Fashion Tech Night #02というイベントに参加した際のセッションの内容
※オープニング・第1部・第2部と3セッション構成で、どのセッションも技術的な内容ではなかったが、オープニングセッションの内容が印象に残ったので記録。
イベント概要
今現在のファッション業界の潮流や、各ファッションブランドがどのようにITテクノロジーを活用しているのかを紹介する。
目的
ECサイトがどういったテクノロジーを活用しているのか興味があり、そういったナレッジ共有があると期待して参加した。
Fashion Tech業界の動向について(小関 翼 氏)
小関氏が前職のAmazonで感じたこと
・ Amazonは、ライフスタイル系の苦手分野。
・ Amazonのようなカタログ型UIで、自分が知らない物を購入するというのはコンバージョンに繋がりにくい。
・ 売り手、買い手で情報に差があるライフスタイルの分野で、スタンドアップを起こしたいと思った。
ファッション業界の動向
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#####○○Techという言葉は、様々な種類がある。
金融系は、FinTech(フィンテック)/Finance(金融)× Technology(技術)
教育系は、EdTech(エドテック)/Education(教育)×Technology(科学技術)
広告系は、AdTech(アドテック)/Advertisement(広告)×Technology(科学技術)
etc. -
#####今までのWeb系の会社は、競争が激化しており差別化がしにくく、アパレルや不動産やHRなどに技術を応用している傾向にある。
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#####5〜10年でtech業界はなくなるのではないか。
なぜかというと、テクノロジーというのはコモディティー化しておりネット系の業界でも使用できる、かつネット系を振り返ると広告やゲームくらいしか成功している会社がないから。
→リアルビジネスに進出するべきではないか。 -
#####日本の旧来型の大手企業は、驚くほどネットについて知見がない。かつ、日本は産業毎にむらがあるのでテクノロジーの活用が遅れるのではないかと言われている。
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#####日本は、ミス雇用のミスマッチが起きやすい。それは、新卒で入社してそのまま働き続ける人が多いため。また、他の業界との交流が少ないという理由もある。
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#####海外の転職状況は、スキルベースのため業界を跨いだ転職が普通に行われており、ナレッジの交換が行われ産業に繋がっている。
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#####リアルのビジネスにテクノロジーを応用しようという世界的潮流になっている。
ベンチャーキャピタルの市場規模でいうと、日本より韓国・中国の方が大きな金額が動いている。中国に関しては、日本の20倍程の投資金額が動いてる。 -
#####中国の3企業(BAT)、Baidu(百度/バイドゥ)、Alibaba(阿里巴巴)、Tencent(騰訊・TengXun/テンセント)などが投資に積極的。
件数・金額ベースどちらとも半数近くIT業界に投資している(主にO2O)。
このBATは、既に大規模なプラットフォームを握っているため、インターネット上で重要な情報を得るのは難しく、オフラインを押さえようと動いている。
ファッションでテクノロジーをどのように活用する??
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#####生産の効率化(生産と販売の壁を取り払う動き)
(生産と販売の結びつきは希薄で、数ヶ月後の需要を予測して商品を大量生産して店頭に並べる。市場規模が大きいため、トレンドに乗れば勢いづいて上場する企業もあるが、一旦それが外れると沈没なんていうことが伝統的に起きていた)- 生産を短期化
- ユーザーのニーズをフィードバックして逃さない
- 販売面で情報提供機能、情報回収
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#####オフラインとオンラインの統合
- 売り上げベースでは、オフラインの利益は無視できない
- 粗利は、ECの方が良い
- 良い顧客体験を提供するには、オフラインとオンラインの連携が必要
→オフンラインで購入している顧客もオンライン経由で商品情報などを確認したり、オンラインで購入している顧客もオフラインの店舗で商品の確認を行ったりしている。
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#####アジア市場の開拓
- 国内のアパレル市場は大きいが、これから市場の拡大は期待しにくい
- アメリカよりも中国・東南アジアの市場拡大が目まぐるしい
- 中国・東南アジアは、技術革新のテンポが日本やアメリカとは違い、急激に技術革新したためスマートフォンを媒介にしてコミュニケーションしてから購入するというのが普通
(店頭のスタッフがオンライン上でお客とコミュニケーションをとるケースが普通になっている。むしろ、コミュニケーションをとってからでないと買わない) - 中国や東南アジアは、AlipayやWeChatペイなどのスマホ決済が普及している
→クレジットカードやバンクアカウントを持っておらず、デビットカードを使っているためECサイトで決済画面でのユーザー体験が悪かったという背景からモバイルペイメントが普及した。
ユーザー体験の重要性
最近は、会話型UIの販売が増えているが、それが必ずしも優れているとは限らない。
なぜなら、Botなどを使って自分がよくわからないものを探す際に会話型のUIに様々な条件を伝えなくてはいけないため、結局は検索と同じになってしまう。
それよりは、カタログ型UIでオススメされた方が選びやすい。
→何でもかんでも会話型UIでなくて良い。
考察
内容は、ファッション業界を軸にしたものだったが、ITを軸としたサービスを行っている業界には当てはまると感じた。
(参加前は、技術的な側面からEコマースの話をするのかと思っていたが、実際参加してみたら想像とは違ってた…。)