はじめに
業務で印刷に使う画像を加工する作業をした際に「1200dpiに変換してpngで書き出して!」
と指示頂いたのですが、dpiってなんだ?pxと何が違うんだ?となったので
それぞれの意味と違いを整理していきます。
px(ピクセル)とは
- デジタル画像を構成する最小単位を指します。
- 横 × 縦の形式で表す。
- 例:1920×1080px → 横に1920個、縦に1080個の点が集まっている。
Webに表示される画像の大きさを表す単位がpxになります。
ppi(pixels per inch)
- ディスプレイの密度を表す単位
- 1インチあたりのpx数
どこで使う?:デジタル画像やディスプレイ
何を表す?:1インチあたりのピクセル数
例:
- フルHD(1920×1080px)でも、5インチのスマホに表示すると400ppi以上。
- 同じ解像度を24インチのモニターで表示するとppiは低くなり、粗く見える。
ppiは画面表示のキメ細かさを表す指標です。
dpi(dots per inch)
例:
- あくまで印刷した時の解像度なのでWeb表示には関係ない。
dpiは印刷時の細かさの指標です。
よくある混乱ポイント
-
px と dpi を混同する
- dpiは印刷時の解像度なので、いくらかけてもWeb上での表示には関係ない
- たとえば横1200pxの画像なら、dpiを72にしても300にしても、ブラウザで見えるサイズは同じです。
-
ppiとdpiを同じ意味で使ってしまう
- ppiは「ディスプレイ上の画素密度」、dpiは「プリンターの出力密度」。
- どちらも「1インチあたりいくつの点があるか」を表すけど、使う対象が違うのがポイント。
- 画面の話をするときはppi、印刷の話をするときはdpi。
実際の計算例
印刷の場合(dpi)
印刷サイズ(インチ) = ピクセル数 ÷ dpi
例:4インチ = 1200px ÷ 300dpi
これを cm に変換するには 1インチ = 2.54cm をかける
dpi が大きいほど「同じpx数でも小さく・精細に」印刷される。
ディスプレイの場合(ppi)
ppi = ピクセル数 ÷ 物理サイズ(インチ)
例:フルHDモニター(1920×1080px, 24インチ)
- 横解像度:1920px
- 横の物理サイズ:24インチモニターの横幅 ≒ 20.9インチ(16:9比率から算出)
ppi = ピクセル数 ÷ 物理サイズ(インチ)
92ppi ≒ 1920 ÷ 20.9 ≒ 92ppi
まとめ
- px → 画像データの大きさ(縦横のピクセル数)
- ppi → 画面の密度(ディスプレイ用)
- dpi → 印刷の密度(プリンター用)
Web制作では「px」、印刷では「dpi」を意識すればOK。
ppiはディスプレイの見やすさを判断するために使う。
おわりに
この記事では「dpi・ppi・pxの違い」を整理しました。
前回書いた拡張子の記事とあわせて、画像ファイルを扱う際の理解に役立ててもらえればと思います。
参考