はじめに
以前、実務で使う AWS 技術を個人で学習するなら『これだけで十分!』という AWS 環境の最小構成 を紹介しましたが、環境構築の方法には全く触れていませんでした。
そこで、本記事では 『無料利用枠の範囲でも、実務に必要な AWS 技術を十分に学べる AWS 環境の構築方法』 を紹介します。
構築環境
今回構築する環境は以下の図のとおりです。
また、次の手順で環境を構築していきます。
- VPC の作成
- サブネットの作成
- パブリック IP の自動割り当て
- インターネットゲートウェイの作成
- ルートテーブルの作成
- セキュリティグループの作成
- EC2 インスタンスの作成
- EC2 インスタンスへ SSH 接続
それでは、実際に環境を構築してみましょう。
1. VPC の作成
名前タグには VPC を識別しやすくするため、わかりやすい名前をつけます。
VPC で使用するプライベートネットワーク用の IP アドレスの範囲は次の 3 つが用意されています。
10.0.0.0〜10.255.255.255(/24)
172.16.0.0〜172.31.255.255(/20)
192.168.0.0〜192.168.255.255(/16)
CIDR ブロックの計算には以下のサイトで簡単に計算ができます。
https://note.cman.jp/network/subnetmask.cgi
一般的には IP アドレスの範囲が広い方が、同じネットワーク内にたくさんの IP アドレスを用意できます。
VPC で指定できるサブネットマスクは最大 16 ビットまでとなっていますが、今回は多くの IP アドレスを用意する必要がないため「10.0.0.0/24」としておきます。(256 個の IP アドレスを用意します。)
2. サブネットの作成
3. パブリック IP の自動割り当て
サブネットを作成した時点では、プライベート IP アドレスしか付与されておらず、パブリック IP アドレスは持っていません。
パブリック IP アドレスはサブネット作成後に設定を編集し、自動割り当てを有効にする必要があります。
4. インターネットゲートウェイの作成
5. ルートテーブルの作成
6. セキュリティグループの作成
セキュリティグループはリソース(EC2、ロードバランサーなど)に対して、外部から内部へのインバウンド/内部から外部へのアウトバウンドを制御します。
また、セキュリティグループはステートフルと呼ばれ、インバウンドで許可した対象はアウトバウンドも許可されます。デフォルトでは全て拒否されています。
7. EC2 インスタンスの作成
8. EC2 インスタンスへ SSH 接続
さいごに
今回の環境構築で AWS 技術を学ぶ準備を整えることができました。
実際には権限回り(特に IAM)の設定が重要となりますが、IAM の設定方法については、また次の記事で紹介したいと思います。