はじめに
カスタマーが商品を登録し、ユーザが商品を買うという構成のプラットフォームでは、ユーザが商品を購入したとき、クレジットカードで支払い、その支払に対して、手数料を引いた金額をカスタマーの銀行口座へ入金するパターンがあると思います。（ありますよね??）
このようなとき、stripe connectを用い、カスタマーを管理することで、実現できます。
今回は、stripe connect による支払い、入金のフローテストを python + Djangoで実装したので、紹介したいと思います。
git: Washington-Ksea/django-stripe-connect
※ ほとんど、ドキュメントを参考にし、プログラムを他の人に確認してもらったわけではないので、参考程度でお願いいたします。
stripe connectの基礎
stripe connect の基礎に関しては、以下の記事を参照してください。
stripeへの登録等の方法も書いてあります。
本記事では、pythonでどのようにして、実装できるかということに着目しています。
python djangoの基礎
以下の本を参考にしてください。
だいたいの基礎は、この本と、Qiita記事等で、カバーできると思います。
導入
stripeをpipでインストール
pip install stripe
※その他、導入に必要な事項は、djangoの基礎的な部分なので、上記の本などを参考にしてください。
テストフロー
基本的なフローを、djangoのview.pyに書きました。
STRIPE_SECRET_KEYは、setting.pyに設定した、秘密鍵です。
※git等にアップロードする際は、.envファイルに書き、django-environ等のパッケジージで読み込みます。
今回のフローでは、
1. Customアカウントの作成
2. アカウント情報の更新
3. 銀行口座の登録
4. 本人証明
5. ユーザからの支払い
1〜4は、カスタマーによる商品登録時に登録すべき処理です。
5はユーザによる支払い処理です。
2に記載されている、CONNECTED_STRIPE_ACCOUNT_ID = "acct_1F6KiGB3268k39y4"は、1のアカウント作成により、作成されるので、まず、1のみを行って取得してください。
from django.shortcuts import render
from django.views.generic import TemplateView
from config.settings import STRIPE_PUBLISHABLE_KEY, STRIPE_SECRET_KEY, BASE_DIR
import stripe
import time
import os
stripe.api_key = STRIPE_SECRET_KEY
...
class ShopView(TemplateView):
template_name='home.html'
def get_context_data(self, **kwargs):
context = super(ShopView, self).get_context_data(**kwargs)
#https://stripe.com/docs/api/errors/handling #エラーハンドリング(今回は実装していません。)
####################################
# 1. Customアカウント作成
####################################
account = create_custom_account()
####################################
# 2. アカウント情報の更新
####################################
CONNECTED_STRIPE_ACCOUNT_ID = "acct_1F6KiGB3268k39y4"
update_custom_account(CONNECTED_STRIPE_ACCOUNT_ID)
####################################
# 3. 銀行口座の登録
####################################
create_bank_account(CONNECTED_STRIPE_ACCOUNT_ID)
update_payouts_schedule(CONNECTED_STRIPE_ACCOUNT_ID)
####################################
# 4. 本人証明
####################################
image_path = os.path.join(BASE_DIR, "static", "identify.png")
upload_identity_verification_file(CONNECTED_STRIPE_ACCOUNT_ID, image_path)
####################################
# 5. 支払い
####################################
charge_user(CONNECTED_STRIPE_ACCOUNT_ID, 5000, 500)
return context
1. Customアカウントの作成
以下のプログラムでアカウントを作成します。
account内には、今後、情報登録等に使用するid(以下、acct_id)情報が入っています。
また、安全性のため、トークンの発行が追加で必要で、以下に参考にしてください。
token-account: https://stripe.com/docs/connect/account-tokens
def create_custom_account():
account = stripe.Account.create(
type="custom",
country="JP",
email="test@test.com", #user email
business_type="individual",
)
return account
2. アカウント情報の更新
プラットフォームから銀行口座に入金するために必要な情報をaccount情報に付加します。
上記に上げたqiitaの記事の内容では、登録できない部分もあったので、登録する情報のフォーマットはドキュメントや実際に出力して確認してみてください。
また、プログラム内で書く変数に格納した情報は、テスト用に準備されたものを格納しています。
（この内容で、実際に入金処理が行われることは確認しました。）
def get_custom_account(acct_id):
account = stripe.Account.retrieve(acct_id)
return account
def update_custom_account(acct_id):
account = get_custom_account(acct_id)
print(account)
#アカウント情報の更新
res = stripe.Account.modify(
acct_id,
individual ={
'first_name':'田中',
'last_name':"太郎",
'first_name_kana':"ﾀﾅｶ",
'last_name_kana':"ﾀﾛｳ",
'first_name_kanji':"田中",
'last_name_kanji':"太郎",
'phone':"+8109001020993",
'gender':"male", #male or female
'address_kanji':{
"country":"JP",
"state":"東京都",
"city":"渋谷区",
"town":"神宮前 1丁目",
"line1":"5-8",
"line2":"神宮前タワービルディング 22F",
"postal_code":"1500001",
},
'address_kana':{
"country": "JP", # 2-letter country code
"postal_code": "1500001", # Zip/Postal Code
"state": "ﾄｳｷﾖｳﾄ", # Prefecture
"city": "ｼﾌﾞﾔ", # City/Ward
"town": "ｼﾞﾝｸﾞｳﾏｴ 1-", # Town/cho-me
"line1": "5-8", # Block/Building number
"line2": "ｼﾞﾝｸﾞｳﾏｴﾀﾜｰﾋﾞﾙﾃﾞｨﾝｸﾞ22F", # Building details (optional)
},
'dob':{
"day":"01",
"month":"01",
"year":"1900"
},
},
tos_acceptance = {
"date":int(time.time()), #=> 1399605420 # 経過秒数を整数で取得
"ip":"8.8.8.8" #グローバルIPアドレスを入力
}
)
3. 銀行口座の登録
def create_bank_account(acct_id):
account = stripe.Account.create_external_account(
acct_id,
external_account = {
"object":"bank_account",
"account_number":"00012345",
"routing_number":"1100000", #銀行コード + 支店
"account_holder_name":"タナカタロウ",
"account_holder_type":"individual",
"currency":"jpy",
"country":"JP"
}
)
4. 本人証明
img_pathは、証明書の画像へのパスです。
def upload_identity_verification_file(acct_id, img_path):
#https://stripe.com/docs/connect/identity-verification-api
with open(img_path, "rb") as fp:
res = stripe.FileUpload.create(
purpose='identity_document',
file=fp,
stripe_account=acct_id
)
verification_id = res["id"]
res = stripe.Account.modify(
acct_id,
individual ={ "verification" :{
"document":{
"front": verification_id
}
}})
5. ユーザからの支払い
amountが、商品の料金です。
application_feeがプラットフォーム（運営）の儲けになります。
def charge_user(acct_id, amount, application_fee):
#https://stripe.com/docs/connect/direct-charges#collecting-fees
charge = stripe.Charge.create(
amount=amount,
currency='jpy',
description='charge',
source="tok_visa", #request.POST['stripeToken']
application_fee_amount=application_fee,
stripe_account=acct_id
)
最後に
pythonでstripe connectを扱う記事でした。
この他にも、javascript側での処理や、Djangoで受け取ったrequestからstripeに反映するなどもあります。
しかし、stirpe実装の最初の第一歩として、皆さんの参考になれば良いと想います。