はじめに
先日統計検定2級をCBT方式で受けました。勉強したことを備忘録として残しておきます。
同じように統計検定を受けようとしている人の役に立てれば幸いです。
受験決意から合格まで
本当は6月の準1級試験を受けようと思っていました。しかし、新型コロナウイルスの影響で早々に統計検定の公式で中止が発表され、いつ受けられるか不透明な状況に...
そこで、CBT方式(PCで受ける方式)でいつでも受けられる2級をひとまず受けてみることにしました。受けようと決めたのは4月上旬くらい。
そこから6月の初めに受けるまでが勉強期間ですが、そこまでガッツリやっていたわけではないです。
最終的に合格時の点数は77/100でした。
勉強内容
当時の自分のレベル
- 大学院1年生(情報工学系の専攻)
- 確率や統計については大学在学時の授業で扱った程度であまり覚えていない。
受けようと決めたときには統計検定2級の範囲もよく知らなかったので、まず一番新しい過去問を解いてみました。(統計検定の公式HPに最新の過去問だけは公開されています)
このときは正答の数は7割くらいで、かかった時間が75分くらい。このとき、前半の基本的な問題は結構できていましたが、後半の推定・検定の問題は合っていてもたまたまだったということが多く、理解は全然できていませんでした。
①マセマの『統計学』
統計学の基本からやり直そうと思いましたが、研究室には入れないし本屋も閉まっている...
とりあえず手元にあったマセマの統計学をやり始めました。二項分布から正規分布・ポアソン分布の導出などの式変形も一度は手で追うようにして、演習問題も一部解きました。
この本には導出がきちんと書かれているので、数学力が必要になる一方で理解は深まる気がします。でも、統計検定をうけるだけならここまでやらなくてもいい気はします。
推定・検定についても、母平均の検定・母平均の差の検定・母分散の比の検定など基本的なものは出てきますが、統計検定2級だとたまに出てくる、適合度検定や一元配置分散分析などは出てきません。
②『基本統計学』
マセマの次に、たまたま研究室から借りていた『基本統計学』という本をやりました。これも最初から式を手で追いつつ説明を読んで、章末問題を一部解きました。
こちらは初学者にもわかるように、現実の身近な例を統計学の手法に落とし込む、というような説明をされていてわかりやすいです。各章の章末問題も問題数が多いので、演習量もこなせます(※章末問題の解説はないです)。
ただ、数学的な背景は一部カットされている(ex.二項分布から正規分布の導出、などは書かれていない)ので、多少天下り的に説明がされている感はあります。自分は逆に、このあたりはマセマをやっていたおかげで特に疑問もなく読み進められたと思います。
この本には適合度検定や分散分析や回帰パラメータの検定なども載っていたので、統計検定の広い範囲をカバーできていると感じました。
③統計検定の過去問
最後に過去問演習に入りました。といっても『基本統計学』をやってからかなり間があいてしまい、始めたのは試験の直前です。ひとまず1回分解いてみましたが、このときは言葉の定義(標本の抽出法やフィッシャーの3原則など)と回帰分析の結果の解釈(t値やP-値の解釈)の問題がさっぱりでした。
統計学の用語については、「統計学の時間|統計web」を参照しました。統計検定に出てくる単語はここを調べればとりあえずOKではないでしょうか。
回帰分析の結果の解釈は、自分はネットで色んな記事を当たって調べましたが、これはRを使ったことがある人なら実際にやってみるのもいいと思います。
その後、各試験回で難しそうな問題or見たことないテーマの問題だけをピックアップして解いて本番に臨みました。明らかに過去問演習不足だと思うので、本来はもっとやるべきだと思います...
本番の話
CBT方式の場合、申し込み期限は会場によると思います。自分は5日前くらいに予約しました。しかし、都心部だと埋まるのが割と早いので、余裕を持っておいた方が良いです。
他の多くの試験と同じく、会場についたら受付をして荷物を預けて、ブース型のスペースでパソコン見ながら問題を解く、というスタイルです。自分以外に4人いて、みな統計検定2級を受けているようでした。
問題はプールされているものからランダムに出されるらしいので、人によって感想は違うと思いますが、自分は思ったより難しく感じました。終わったのも90分ギリギリで、紙ベースの過去問と少し違うな~と思っていました。
CBTを受けるなら過去問は手広くやって、広範囲をカバーするような勉強がより求められるような気がしました。
さいごに
明らかに演習不足なのに合格できたのはよかったです。
いつ開催されるのかわかりませんが、チャンスがあれば準1級も受けてみたいと思います。