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"経験者"として新卒入社した全ての新人プログラマの皆様へ

Last updated at Posted at 2020-04-27

はじめに

新人プログラマの皆さん、入社おめでとうございます!
前職の話ではございますが、私は毎年これくらいの時期に新人研修講師(主にJava, データベース)を担当させていただいておりました。

皆さんはプログラマとして入社した以上、大体の方が新人研修に臨むことになると思いますが、
自分が新人であったときも含め、"経験者"として入社する方の中には悪い方向で目立ってしまう方が毎年必ずいるので、
該当してしまう方もそうでない方も含め、より多くの方が平和な新人時代を過ごせたらと思い、記事を書いてみました。

初めに大切なことを書いておきますが、
本来、自分が持っている知識、経験を他者に共有しようとする姿勢は大変素晴らしいものです。
それを踏まえたうえで、以降の内容をお読みいただけたらと思います。

なお、この記事で表現される"経験者"とは、情報系学部出身等で学生時代からプログラミングの経験があり、
未経験入社で0からプログラミングを学習する方より高いITリテラシーを持って入社した方々を指しております。

悪目立ちしてしまう人とは

簡単です。

「大丈夫?それイキッてない?」

と思わずツッコミを入れたくなる人たちのことです。
ある程度の知識を有している経験者の人は新人研修というコミュニティの中ではとても頼りにされます。
なぜなら、講師を担当している先輩社員より同期の方が圧倒的に質問しやすいからです。

新人に限らず優秀な方が、社内でノウハウを共有してくれるのはとっても良いことなのですが、
にわか仕込みの誤った知識が広まってしまうのは良くありませんよね(新人研修なら尚更です)

悪目立ちしてしまう人は周りより知識、知見があることで自分に陶酔し、あらぬ事を吹聴しがちです。
もちろん自信を持つことは大切なことですが、分からないことを分からないと認められる能力もとても大切なものです。

※ちなみに新人さんに限らず、上司、先輩問わずイキりマンは一定数存在します。

ダニング=クルーガー効果について

ダニング=クルーガー効果、ご存じでしょうか。

1.png
引用: 認知バイアスとしてダニング=クルーガー効果が注目

上図のグラフは縦軸が「自信」で横軸が「知識、経験値」を表しています。
ダニング=クルーガー効果の概要については下記が分かりやすかったので、ご一読いただけたらと思います。

多くの人は、その分野について専門的な勉強を続けていき、知識を身に着け、実践を続ければ続けるほど自分に自信が付いてくるものだと思っています。
実際に、勉強したてで新しい知識や考え方に触れ始めた段階では、「自分は多くを知っている、他の人よりも専門的な知識がある」と、
ぐんぐん自信が付いていく人が多いです。

しかし、ある程度知識量が増えたり、様々な物事の考え方、捉え方に触れつつ、実践の場で活動していると、
「逆にだんだんと自信がなくなっていく」人がいます。これはなぜなのでしょうか?

それは「自分の能力の低さ、不十分さを認識し始めるから」です。勉強をし始めた頃は、自分の知らないことをたくさん知ることができたり、
他人よりも専門的なことを知っているんだという優越感から、「自分の能力の低さ」をなかなか認識できなくなります。

これは、「ダニング=クルーガー効果」と言われており、自分を客観的にみることができない人が、自信の容姿や発言、行動、知識、思考について、実際よりもかなり高い評価を行ってしまうという「優越の錯覚」からくるものです。

引用: ダニング=クルーガー効果(知識と思考を深め続け、実践し、挑戦し続ける選手や指導者)

前職の話ですが新人研修後、配属された部署の自己紹介で

僕よりデキる人がいることを望みます

と、言い放った人がいたらしいです。
当の彼は実際には自分より優秀なメンバーしかおらず、泡となって消滅しました。

理屈で考えてみれば、いくらあなたが経験者として知識を有していたとしても、学生時代に身につけた能力が、
1日8時間を週5日間、時には残業/休日出勤込みで数年ないしは十数年業務に従事してきたプログラマに勝ることなどそうはありません。

※もちろん中には学生のうちから突出して優秀な方はいます。

余談ですが、エンジニア界隈でよく使われる「完全に理解した」という表現はダニング=クルーガー効果のグラフでいうと頂点に位置している時ですね。

図を作ろうと思いましたが、すでに作成されている方がいらしたので転載させていただきます。

参考: ダニング=クルーガー効果とは? 3つの原因を学んで対策を考えよう

じゃあどうすればいいの?

  • 自分が優秀であることを誇示したい!
  • 新人研修でいい評価を獲得したい!
  • 先輩社員、上司に認知されたい!

どれも分かりますし、決して恥ずかしいことではありません。
むしろ、アピールしようとする精神は仕事においてとても重要なことです。

ただ、何でも最初が肝心といえど、そんなに生き急ぐ必要はありません。
あなたが技術者として本当に優秀であれば自ずと評価はついてきます。(と思います)

少なくとも私が知る優秀なエンジニアの皆さんは、
謙虚でひた向きで時には自分の無知さも認められるような人ばかりです。

先述した通りもちろん自信は大切ですし、モチベーションにつながるのであれば、ダニング=クルーガー効果は悪いことだけではありません。

参考: ダニング=クルーガー効果を分かりやすく解説!改善しなくてもよい?

ただ、一時的に褒められたり、頼られることに対して過信、慢心しないように気を付けてください。
あなたは優秀であれど、まだまだ無知です。
天狗にならず、不確かな知識、情報を意気揚々と話そうとせず、分からないことは素直に質問するようにしましょう。

冒頭に述べた通り、自分の知見をアウトプット出来る能力は素晴らしいので、そこは大切にしてくれたらと思います。
(なんか偉そうでごめんなさい)

イキるどころか全く自信が無いのですが。。

中には学生のころからプログラミング経験のある人でも自信なんてありませんという人もいると思います。
大丈夫です。

先述した参考サイトの受け売りではありますが、ダニング=クルーガー効果を提唱したダニング氏は、
自身の著書の中で以下のようにも述べているそうです。

「あなたが無能なら、あなたは自分が無能であることを知ることはできない」
※Dunning, David (2005). Self-insight: Roadblocks and Detours on the Path to Knowing Thyself.

つまり、自分の無能さを自覚できているあなたは無能ではない、ということです。

無知ゆえに過信している人は自分が最強だと思っているので中々伸びません。
実際には自信の有無といった話は個人の性格の問題ではあるかもしれませんが、
少なくとも自分の現在地を把握している時点で伸び代等、諸々勘案すればイキりマンよりあなたの方が優秀だと思います。

適度な焦りは成長によく作用しますので、あまり気落ちせずに今のまま業務、研修に臨んでいただけたら良いかと思います。

さいごに

記事の途中で、

※もちろん中には学生のうちから突出して優秀な方はいます。

と、表記しましたが、「あぁ、俺はこれやろなあ」と思ったあなた。
それ、ダニング=クルーガー効果ですよ。

以上です。
(Qiita初投稿でした)

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