東京大学ブロックチェーン寄附講座を受講した体験記
これまで私は独学でブロックチェーン技術の勉強を続けてきました。個人開発を進める中でSolidityやEthereumにはある程度触れていましたが、どうしても知識が偏ることが多く、ゼロ知識証明(ZK)の概念やその応用を理解するのに苦戦していました。また、SolanaやPolkadot/Astarといった他のブロックチェーン技術についても、具体的な仕組みや活用方法が曖昧なままでした。そんな時、この講座の募集を知り、「体系的に学べる絶好の機会だ」と思い、迷わず申し込みました。
講座の概要
この講座は、基礎から応用までブロックチェーン技術を日本語で学べる貴重な機会を提供していました。特に以下のような豊富なトピックをカバーしており、技術の全体像を捉えられる構成でした。
主要トピック
- はじめに,ブロックチェーン概要
- ビットコイン
- Ethereum 1.0
- Ethereum 2.0
- Dapps開発入門
- Dapps・エコノミクス設計入門
- Dappsの事例紹介(DeFi, DAO, NFTなど)
- Web3関連の法律
- ゼロ知識証明(ZK)の概要と実践
- ブロックチェーンにおけるZK事例
- L2技術
- Solana
- いろいろなL1ブロックチェーン
- インターオペラビリティ
- Polkadot/Astar
- エンタープライズ領域における利用
- Web3ニュース・トレンド
- グループワーク(はじめに・各自)
試験について
講座の前半部分では座学や演習を通してブロックチェーンの基礎と応用を学びましたが、グループワークに参加するには、後半の試験を突破する必要がありました。この試験は、講座で学んだ内容の理解度を問うもので、知識をしっかりと身につけていなければ合格は難しかったです。
私が挑戦したグループワーク
テーマ: 地震保険プロジェクト
私は試験を無事突破し、後半のグループワークに参加することができました。私たちのチームが取り組んだのは「地震保険」のプロジェクトです。
プロジェクトの概要
- NFT発行: 各都道府県ごとにNFTを発行。利用者が賭け金(プレミアム)を設定。
- Chainlinkの活用: 地震情報APIを使用し、震度データをスマートコントラクトに反映。
- 保険金支払い: 大きな震度が記録された都道府県のNFT保有者に対し、スマートコントラクトに預けたトークンを付与。
このシステムにより、地震被災者を支援する革新的な仕組みを設計しました。
開発で使用した技術
- Solidity: スマートコントラクトの開発
- Chainlink: オフチェーンデータをブロックチェーンに連携
受講を終えて
この講座を通じて、ブロックチェーンの基礎技術から最新トレンドまで幅広く学ぶことができました。特に、グループワークを通じて実践的なスキルを磨けたことが大きな収穫です。これまで独学で学んでいた内容を体系的に整理し、新たな知識を習得できたことで、技術への理解が格段に深まりました。Chainlinkの実装ついては発表までに間に合わせることができなかったのですが、グループワークを通じて実装面だけでなくコミュニケーションスキルも向上させることができたと思っています。
毎年このブロックチェーン寄附講座が行われると思うので、興味のある方や技術の実践を志している方には、ぜひこの講座を受講していただきたいです。日本語で学べる貴重な機会を活用し、ブロックチェーン技術の最前線に触れてみてください!
東京大学ブロックチェーン寄附講座についての詳細は、公式ページをご覧ください!