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Dockerにネットワーク経由でアクセスする方法

Last updated at Posted at 2018-05-30

本記事について

Docker が動いているマシンに、ネットワーク越しに、別のクライアントから Docker にアクセスできるようにする方法。

はじめに

Dockerはサーバー・クライアントで動いています。
ローカルのPCにDockerをインストールした際は、同じPC上にサーバー・クライアントが構築され、直接通信を行います。
その通信をネットワーク越しに行えるよう設定することにより、他のPCで動いているDockerでも、ローカルのDockerで作業するのと同じ感覚で、操作ができるようになります。

Docker Machineでネットワーク通信をセットアップ

Docker をネットワーク通信できるようにする方法は、公式の https://docs.docker.com/engine/security/https/ に記載されていますが、結構手間です。
そこでここでは、Docker Machineを使って、Dockerをネットワーク通信できるようセットアップします。

Docker Machineとは

  • Dockerサーバーを作成・管理するためのコマンドです。
    https://docs.docker.com/machine/
  • 新たにDockerサーバーを作ったり、既存のサーバーをDockerサーバーにすることができます。
  • サーバーにするPCは何でもよく、仮想PCでも構いません

Docker Machine構築

既にPCがあって、それをDocker Machineにする方法を記載します。

  • (サーバー側作業)サーバーにSSHログインできるようセットアップしておく
  • (サーバー側作業)サーバーでSSHログインユーザーがsudoをパスワード無しで実行できるようにしておく
  • docker-machineコマンドをインストール https://docs.docker.com/machine/install-machine/
  • Genericドライバーで、サーバーをDocker Machineにする

    Dockerは自動でインストールされるので、インストールしておく必要はありません
docker-machine create \
    --driver generic \
    --generic-ip-address=<IPアドレス> \
    --generic-ssh-key <ssh鍵ファイルパス> \
    --generic-ssh-user <sshログインユーザー名> \
    <マシン名>

これで、指定したPCがDocker Machineとなります。
作成されたDocker Machineではdocker daemonがネットワーク通信可能な状態でセットアップされています。

$ ps -aux | grep dockerd
… usr/bin/dockerd -H tcp://0.0.0.0:2376 -H unix:///var/run/docker.sock --storage-driver aufs --tlsverify --tlscacert /etc/docker/ca.pem --tlscert /etc/docker/server.pem --tlskey /etc/docker/server-key.pem --label provider=generic

Docker Machineを作成したローカルPCからは、docker-machine lsでマシン一覧を表示し、eval $(docker-machine env <マシン名>)で、Dockerの接続先マシンを切り替えることができるようになります。

Docker Machineに別のクライアントからアクセスする

docker-machineコマンドは、マシンを作成した時に使用したクライアントで利用し、その他のクライアントからDocker Machineにアクセスするには、クライアントのDockerの設定で、参照先が作成したDocker Machineを向くようにします。
以下、参照先変更手順になります。

Docker Machine設定情報をコピー

Docker Machineを作成すると、docker-machine createを実行したPCの下記ディレクトリに、作成されたDocker Machineの各種情報が保存されます。

  • ~/.docker/machine/machines/<マシン名>

そのうち、Dockerにアクセスするために必要なファイルは

  • ~/.docker/machine/machines/<マシン名>/ca.pem
  • ~/.docker/machine/machines/<マシン名>/cert.pem
  • ~/.docker/machine/machines/<マシン名>/key.pem

の3つで、これを新しいクライアントに、3つが同じディレクトリに置かれるようコピーします。

Docker環境変数の設定

dockerコマンドがどのマシンのDockerを見に行くかは、コマンド引数もしくは、環境変数によって設定できます。
ここでは環境変数による設定を紹介します。

下記のようなシェルスクリプトを作り、source ./change_docker_machine.shで環境変数をセットして切り替えます。
ローカルのDockerに戻すには、source ./change_docker_default.shで環境変数を削除します。

change_docker_machine.sh
#!/bin/bash
export DOCKER_HOST=tcp://<マシンのIPアドレス>:2376
export DOCKER_TLS_VERIFY=1
export DOCKER_CERT_PATH=<コピーした[ca.pem][cert.pem][key.pem]が置いてあるディレクトリ>
change_docker_default.sh
#!/bin/bash
unset DOCKER_HOST
unset DOCKER_TLS_VERIFY
unset DOCKER_CERT_PATH

利用例

Dockerを切り替えることができると、ローカルのDockerで作業するのと同じ感覚で、サーバーのDockerが操作できるようになります。

例えば、ローカルで作ったDockerfileをサーバーにアップする際

  1. Dockerfileと一連のファイルをサーバーにアップ
  2. サーバーにログインして Docker コマンドを実行

といった作業は必要はありません。
単にローカル上で Dockerの 接続先をサーバーに変更して、Docker コマンドを実行するだけでサーバーのデプロイが完了します。

また、docker-compose を使う際も同様で、Docker の接続先をサーバーに変更して、docker-compose upコマンドを実行するだけで、サーバーへのデプロイが完了します。

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