2階線形微分方程式を標準形から解く方法について解説する。
以下の微分公式に注目する。
$\frac{d^{2}}{dx^{2}}\sin\lambda x=-\lambda^{2}\sin\lambda x$
$\frac{d^{2}}{dx^{2}}\cos\lambda x=-\lambda^{2}\cos\lambda x$
$\frac{d^{2}}{dx^{2}}e^{\pm\lambda x}=\lambda^{2}e^{\pm\lambda x}$
これらを標準形
$\displaystyle\frac{d^{2}y}{dx^{2}}+q^{2}y=0$
と比較してみる。
○$q=\lambda^{2}>0$のとき、微分公式に$\sin\lambda x=y$を代入してみると、
$\frac{d^{2}}{dx^{2}}y=-\lambda y$
$\frac{d^{2}y}{dx^{2}}+\lambda^{2}y=0$
と標準形と一致した。これは$\cos\lambda x=y$の時も同様に一致する。
○$q=\lambda^{2}<0$のとき、微分公式に$e^{\pm\lambda x}=y$を代入すると、
$\frac{d^{2}}{dx^{2}}y=\lambda y$
$\frac{d^{2}y}{dx^{2}}-\lambda^{2}y=0$
と標準形に一致した。
つまり、標準形の方程式において、
$q>0$の時、解は
$y=\sin\lambda x$もしくは$y=\cos\lambda x$
$q<0$の時、解は
$y=e^{\pm\lambda x}$
になる。
しかし、この解は一般解とは言えない。解が$\cos\lambda x$の時、それを定数(A)倍したものも
$(A\cos\lambda x)’’=A(\cos\lambda x)’’=-\lambda^{2}A\cos\lambda x$
となり、これも解である事が容易に分かる。
そこで、定数Aをxの関数と考えて、一般解を導く。$y=A(x)\cos\lambda x$をxについて微分すると、
$y’=-\lambda A\sin\lambda x+A’\cos\lambda x$
$y’’=-\lambda^{2}A\cos\lambda x-2\lambda A’\sin\lambda x+A’’\cos\lambda c$
となる。これを標準形
$\displaystyle\frac{d^{2}y}{dx^{2}}+\lambda^{2}y=0$
に代入すると
$A’’\cos\lambda x-2\lambda A’\sin\lambda x=0$
が求まる。左右両辺に$\cos\lambda x$をかけて
$A’’\cos^{2}\lambda x+2A’\cos\lambda x(-\lambda\sin\lambda x)$
$\rightarrow$$(A’)’\cos^{2}\lambda x+A’(\cos^{2}\lambda x)’$
$\rightarrow$$\frac{d}{dx}[A’\cos^{2}\lambda x]=0$
とかける。
積分をすると
$A’\cos^2\lambda x=C$
となり、Aについて解くと
$\displaystyle A=C\int\frac{1}{\cos^{2}}dx+b$
$\displaystyle=\frac{C}{\lambda}\tan\lambda x+b$
と求まる。これを最初の
$y=A(x)\cos\lambda x$
に代入すると、
$y=\frac{C}{\lambda}\sin\lambda x+b\cos\lambda x$
ここで$a=\frac{C}{\lambda}$と置くと
$y=a\sin\lambda x+b\cos\lambda x$
が得られる。すなわち、一般解は2つの三角関数解の一次結合となる。
同様に指数関数解の方も
$y=ae^{\lambda x}+be^{-\lambda x}$
が一般解となる。
<例題>
$y’’-3y’-3y=0$を解け
<解説>
標準形に直すと
$y=e^{x}z(x)$
となり、また
$z’’-4z=0$
となる。なるので解は
$z=ae^{-x}+be^{3x}$
となる。よって$e^{x}$を掛けた
$y=ae^{-x}+be^{3x}$
が一般解である。