はじめに
近年、Web技術の進化とともに、開発者が迅速にサービスを構築・提供できるプラットフォームが増えています。
その中でも、Cloudflare や Hono など、手軽で強力なエッジコンピューティングや高速なAPIフレームワークが注目を集めおり、スピード感を求められる現代のビジネス環境において、非常に魅力的だと思っております。
しかしながらビジネスの長期的な安定性を考慮すると、特定のサービスやプラットフォームに過度に依存することにはリスクも伴います。
今回はこれらのリスクについて自分なりの心構えをご紹介いたします。
Cloudflareとは?
Cloudflareは、2009年に設立された企業であり、世界中のWebサイトやアプリケーションのセキュリティ向上やパフォーマンス最適化を目的とした幅広いサービスを提供しています。
Cloudflareと言えば、かつては CDN(コンテンツ配信ネットワーク) の印象が強いサービスでした。Webサイトを高速化し、DDoS攻撃から保護するサービスとして知られています。
しかし近年、Cloudflare Workers というエッジコンピューティングプラットフォームの登場により、その利用範囲は大きく広がっています。
Cloudflare Workersとは?
Cloudflare Workers は、Cloudflareのグローバルなエッジネットワーク上でコードを実行できるサーバーレスプラットフォームです。
従来のクラウドサーバーとは異なり、リクエストがユーザーに最も近いエッジロケーションで処理されるため、高速で応答性の高いアプリケーションを構築することが可能です。
Cloudflareへの依存が引き起こすベンダーロックイン問題
界隈では、押せ押せモードになっているような感じがしますが、やはりCloudflareにもベンダーロックインというビジネス上の大きな課題が潜んでいます。
料金体系の変更
クラウドサービス全般に共通するリスクとして、料金体系が突然変更される可能性があります。
サービス終了や仕様変更
Cloudflareが特定のサービスを終了したり、APIの仕様を変更した場合、既存のシステムが動作しなくなるリスクがあります。
少し話が逸れますが、Cloudflareで障害が起きたときも考慮した方が良いですね。
余談
昔、狂四郎2030という漫画があり、「おかわりもいいぞ!」という有名な1シーンがあります。(詳しくは調べてください)
ベンダーロックインも謂わばカレー問題と同じだとは思っており、依存すればするほど苦痛は続くようになっているということです。
私の中で記憶に新しいのは、某ネットショップサービスの料金改定です。
突然の発表でしたし、料金が三倍以上になったのも衝撃的でしたね。
対策 - 退路を確保する
怖いことを書きましたが、
ゴルゴ13のように、有事の事があった際でも常に退路を確保していれば大丈夫です。
Hono
今流行っているHonoは、Web標準で実装されたフレームワークなので、Cloudflareに依存している訳ではありません。
これは別に移行がしやすいかなと思います。
Cloudflare Workers
他のサービスでも同様の機能(Lambda@Edge など)を提供しているものがあり、これも代替がまだ可能です。
問題はこの後
Cloudflareには色々なサービスがありますが、Cloudflare以外に代替が出来ない技術・サービスについては特に警戒が必要です。
Cloudflareが安すぎるのが、自分の中で特に警戒しているところでもあります。
ドメインの更新費用が安いし、PagesもWorkersもCDNも無料プランがあるので、慈善団体か何かと勘違いしてしまいそうですが、しっかりと取捨選択をしながら判断していきたいところですね。
常に危機管理をしながら、技術・サービス選定をしていただきたいという話でした!