はじめに
2019年5月(*)にSolution Architect Associate(SAA-C01)認定試験を受験し合格しました。
今回のブログ記事では合格体験記として、試験に向けて勉強したことなどについて記載していきたいと思います。
今後、受験される方のお役に立てれば幸いです。
(*)2020年3月より試験問題が改訂されました。本記事ではあくまで当時の合格体験記として記しておりますのであらかじめご了承ください。
受験を決めた当時の筆者のレベル
業務では主にオンプレミスで構築されたインフラ環境の運用・保守を行っており、AWSをはじめとしたパブリッククラウドを用いた業務経験は全くありませんでした。
また、インフラ運用・保守経験自体も1年6か月程であったため決して知識が豊富であったわけではありません。(これから受験される方の勇気づけになれば幸いです・・・)
認定試験を受験することに決めた理由としては、現職で受けたクラウドコンピューティングトレーニングがきっかけでした。
スケーラブルなインフラ環境構築、DevOpsを用いた運用に興味を持ち、「AWSの案件に携わりたい!」と思うようになりました。
こうしたことから、上司へのアピールを込めて認定資格の受験を決めました。
Solution Architect Associate試験について
AWS公式ページ内にて以下の通り紹介されています。
"AWS 認定ソリューションアーキテクト – アソシエイト試験は、AWS における分散システムの可用性、コスト効率、高耐障害性およびスケーラビリティの設計に関する 1 年以上の実務経験を持つソリューションアーキテクト担当者を対象としています。"
上記で記載しましたが、当方は全くのAWS実務経験無しの状態で合格しました。
あらゆる方々の合格体験記にもAWS実務経験無しの状態で合格されている方は沢山おられますので、実務経験の有無はあまり関係ない(勉強で乗り越えられる)かと感じました。
また、受験資格はとくに設けられていないため誰でも受験することができます。
###試験の概要###
- 試験時間:130分
- 問題数:65問
- 料金:15000円+税
###出題範囲###
- レジリエントアーキテクチャの設計 30%
- 高パフォーマンスアーキテクチャの設計 28%
- セキュアなアプリケーションとアーキテクチャの設計 24%
- コスト最適化アーキテクチャの設計 18%
ご覧の通り各出題範囲からバランスよく出題されていることがわかります。
合格に必要なスコアは最低720点(1000点満点中)となります。
特定の範囲に偏って勉強したり、苦手分野をできるだけ作らないよう試験勉強を進めることが大切です。
筆者は788点のスコアで合格することができました。
各出題範囲ごとの獲得スコアは以下の通りです。
総合獲得スコア:788点
1. 回復性の高いアーキテクチャを設計する:34%
2. パフォーマンスに優れたアーキテクチャを定義する:24%
3. セキュアなアプリケーションおよびアーキテクチャを規定する:26%
4. コスト最適化アーキテクチャを設計する:10%
5. オペレーショナルエクセレンスを備えたアーキテクチャを定義する:6%
上記はあくまで旧試験の試験範囲となります。最新の試験範囲は試験ガイドから参照できるため、試験準備の際には一読いただくことをお勧めします。
試験勉強に費やした期間
試験勉強は2019年2月より本格的に始めました。
試験は5月に受験したため、ざっと3か月程の勉強期間でした。
平日は1~2時間程度、休日は3~6時間程度勉強しました。
試験に向けた対策法
以下にて筆者が試験に向けて勉強した方法を記します。
また、独断と偏見ではありますが実際に勉強してみておススメ度(★5段階評価)を記載しています。
###①対策本 -おススメ度★★★★★-###
徹底攻略 AWS認定 ソリューションアーキテクト – アソシエイト教科書
いわゆる黒本で基本的な知識の習得を行いました。本書を用いた勉強方法ですが、5周ほど内容を読み、知識の定着を確認するため各章末問題や付録の模擬試験をひたすら解きました。
各説明が簡潔に記載されており、試験に出題されるポイントを押さえた内容も多く掲載されているため、とりあえずの一冊としておすすめではないかと思います。
また、AWS初学者にもわかりやすい内容となっているかと思います。
ただし、本書一冊のみでは実際の試験問題に十分に対策できていない印象がありました。
あくまで基礎知識習得用としてご利用いただくのがよいかと思います。
個人的にですが、書籍購入費が発生するため、「試験に絶対合格するぞ!」というモチベーションの維持にもつながりました。
###②Amazon Black Belt -おススメ度★★★★☆-
AWS公式のクラウドサービス別ドキュメント集になります。
おススメポイントは ①無料で学習できる、②最新のAWSサービス情報を見ることができる、③対策本では記載されていない詳細な情報を学習できる点です。
あらゆる方々の合格体験記に「Black Beltをしっかり勉強すれば合格可能」と紹介がされているほど、試験勉強される方にとって重要な資料であると思います。
以下のAWSサービスは特に重要なため一読されることをお勧めします。
- EC2
- VPC
- IAM
- S3
- EBS
- ELB
- RDS
- CloudWatch
- SQS
- Route 53
- Dynamo DB
- CloudTrail
- Lambda
実際の試験ではLambdaをはじめとしたサーバーレスコンピューティングの問題が多く出題されていた印象があります。
###③AWS FAQs -おススメ度★★★★☆-
AWS公式のFAQ集になります。
模擬試験の後などに各AWSサービスのFAQsをざっと見てみるとわかりやすいですが、試験に出題される問題とそれに対する答えと同様のFAQが数多くあります。
FAQにある内容は実際の試験でも問われることが多いため重要なAWSサービスに関しては確認しておくことをお勧めします。
###④AWSハンズオン -おススメ度★★★☆☆-
AWS公式が提供している「実際のAWS環境を用いたチュートリアル集」となります。
座学で知識の習得を行った後、実際にAWS環境に触って体験することで、よりAWSサービスの理解が深まります。
また、実際の験問題でも各AWSサービスをコンソールでの操作に関する問題が出題されていたため、AWSハンズオンを一度行うことをお勧めします。
注意点として、ハンズオンを通して構築・利用したAWSサービスについては通常通り課金されます。
ハンズオン終了後に作成した環境の削除をお忘れなくお願いします。
※筆者にてRDSを用いたハンズオンを行った際はUS1$ほどの請求が発生しました。
模擬試験
上記の試験対策を経て、模擬試験を受験しました。
AWSより有料の公式模擬試験が用意されています。
模擬試験はオンラインで場所を問わず受験することができます。
###模擬試験の概要###
- 試験時間:35分
- 問題数:25問
- 料金:2000円+税
筆者は試験本番の2週間前に模擬試験を受験しました。
学習した知識のアウトプットはもちろんのこと、実際の試験の出題形式や、試験の流れに慣れるという意味でも模擬試験を受験することをお勧めします。
参考に筆者が模擬試験を受験した際のスコアは以下となります。
総合スコア: 76%
1. 回復性の高いアーキテクチャを設計する:77%
2. パフォーマンスに優れたアーキテクチャを定義する:85%
3. セキュアなアプリケーションおよびアーキテクチャを規定する:66%
4. コスト最適化アーキテクチャを設計する:50%
5. オペレーショナルエクセレンスを備えたアーキテクチャを定義する:100%
模擬試験を受験して苦手な分野は「コスト最適化アーキテクチャを設計する」であることが判明したため、試験までの2週間は徹底して苦手分野を補うよう勉強しました。
実際の認定試験を終えて
試験問題をすべて解き終わるのに約90分かかりました。
見直しの時間は十分にとれるため、自信がない問題があった場合はいったん飛ばして、確実に回答できる問題を落ち着いてこなしていくことがポイントです。
出題される問題に関しては、上記で紹介した対策を行うことで十分に対応が可能な印象でした。
いかがでしたでしょうか。
Solution Architect Associate認定試験はAWSの実務経験が無い方でも十分に合格できる可能性のある資格となっています。
今後、AWSをはじめとしたパブリッククラウドを用いたインフラ運用やサービス開発がますます増えていくと思われます。
ぜひ今のうちからAWS認定資格の取得を目指してみてはいかがでしょうか。