる方法を用意しています。
1つはテンプレート駆動、アプリケーションコードを一切必要としない方法です。
そしてローレベルAPIを使ったDOMを一切必要としないモデル駆動の方法と、
最後はハイレベルのAPI、すなわちFormBuilder
を使ったモデル駆動の方法です。
これらの異なる手段からわかるように、目標を達成するための道具がいくつもあるかもしれないのは当然のことです。
しかし混乱を招いてしまうので、この記事ではAngular 2におけるテンプレート駆動のフォームディレクティブについて明らかにしていきます。
ngForm
ディレクティブ
まずはユーザーの情報をいくつか質問するシンプルなログインフォームからはじめましょう。
<form>
<label>Firstname:</label>
<input type="text">
<label>Lastname:</label>
<input type="text">
<label>Street:</label>
<input type="text">
<label>Zip:</label>
<input type="text">
<label>City:</label>
<input type="text">
<button type="submit">Submit</button>
</form>
私たちはおそらくこんなフォームを何度も作ったことがあります。
ユーザーの名前と住所を入力するコントロールを持ったシンプルなHTMLのフォームで、ここには何の特別なものはありません。
私たちはここで、Angularが連れてきた<form>
というセレクターを持つngForm
ディレクティブによって、
実は私たちのform
要素がすでにngForm
のインスタンスになっているということに気づきません。
ngForm
はとある理由のために存在します。
ngForm
は私たちにフォームが持っている現在の状態を伝えてくれます。状態というのは次のものです。
- フォームの値のJSON表現
- フォーム全体のバリデーション状態
ngForm
インスタンスにアクセスする
ディレクティブのメタデータのexportAs
プロパティを使うと、コンポーネントのテンプレート内でディレクティブのインスタンスにアクセスできます。
例えば、draggable
ディレクティブを作ったとき、そのインスタンスを次のようにdraggable
という名前で外部に露出できます。
@Directive({
selector: '[draggable]',
exportAs: 'draggable'
})
class Draggable {
...
}
そして、ディレクティブを使っているテンプレート内でローカル変数の仕組みを使ってアクセスすることができます。
<div draggable #myDraggable="draggable">I'm draggable!</div>
ここでmyDraggable
はDraggable
のインスタンスの参照になっていて、
テンプレート全体で他の式の一部として使うことができます。
これがどうして面白いのか不思議に思うかもしれません。
そう、ngForm
ディレクティブがngForm
として露出されていること、
それは一切アプリケーションコードを書かずに次のようにフォームのインスタンスにアクセスできるということなのです。
<form #form="ngForm">
...
</form>
フォームの送信と、値へのアクセス
さあ私たちはフォームの値とそのバリデーション状態にアクセスできるようになりました。
まずはフォームから送信されたデータをログに表示してみましょう。
私たちがやらなければならないのは、フォームのsubmit
イベントにハンドラーを追加してフォームの値を渡すことだけです。
実はngForm
のインスタンスにはvalue
プロパティがあるので、次のようになります。
<form #form="ngForm" (submit)="logForm(form.value)">
...
</form>
これでもうまく動きますが、ngForm
が送信時に発火しているもう一つのイベントがあります。それがngSubmit
です。
ngSubmit
はsubmit
と一見すると全く同じです。
しかし、ngSubmit
はイベントハンドラーがエラーを出したときには(デフォルトのform
要素と同じように)submit
されないことと、
HTTPのPOSTリクエストを発生させることが保証されています。
ベストプラクティスとして、submit
の代わりにngSubmit
を使ってみましょう!
<form #form="ngForm" (ngSubmit)="logForm(form.value)">
...
</form>
さらに、次のようなコンポーネントを用意します。
@Component({
selector: 'app',
template: ...
})
class App {
logForm(value: any) {
console.log(value);
}
}
このコードを実行すると、フォームの値は空のオブジェクトなのがわかります。
これは正しい挙動です。なぜならまだコンポーネントのテンプレート中に何もしていないからです。
つまり、私たちはフォームにinput要素を登録しなければなりません。そこでngControl
が登場します。
ngControl
ディレクティブ
フォームのインスタンスにコントロールを登録するために、ngControl
ディレクティブを使います。ngControl
は文字列の名前を持ち、コントロールとしての抽象的なインスタンスを作成します。ngControl
で登録されたすべてのフォームコントロールは自動的にform.value
に現れ、簡単に処理できるようになります。
いくつかのオブジェクトをフォームに追加し、フォームコントロールとして登録してみましょう!
<form #form="ngForm" (ngSubmit)="logForm(form.value)">
<label>Firstname:</label>
<input type="text" ngControl="firstname">
<label>Lastname:</label>
<input type="text" ngControl="lastname">
<label>Street:</label>
<input type="text" ngControl="street">
<label>Zip:</label>
<input type="text" ngControl="zip">
<label>City:</label>
<input type="text" ngControl="city">
<button type="submit">Submit</button>
</form>
ばっちりですね!このフォームに適当な値を入力して送信すれば、次のようなログが見られるでしょう。
{
firstname: 'Pascal',
lastname: 'Precht',
street: 'thoughtram Road',
zip: '00011',
city: 'San Francisco'
}
素晴らしいですね!
私たちはこのJSONオブジェクトを手に入れて、サーバーへ直接送信することができます。
しかしちょっと待ってください?もし次のようなもっと複雑な構造が欲しい時はどうすればいいんでしょうか?
{
name: {
firstname: 'Pascal',
lastname: 'Precht',
},
address: {
street: 'thoughtram Road',
zip: '00011',
city: 'San Francisco'
}
}
フォームをsubmitした時に手で組み立てる必要があるのでしょうか?
答えはノーです!Angularはこれをちゃんとカバーしています。
というわけで、次はngControlGroup
の紹介です。
ngControlGroup
ディレクティブ
ngControlGroup
はフォームコントロールをグループ化することができます。
別の言い方をすれば、コントロールグループはコントロールなしには存在できません。
さらに、コントロールグループはその中にあるコントロールがvalidかどうかを引き継いでくれます。
これによって簡単にフォームの中でバリデーションチェックがとても簡単になります。
ここであなたはこう考えるかもしれません。
「ちょっと待てよ?つまりフォーム自体が1つのコントロールグループなんじゃないか?」
そう、その通りです。フォームは1つのコントロールグループです。
さっそくngControlGroup
を使ってコントロールをグループ化してみましょう!
<fieldset ngControlGroup="name">
<label>Firstname:</label>
<input type="text" ngControl="firstname">
<label>Lastname:</label>
<input type="text" ngControl="lastname">
</fieldset>
<fieldset ngControlGroup="address">
<label>Street:</label>
<input type="text" ngControl="street">
<label>Zip:</label>
<input type="text" ngControl="zip">
<label>City:</label>
<input type="text" ngControl="city">
</fieldset>
ご覧のとおり、上のコードでは私たちはフォームコントロールを<fieldset>
要素でラップし、
ngControlGroup
ディレクティブを適用しています。
これは特に意味があるわけではなく、代わりに<div>
要素を使ってもかまいません。
ポイントは、何かしらの要素である必要があり、
そこにngControlGroup
をつけることでngForm
に対して登録されるということです。
このフォームを送信すれば次のような出力が得られるでしょう。
{
name: {
firstname: 'Pascal',
lastname: 'Precht',
},
address: {
street: 'thoughtram Road',
zip: '00011',
city: 'San Francisco'
}
}
完璧ですね!
私たちは望む構造のオブジェクトを一切アプリケーションコードを書かずにフォームだけで構築できました。
しかし不思議に思うかもしれません。Angular 2でフォームの中でngModel
を使うとどうなるんでしょうか。
これは良い質問です。
ngModel
とは?
Angular 2におけるngModel
は双方向データバインディングを実装しているものです。
ただしそれだけではなく、実はもっと多くのケースでシンプルに使えるものです。
テンプレート駆動のフォームにngModel
をどう使えばいいのでしょうか?そもそもngModel
を使えるのでしょうか?
もちろん使えます!
ngForm
やngControl
、ngControlGroup
が提供するのはフォームの構造化と、フォームの値へのアクセスですが、
一方でngModel
が提供するのは双方向データバインディングのためのドメインモデルです。
言い方を変えれば、form.value
はサーバーに送りたいデータであり、
ngModel
はフォームにデータを与えることができますが、これらは同時に使うことができます。
ngControl
はngModel
がバインドできるようになっています。
つまり次のように書くことが出来ます。
<fieldset ngControlGroup="name">
<label>Firstname:</label>
<input type="text" ngControl="firstname" [(ngModel)]="firstname">
<p>You entered {{firstname}}</p>
<label>Lastname:</label>
<input type="text" ngControl="lastname" [(ngModel)]="lastname">
<p>You entered {{lastname}}</p>
</fieldset>
もっと知りたい方は
もちろんここで述べたのはフォームを作る方法の氷山の一角です。
バリデーションについてや、入力されたデータに対してエラーメッセージをどう表示するかなど、話していないことがたくさんあります。
それらについてはまた別の記事で紹介します。
ただしカスタムバリデーターを作る方法についてはこの記事を見てください。