はじめに
対象読者
Pythonでプログラミングを始めたい … と思っているけれど
何から手を付けていいのか 判らない人
ゴール
2時間以内に
プログラミングを 経験できます
長い人生 2時間ほどお付き合いあれ
実作業は 1時間以下です
Point
-
IDE(統合開発環境)( ← ざっくり言えば エディタ のことです)
は VSCode( Visual Studio Code )を使用します -
仮想環境 を作成します
初心者のうちは まず作成しないであろう 仮想環境を
はじめから作成します -
(注意)
Anaconda は、インストールしません
Anaconda って何? … という人は 気にしなくてもいいです
参照 ⇒ 余談: Anaconda は、初心者向けではない
目次
1.Python のインストール
2.VSCode のインストール
3.Windowsエクスプローラーで 作業対象フォルダを作成する
4.VSCodeで 作業対象フォルダを開く
5.VSCodeで 仮想環境を作成する
6.VSCodeで コーディング と 実行
7.VSCodeで 外部ライブラリをインストールする方法
8.(あなたの) 今後の展開
補足説明
補足1.作業対象フォルダは どのような単位で作成するのか(組織の場合)
補足2.作業対象フォルダは どのような単位で作成するのか(個人の場合)
補足3.作業対象フォルダ名/サブフォルダ名(個人の場合)
補足4.(プログラム/仮想環境)以外で、作業対象フォルダに保存するもの(個人の場合)
補足5.VSCodeで複数の作業対象フォルダを開くには
補足6.標準ライブラリ/外部ライブラリ とは
補足7.Pythonのバージョンアップ について
1.Python のインストール
恐縮ですが、下記サイトを参照してください
私もこのサイトを参照してインストールしました
数分でインストールできます
2.VSCode のインストール
恐縮ですが、下記サイトを参照してください
私もこのサイトを参照してインストールしました
10分ほどでインストールできます
3.Windowsエクスプローラーで 作業対象フォルダを作成する
どこでもいいので
「Pythonでプログラミング」フォルダを作成します
これは 単なるまとめフォルダなので 作成は任意ですが
作成したほうが 管理上よろしいかと
どこでもいいので ... と言ったものの
「ドキュメント」フォルダ内を推奨
その直下に
「練習」フォルダを作成します
さらにそのなかに 「src」フォルダを作成します
①:単なる まとめフォルダ
②:作業対象フォルダ ( ← VSCodeで開くフォルダ)
③:サブフォルダ (プログラムの格納先)
4.VSCodeで 作業対象フォルダを開く
4.(1) VSCodeでの 作業単位
VSCodeは、 フォルダ単位で作業する … という仕様になっています
ですから
VSCodeを起動して 最初に行うことは
作業対象となるフォルダを開くことです
(注意)
VSCodeでは、(基本的に)ひとつの作業対象フォルダしか 開くことができません
参照 ⇒ 補足1.作業対象フォルダは どのような単位で作成するのか(組織の場合)
4.(2) VSCodeで 作業対象フォルダを開く
VSCodeのメニューバーの ファイル > フォルダを開く... をクリックし
上記②の「練習」フォルダ を選択します
すると画面左側のサイドバーに「エクスプローラー」ビューが現れて
上記②③のフォルダが ツリー表示されます
(補足)
「このフォルダー内のファイルの作成者を信頼しますか?」
… というダイアログが表示される場合があります
この場合、
[はい、作成者を信頼します……]ボタン をクリックしてください
(補足)
間違ったフォルダを選択したときは
VSCodeのメニューバーの ファイル > フォルダを閉じる をクリックし
やり直してください
(補足)
画面右側の「ようこそ」ページは
閉じるボタンをクリックして 閉じておきましょう
(単に 画面をすっきりさせたいだけです)
尚、閉じた「ようこそ」ページを 開くには
VSCodeのメニューバーの ヘルプ > ようこそ をクリックします
5.VSCodeで 仮想環境を作成する
仮想環境作成は、Pythonに備わっているしくみのひとつです
必ず作成しないといけない … というものではありませんが
あとあと面倒なことになりかねないので
作成したほうが無難です
(おことわり)
仮想環境について詳細説明はしません
今 説明しても 初心者のあなたが理解(イメージ)するのは難しいと思います
しかし、理解していなくても大丈夫です
尚、作成した仮想環境に切り替えるには
Windows PowerShellで ACTIVATE.PS1を 実行しなければならないのですが
VSCodeには、これを自動実行するしくみがあり それを利用します
何やら難しそうだな … とお思いでしょうが ★ 心配はいりません
仮想環境は 理解していなくても 実践するのは簡単です
それに 一旦作成してしまえば
それ以降 仮想環境を意識する必要はありません
(補足)
誤解のないように言い添えておきますと
仮想環境は作業対象フォルダ毎に作成します
これから作成するのは
「練習」フォルダ用の仮想環境です
新しい作業対象フォルダを作成したときには
その作業対象フォルダにも、その作業対象フォルダ用の仮想環境を作成します
5.(1) ターミナルで 仮想環境を作成する
VSCodeのメニューバーの ターミナル > 新しいターミナル をクリックします
すると画面右側の下部に「パネル」が現われて
ターミナルが 表示されます
ターミナルのコマンド行に
下記の 仮想環境作成コマンド を入力し(コピペ可)、Enterします
python -m venv .venv
数秒で終わります
フォルダツリーをみると 2階層目に「.venv」フォルダが追加されています
これが 仮想環境です
「パネル」の右上にある ゴミ箱アイコン(ターミナルの強制終了) をクリックし
「パネル」を閉じます
(注意)
閉じるボタンでも「パネル」は閉じますが、ターミナルは終了しません
(ショートカット: Ctrl+@ でターミナルを再表示できます)
5.(2) コマンドパレットで 仮想環境のインタープリターを選択する
(補足)
インタープリターとは
プログラムを実行してくれる exe(python.exe)のことです
VSCodeのメニューバーの 表示 > コマンドパレット... をクリックし
入力フィールドに「python interpreter」 と入力し
「Python: インタープリターを選択」 をクリックします
次に、
後ろに「.venv」フォルダが表示されている方の Python をクリックします
(たぶん 先頭に ★印がついていると思います)
これが、仮想環境のインタープリターです
クリックすると、コマンドパレットは閉じます
(補足)
(下の行にある)もうひとつの Python は
Pythonをインストールしたときに Pythonに初めから備わっている
グローバル環境のインタープリターです
(仮想環境 … という言い方に対して)
単に、Pythonをインストールすることによってできる環境を
グローバル環境 … と言います
参照 ⇒ 補足7.Pythonのバージョンアップ について
仮想環境を作成しない場合は、
デフォルト設定で、このグローバル環境のインタープリターを使用するようになっています
5.(3) ターミナルで 仮想環境への切り替えを確認する
VSCodeのメニューバーの ターミナル > 新しいターミナル をクリックします
すると画面右側の下部に「パネル」が現われて
ターミナルが 表示されます
①:ACTIVATE.PS1 が自動実行されています
②:コマンドプロンプトの行頭に「.venv」フォルダが表示されています
この表示は、仮想環境に切り替わっている … ことを示しています
これで、確認できました
「パネル」の右上にある ゴミ箱アイコン(ターミナルの強制終了) をクリックし
「パネル」を閉じます
6.VSCodeで コーディング と 実行
ここでは、最初のプログラムの例としてよく登場する
『 文字列「Hello, World!」を画面に表示する プログラム 』 を作成します
6.(1) 新しいファイル(プログラム)を作成する
フォルダツリーの2階層目の ③「src」フォルダ を右クリックし
新しいファイル... をクリックします
さらに入力フィールドに「pgm1.py」と入力し、Enterします
(注意)
プログラム名は任意ですが
拡張子は「.py」にしないといけません
すると画面右側に「エディタ」が現れます
ここにコードを記述します
6.(2) コーディング
上記「エディタ」に、下記のコードを 入力(コピペ可)します
def main():
print("Hello, World!")
if __name__ == "__main__":
main()
2行目の 「print」は何となく判るけれど 他の行は何?
… と疑問にお思いでしょうが 説明はしません
後々 Pythonの文法を学習すれば 理解できます
今は、「こういう書き方をするものだ」と捉えてください
(世にいう おまじない です)
尚、保存の必要はありません (Windowsでいえば、ファイルの上書き保存)
実行時に、未保存の場合は 自動的に保存 されます
保存のひと手間(ショートカット: Ctrl+S)が省けるだけですが
コードを少し修正しては すぐに実行できるので
地味ながら便利な機能です
(補足)
未保存/保存済 は
「エディタ」タブの ファイル名の右横にあるマーク で確認できます
(補足)
「エディタ」の閉じ方/開き方
・閉じ方
「エディタ」タブの ファイル名の右横にあるマーク をクリックします
保存済の場合は、すぐに閉じます
未保存の場合は、保存/保存しない/キャンセル を選択できます
・開き方
フォルダツリーの 該当のファイル(プログラム) をクリックします
・尚、「エディタ」は複数同時に開くことができます
(補足)
VSCodeを終了をするとき
フォルダやエディタが開いたままでも 問題ありません
エディタが未保存状態でも 問題ありません
VSCodeを起動すると
前回終了時の状態で 画面が開きます
6.(3) 実行
「エディタ」の右上にある 三角ボタン(Python ファイルの実行) をクリックします
すると画面右側の下部に「パネル」が現われて
ターミナルで プログラムが実行されます
コードが短いので すぐに終了します
①:仮想環境に切り替わっています
②:仮想環境のインタープリターにより
③:pgm1.py が実行されています
④:実行結果です
文字列「Hello, World!」が表示されています
「パネル」の右上にある ゴミ箱アイコン(ターミナルの強制終了) をクリックし
「パネル」を閉じます
7.VSCodeで 外部ライブラリをインストールする方法
今後、プログラムで外部ライブラリを使用することがあろうかと思います
その時のことを話しておきます
プログラムで外部ライブラリを使用する場合は
その外部ライブラリを別途インストールしておく必要があります
ここでは、外部ライブラリ「dateutil」を例に説明します
尚、標準ライブラリの場合は インストールなしで 使用できます
7.(1) ターミナルで 外部ライブラリをインストールする
VSCodeのメニューバーの ターミナル > 新しいターミナル をクリックします
すると画面右側の下部に「パネル」が現われて
ターミナルが 表示されます
ターミナルのコマンド行に
下記の pipコマンド を入力し(コピペ可)、Enterします
pip install python-dateutil
数秒で終わります
①:仮想環境に切り替わっています
②:入力した pipコマンド
③:インストール成功のメッセージが表示されています
④:(後ほど説明します)
インストールは、②③で完了しています
どこにインストールされたかというと、仮想環境の「.venv」フォルダです
別に確認する必要はないけれど
フォルダツリーを展開すると
「.venv」フォルダのなかに 「dateutil」フォルダが追加されています
7.(2) pipコマンド の更新
④のようなメッセージが表示される場合があります
④のメッセージは、外部ライブラリ「dateutil」とは関係ありません
「pip」コマンド自身に対するメッセージです
直訳すると
[通知] pipコマンドの新しいリリースが利用可能です
[通知] 更新するには このコマンドを実行してください
ということで
④:メッセージにあるコマンドをコピーし
⑤:コマンド行に貼り付けて、Enterします
⑥:インストール成功のメッセージが表示されています
(補足)
④のメッセージを無視し、pipコマンドの更新をしなくても 別にかまいません
しかし、今度 別の外部ライブラリをインストールしたときに
再度 ④のメッセージが表示されます
7.(3) 外部ライブラリを使用したプログラム例
せっかくですので
外部ライブラリ「dateutil」と
標準ライブラリ「datetime」を 使用したプログラム を載せておきます
実行してみてください
# ライブラリを使用可能にする imprt文は、プログラムの最初に記述します
import datetime # 「datetime」は標準ライブラリなので、インストールは不要です
from dateutil.relativedelta import relativedelta # 「dateutil」は外部ライブラリなので、別途インストールが必要です
def main():
d1 = datetime.date.today() # 「datetime」で、今日の日付を取得します
d2 = d1 + relativedelta(day=99) # 「dateutil」の relativedelta を使って、今日の日付から今月の月末日を取得します
print(d1) # 今日の日付 を画面に表示します
print(d2) # 今月の月末日 を画面に表示します
if __name__ == "__main__":
main()
8.(あなたの) 今後の展開
以上で、あなたは プログラミングを経験できたことになります
じゃあ 次は何をすればいいの?
・ まずは Pythonの文法を身につけることです
そのためには
何らかの(入門レベルの)参考書をもとに
「練習」フォルダに 数多くプログラミングすることです
(「Pythonでプログラミング」フォルダ直下に)
新しい作業対象フォルダを作成してもかまいません
「練習2」とか「文法学習」とか ...
この場合、
プログラムの格納先のサブフォルダ作成と
仮想環境作成を忘れないように!
・ VSCodeの操作に慣れることも重要です
VSCodeには 便利なショートカットが多数用意されています
(念のために 補足)
VSCodeは Python専用ではありません
Java、C#、C++、JavaScript、SQL などなど多数の言語に対応しています
補足1.作業対象フォルダは どのような単位で作成するのか(組織の場合)
「プロジェクト管理」
組織においては、「プロジェクト管理」を行うのが一般的です
そして「プロジェクト管理」を行う場合、
作業対象フォルダは「プロジェクト単位」に作成します
(補足)
・ 個人に対して 組織という表現を使いました
ひらたく言えば、会社のことです
・ プロジェクト管理とは、
ビジネスシーンにおける管理手法のひとつです
・ 組織の場合、作業対象フォルダを作成する場所(デバイス)は
パソコン(ローカル)ではなく、サーバー(リモート)です
・ 組織の場合、まとめフォルダなんて作成しません
作成するプロジェクトフォルダそれぞれがルートディレクトリです
(組織において)VSCodeでフォルダを開く … ということは
該当するプロジェクトの作業を行う … ということに他なりません
ですからVSCodeでは、(基本的に)ひとつの作業対象フォルダしか開けないのです
関係のない別プロジェクトも同時に開いてどうするんだ って話なのです
組織の場合はそれでいいのですが
個人の場合も同じ制約を受けてしまいます
(VSCodeは、組織か個人か判断できませんから)
つまり、
VSCodeは、「プロジェクト」を前提にしている … と言えます
補足2.作業対象フォルダは どのような単位で作成するのか(個人の場合)
個人では、作業対象フォルダは「機能単位」に作成します
機能とは、「あなたが作りたいと思うしくみ」のことです
例えば
- Webサイトの画像をダウンロードしたいなら、それ用の作業対象フォルダを作成します
- PDFファイルからテキストを抽出したいなら、それ用の作業対象フォルダを作成します
補足3.作業対象フォルダ名/サブフォルダ名(個人の場合)
補足3.(1) 作業対象フォルダ名
個人の場合、
作業対象フォルダは「機能単位」に作成するので
作業対象フォルダ名には、機能名をつけます
例えば
- Webサイトの画像をダウンロードしたいなら、
「function1」「structure1」 ( ← 名前に意味を持たせない 連番方式)
「img_download」「画像ダウンロード」 ( ← 名前に意味を持たせる 表意方式)
などとします
「project1」 ← 個人だけど、「プロジェクト」とみなして
このような名前にしている人も 居ると思います
- PDFファイルからテキストを抽出したいなら、
「function2」「structure2」「project2」
「pdf_extract_text」「PDFファイルからテキスト抽出」などとします
(補足)
Windows のファイルシステムは
フォルダ名/ファイル名の 半角英大文字と半角英小文字を区別しません
「function1」という名のフォルダを作成した後、
同じ場所に「Function1」「FUNCTION1」という名のフォルダは作成できません
(補足)
殆どの人は、
作業対象フォルダ名に
半角英小文字と半角数字(と半角アンダーバー) だけを使っていると思います
しかし私は、
全角文字も使いますし、SPACE も使います
私の場合、
時系列で並べたいのと( ← Windowsエクスプローラーでの見た目(並べ替え)のこと)
機能名の重複を考慮して 頭に年月とspaceを付けています
「2023_12 画像ダウンロード」 … という具合です
(注意)
サブフォルダ名や ファイル名(プログラム名)には
全角文字やspaceを使わないほうが無難です
補足3.(2) サブフォルダ名
- プログラムの格納先
「src」「scripts」がよく使われています
(補足)
サブフォルダを作成しないで作業対象フォルダ直下に
プログラムを格納している人も居ると思います
しかし私は、サブフォルダ作成をお薦めします
- 仮想環境名
「.venv」「venv」がよく使われています-
私の場合、VSCodeのフォルダツリーのトップにくるので「.venv」を使っています
-
仮想環境名は、仮想環境作成コマンドで指定します
python -m venv .venv ←「.venv」を使いたい場合
python -m venv venv ←「venv」 を使いたい場合
参照 ⇒ 5.(1) ターミナルで 仮想環境を作成する
-
補足4.(プログラム/仮想環境)以外で、作業対象フォルダに保存するもの(個人の場合)
結論から先に言うと
何を作業対象フォルダに保存するかは、人それぞれです
勿論、(プログラム/仮想環境)以外に何も保存しない人も居ます
-
プログラムの出力ファイル
例えば
Webサイトの画像をダウンロードする場合の
画像ファイル(jpg等)をどこに保存するかというと、
Windowsの「ダウンロード」フォルダか「ピクチャ」フォルダに保存する人も居れば
作業対象フォルダに保存する人も居るでしょう
サブフォルダ名は「data」がよく使われています
-
プログラムの入力ファイル
例えば
PDFファイルからテキストを抽出する場合の
PDFファイルが既に他のフォルダに保存されている場合、
既存ファイルを入力する人も居れば
作業対象フォルダにコピー保存し、コピーファイルを入力する人も居るでしょう
サブフォルダ名は「data」がよく使われています
-
ドキュメント
作成する機能の規模が大きくなると
いきなりプログラミングすることはありません
調査、設計の作業が必要です
このときの成果物(調査資料とか設計書など)をドキュメントと言い
作業対象フォルダに保存する人は多いと思います
サブフォルダ名は「docs」がよく使われています
上記以外にも色々とあるのですが割愛します
(補足)
作業対象フォルダに保存したファイルは、
VSCodeの画面左側の「エクスプローラー」ビューにツリー表示されます
作業対象フォルダに保存したファイルを
VSCodeで開くことはあまりないと思いますが、
txtファイルとか jpgファイルなどは、「エディタ」に表示できます
PDFファイルとか EXCELファイルなどは、拡張機能をインストールすれば「エディタ」に表示できます
補足5.VSCodeで複数の作業対象フォルダを開くには
補足1.作業対象フォルダは どのような単位で作成するのか(組織の場合)
… のなかで
VSCodeでは、(基本的に)ひとつの作業対象フォルダしか開けないのです
… という説明をしました
補足5.(1) マルチルートワークスペース
しかし、
マルチルートワークスペースという機能を使用すれば
複数の作業対象フォルダを開くことができます
しかし、
マルチルートワークスペースはお薦めしません
補足5.(2) 複数のVSCode
もっと簡単な方法があります
それは
VSCodeを複数起動することです
複数のVSCode それぞれで
異なる作業対象フォルダを開けばいいのです
それぞれのVSCode間でコピペできます
ファイル(プログラム)のコピペもできますし
エディタに表示されたプログラムの範囲指定コピペもできます
それぞれのVSCodeでプログラムを実行できます
それぞれ実行に時間を要するプログラムの場合
並行して実行すれば時間短縮になります
しかし、
この方法もお薦めしません
補足5.(3) テキストエディタ
そもそも、
複数の作業対象フォルダを開きたい理由は、何でしょう
別の作業対象フォルダのプログラムを参照したい … からではないでしょうか
プログラムをちょっと参照したいだけなのに
そのために いちいち作業対象フォルダを切り換えるのは
非常に面倒ですから
そういう理由だとしたら、何もVSCodeで開く必要はありません
Windowsエクスプローラで、該当ファイル(プログラム)を選択し
メモ帳で開けばいいのです
メモ帳とVSCode間で
表示されているプログラムの範囲指定コピペができます
(補足)
理解しやすいように「メモ帳」で説明しましたが
プログラミングにおけるテキストエディタに
「メモ帳」を使用している人は殆どいないと思います
ちなみに私のお薦めは「サクラエディタ」です
補足6.標準ライブラリ/外部ライブラリ とは
Pythonは 文法がシンプルなので 覚えやすい言語です
文法とは
変数の使い方とか 制御文の書き方とか
プログラムを書く時のルールのことです
しかし、文法を覚えたからと言って
大したことはできません
しかし、ライブラリを利用すれば
大したことができるようになります
もちろん、
そのライブラリの使い方を調べたうえで
コーディングしなければなりませんが …
補足6.(1) 標準ライブラリ
Pythonをインストールしたときに 一緒にインストールされるのが 標準ライブラリです
プログラムでimport文を書くと使用可能になります
- csv --- CSV ファイルの読み書き
- email --- 電子メールと MIME 処理のためのパッケージ
- tkinter --- グラフィカルユーザインターフェイス
などなど 約200本あります
(補足)
組み込み関数も標準ライブラリですが、import文なしで使用できます
・print 関数 --- 文字列を画面に表示する
・input 関数 --- キーボードからの入力値を文字列として取得する
などなど 約70本あります
Python公式サイト の下記ページに 標準ライブラリの一覧があります
(注意)
どんなライブラリがあるのかを知るために
ざっと眺める分にはいいのですが、
各ライブラリの解説ページは(初心者には)読みづらいので
あなたの参考になることはないと思います
あなたが知りたいことは
Google検索し その記事を参考にするほうがいいです
検索時は それが標準ライブラリかどうかなんて意識しないでしょうし
それが標準ライブラリだったなんて単なる結果でしかありません
一方 標準ライブラリを意識して検索することもあります
「おすすめ 標準ライブラリ」で Google検索すれば
あなたが使ってみたいと思う標準ライブラリが見つかるかもしれません
補足6.(2) 外部ライブラリ
標準ライブラリに備わっていないものを
第三者(開発者)が みんなのために 作ったものが 外部ライブラリです
標準ライブラリに備わっているけれど
使い勝手がいいように改良したようなものもあります
標準ライブラリと違って、インストールが必要です
プログラムでimport文を書くと使用可能になります
- Matplotlib --- グラフ作成
- Pillow --- 画像処理
- Selenium --- Webブラウザ操作
などなど 約18万本あります
下記サイトで管理されています (登録/公開/検索 ができます)
(注意)
あなたが このサイトを参考にすることは まず(絶対と言って)ないと思います
このサイトは どちらかというと開発者のためのものです
英語がわからないと使いようがありません
あなたが知りたいことは
Google検索し その記事を参考にするほうがいいです
検索時は それが外部ライブラリかどうかなんて意識しないでしょうし
それが外部ライブラリだったなんて単なる結果でしかありません
一方 外部ライブラリを意識して検索することもあります
「おすすめ 外部ライブラリ」で Google検索すれば
あなたが使ってみたいと思う外部ライブラリが見つかるかもしれません
補足7.Pythonのバージョンアップ について
Pythonのバージョンアップ について話しておきます
1: マイクロ バージョンアップ (例:3.11.0 ⇒ 3.11.1)
2: マイナー バージョンアップ (例:3.10 ⇒ 3.11)
3: メジャー バージョンアップ (例:Python2 ⇒ Python3)
1:のマイクロバージョンは「バグ修正リリース」に相当し
新しいバージョンをインストールすると、旧バージョンは置き換えられます
2:のマイナーバージョンは「機能リリース」に相当し
新しいバージョンをインストールすると、旧バージョンは残ったままで
旧バージョンとは別に 新しくインストールされます
3:のメジャーバージョンも
旧バージョンとは別に 新しくインストールされます
つまり、2と3の場合は
別途 新しくインストールされるので
グローバル環境が 複数できることになります
この場合、VSCodeのコマンドパレットの「Python: インタープリターを選択」で
グローバル環境のインタープリターが 複数表示されます
(注意)
尚、Pythonがバージョンアップしたからと言って
インストールする/しないは、あくまで個人の判断です
(下記サイトより、一部 引用しました)
おわりに
余談: Anaconda は、初心者向けではない
Pythonでプログラミングを始めようと思って Google検索すると
Python の他に Anaconda という単語を よく目にすると思います
Python と Anaconda の違いがわからず
どちらを使えばいいのか迷っている … という人もいるのではないでしょうか
ローカル環境(つまり自分のPC)に
Pythonの開発環境を構築する方法は大きく 2つ あります
方法1: Pythonをインストールし、さらに IDE(統合開発環境)をインストールする
方法2: ディストリビューション(パッケージ)をインストールする
- 当記事の内容は、方法1に該当します
IDEは VSCode をお薦めしているわけです
- Anaconda は、方法2のディストリビューション のひとつです
Anaconda は、データ分析/機械学習向け のディストリビューションです
Anaconda には、Python + 複数のIDE + データ分析/機械学習でよく使う外部ライブラリ(約700本)がパッケージされています
Anaconda をインストールすると、これらも一緒にインストールされます
つまり、すぐにでもコーディングを始めることができるのです
個々のインストールが不要ということで
初心者に Anaconda を薦める記事をみかけますが
これは御門違いというものです
Anaconda は、
あくまで データ分析/機械学習を行うためのものであり
Pythonプラグラミングにそこそこ慣れている人がインストールするものです
決して、初心者向けではありません
もうすこし 詳しく知りたい人は、下記サイトを参照してください
参考文献
-
Python Japan(プログラミング言語 Python情報サイト)
Pythonのインストール
https://www.python.jp/python_vscode/windows/setup/install_python.html -
Python Japan(プログラミング言語 Python情報サイト)
Visual Studio Codeのインストール
https://www.python.jp/python_vscode/windows/setup/install_vscode.html -
Python Japan(プログラミング言語 Python情報サイト)
PythonとAnaconda
https://www.python.jp/install/docs/pypi_or_anaconda.html -
GAMMASOFT(仕事自動化のためのPython入門)
Pythonの複数バージョンの扱い方(Windowsの場合)
https://gammasoft.jp/python/python-version-management/ -
Python公式サイト
Python 標準ライブラリ
https://docs.python.org/ja/3/library/index.html -
Python Package Index(PyPI)
https://pypi.org/