14
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

ゼロから始める勉強会開催:初心者が挑んだ FlutterKaigi mini @Ishikawa の舞台裏

Last updated at Posted at 2024-10-15

1. はじめに

これは、勉強会を開催したことが無い人間が開催できるようになるまでの物語です。

2. 自己紹介

普段、株式会社デジタルバリューに所属し、Android/Flutter アプリ開発を担当しており、「北國クラウドバンキング」や「北國デジタルバンキング」など様々な製品を作っています。(参考:プロダクト紹介
休日はスポーツ観戦をして過ごすのが好きです。
プライベートで FlutterKaigi の Staff をしており、もう3年目になります。

3. なぜ勉強会を開催することになったのか

きっかけは能登半島地震です。
私は普段、石川県に本店を構える北國銀行の方々と一緒にお仕事をさせていただいております。
そうした普段一緒にお仕事をさせていただいている方々が、普通の日常を送るのに苦労されている状況を知り、何か自分にできることはないかと思いました。
そんな折、FlutterKaigi 内で、今年は各地でミニイベントを開催したいという話があがりました。
ちょうど同時期に会社からも、外部と技術的な勉強会を通じた交流をしてみたい!という声があったのでコレだ!と思い、会場スポンサーとして関わることが出来るのではないかと思いました。

4. さぁ、提案だ

まずは、出来そうかどうか含めて相談です。

FlutterKaigi側

FlutterKaigiとしても、ミニイベントの開催は初めての試みでした。そのため、金沢での開催が要件を満たせるのかどうかが気になり、仲の良いエンジニアに個別に相談しました。すると、金沢開催は盛り上がるのではないかとの意見が多く、さらにミニイベント担当チームもすでに発足していたので、そのチームと連携することで、スムーズに準備を進めることができました。

デジタルバリューや銀行側

一方で、デジタルバリューや銀行側では、どこに相談すればよいか分からない状況でした。
まずは上司に相談を持ちかけたところ、非常に好意的な反応をいただき、すぐに代表にも話が進みました。
この段階では具体的な提案ではなく、実現可能性を探る「頭出し」でしたが、社内のフラットな雰囲気に助けられ、過去に似たようなイベントの事例や承認プロセス、会場候補などの有益な情報を集めることができました。

問題発生

しかし、問題はここからです。消防法の関係で銀行本店での開催は難しいことが判明し、会場探しが難航しました。
各所と交渉を重ねるも進展せず、諦めかけたときに、金沢ではないものの、加賀温泉周辺に会場の候補があるという情報が入ってきました。

ただ、その会場を使用した経験者がいなかったため、再び調査が必要になりました。
関係する部署に話を聞きながら、少しずつ情報を集め、ようやくイベントに適した会場であることが分かり、この場所を第1候補として進めることにしました。

稟議

会場が決まった後は、稟議を通すために正式な企画書と提案書を作成しました。
会場や参加人数、費用、費用対効果など、詳細な情報をまとめる必要があり、ここが最も大変な部分でしたが、最終的には無事に承認を得ることができました。

余談

今回の経験を通じて、会場スポンサーになることの難しさを痛感しました。
普段、FlutterKaigiを支えているスポンサー企業の方々に対して、感謝の気持ちが一層深まりました。

5. 準備(当日まで)

会場編

まず、何が必要か考えることから始まりました。
マイク、ディスプレイ、プロジェクターなどの基本的な設備はもちろんですが、イベントとなると他にも色々と準備が必要です。
例えば、受付に必要なペン、ゴミ袋などの細々したものも忘れてはいけません。
今回、イベントを開催してみて必要だと思ったものをリスト化してみました。
もし社内で勉強会を検討している方々がいらっしゃいましたら、お役に立てれば幸いです。

名前 説明
マイク -
ディスプレイ プロジェクターがあるなら不要。
プロジェクター ディスプレイでプレゼンするなら不要。
-
椅子 -
延長コード 机の配置によっては、コンセントと離れてしまうこともあるので必須。
変換アダプタ 会場のプロジェクターに繋がるのはHDMIだけという場合もある。
ボールペン -
付箋 誰かに伝えたいけど、いまその人が居ない時というのが多々ある。そうした時に便利。
受付テーブルクロス これがあるだけで勉強会の雰囲気がグッと上がる
当日スケジュール 紙にして会場に貼っておくと、今日一日がどんなふうに進むのかが分かり、参加者が不安にならずに済む
ノベルティ 参加者へお配りするもの。配るだけで参加者の気持ちが違う。
ゴミ袋 ゴミ袋があると会場を綺麗に使うことが出来る。

集客編

FlutterKaigi側

FlutterKaigiのチームが connpass や X、Medium、Slack などのオンラインプラットフォームを活用して宣伝活動を行いました。
また、GDSC金沢工業大学の方々にも協力をいただき、なんとか23名ほどの参加者を集めることができました。

一時期は、6人くらいしか参加者が居なかったので、肝が冷えました。
やはり開催直前に参加者が急に増えるんですね。

北國FHD側

外部に大々的な宣伝が難しかったため、社内のエンジニアに直接声をかけました。
そこからさらに、エンジニアの知人や友人にも声をかけてもらうことで、少しずつ参加者を集めました。

運営編

全体統括、会場設営、受付、会場片付けといった役割を決めて、それぞれの担当を割り振りました。

役割 人数 担当
全体統括 1人 FlutterKaigi
司会 1人 FlutterKaigi
会場設営 5~7人 北國FHD、FlutterKaigi
受付 2人 北國FHD、FlutterKaigi
会場片付け 5~7人 北國FHD、FlutterKaigi

後は、運営をするうえでのリスク管理です。
具体的には以下のようなリスクを北國FHD・FlutterKaigiで検討しました。
対応詳細の記載は控えますが、もし開催する際にはこうした点で議論するも必要かもしれません。

  • 会場内トラブル
  • タダめし対応
  • 落とし物対応
  • 感染症対策
  • 参加者の健康状態に異変が起きたときの対応 etc...

6. いざ、当日

会場設営スタート

会場に到着してまず驚いたのは、想像以上にきれいだったことです。

PXL_20240914_045114050.jpg

そして会場が凄く広いっ!!
ただ、事務の方がいないので少し戸惑いましたが、それらしき段ボールの中に頼んでいた大量の延長コードが置かれており、これを使って良いということだなと理解しました。

PXL_20240914_041559061.jpg

当日はまだまだ暑く、机を配置し、受付を設置し、延長コードを準備していると、暑すぎて大変でした。
会場についてすぐエアコンをつけたものの、部屋が広すぎて1時間では涼しくならないという事態になりました。
パーテーションもあったので、それを使うことも検討していましたが、イマイチ使い方がわからず、事務の方も不在だったのでそのまま進めました。

ただ予定より1時間ほど早く会場設営を始めていたので、作業後半にはだいぶ涼しくなっており、助かりました。
思わぬ落とし穴もあるので、早め早めの行動は大切ですね。

そんなこんなで準備を進めていると、事務の方が登場。
どうやら普段は事務の業務をしているわけではないらしく、間切りのことはよく分からないご様子で、皆で笑いながら「まぁ、いっか」となりました。

続いてマイクテストを行い、ボリュームなどが問題ないことを確認!
PCとスクリーンを繋ごうとしたところ、Type-Cへの変換器が必要で焦りましたが、奇跡的に北國FHDのインフラチームの方が、お仕事様に持参していた方がいて、事なきを得ました。(あれは本当にファインプレーでした)

何はともあれ、会場は順調に整い、良い感じに仕上がりました。

PXL_20240914_043759063.jpg

受付開始

受付では、connpassのQRコードを表示していただき、出欠を確認しました。キャンセルは1名のみで、北陸の参加者の皆さんの出席率の高さには驚きました。

20240914_134725.jpeg

セッション開始

セッションは全体的に非常にレベルが高く、参加者からも好評でした。
セッションの内容は、一部YouTubeにアップロードされておりますので、ぜひチェックしてください。
個人的には、ゴルフのセッションとBar Chartの発表が特にお気に入りでした。

タイムスケジュール・発表資料

当日のプログラムと発表資料については、以下のリンクからご確認いただけます。

7. イベントの結果(参加者数)

事前に23名の参加予定がありましたが、実際に参加されたのは22名でした。
地方開催ということで、もう少し参加人数が少ないかと思っていましたが、想定よりも多くの方に参加していただくことができました。

8. 振り返り

今回のイベントを通じて、FlutterKaigi側・北國FHD側それぞれで挙がった良かった点と改善点を共有したいと思います。

良かったこと

  • 会場
    • 会場は駅から近く、駐車場もあり、電車でも車でもアクセスしやすかったです。都市部に住んでいると「車で参加」という発想はなかったので新鮮でした。
    • トイレを含め、設備がとてもきれいで、参加者にとって居心地の良い空間でした。
    • 早めに会場設営を始めたおかげで、クーラーが効いた状態で開催できました。広い部屋だったため、冷えるのに1時間ほどかかったので、早めに来て正解でした。
    • 土日にも関わらず、事務の方が対応してくれて、細かいことを確認できたのはありがたかったです。
  • LT(ライトニングトーク)
    • 5分という短い発表時間だったため、プレッシャーが少なく、2名の方が気軽に応募してくださいました。短時間の発表形式は継続したいと感じました。
  • 地方開催
    • 東京などの大規模なイベントには参加しづらいけど、今回のような規模の勉強会には参加したいという方もいらっしゃいました。
    • 加賀開催でしたが、金沢だけでなく、福井、富山、岐阜からも参加者がいたのが良かったです。
    • 前日に加賀温泉に宿泊しましたが、とても良い体験でした。
    • 北陸でモバイルエンジニアとして活動されている方々が参加してくれ、デジタルバリューや北國FHDに興味を持っていただけたのも嬉しかったです。

改善したいこと

  • 会場スポンサーへの情報連携
    • 今回、銀行にとっては初めて外部の方を招いた勉強会だったため、イベント開催のノウハウが少し不足していました。今回は私が架け橋となり、サポートを行ったのですが、FlutterKaigi側からもう少し積極的にノウハウ提供があると、未開催の企業も安心して会場スポンサーに名乗りを上げる事ができて良いと思います。
  • 懇親会の場所
    • 三連休ということもあり、大人数で予約が柔軟に変更できる場所がチェーン店しかありませんでした。もっと地元の美味しい食事を提供できればよかったかなと思います。
    • また、銀行の方々も普段は金沢周辺にお住まいなので、加賀に詳しいわけではありませんでした。そうした場合には、一緒に懇親会の場所を探すなどすることで、もっと良い場所を見つけられたかもしれません。
    • 前日まで人数をチェックし、銀行の方に居酒屋に人数変更の連絡をしてもらいましたが、これは手間がかかり大変でした。次回は、立食パーティーや会場内のカフェスペースを借りるなど、もっと柔軟な選択肢を検討したいです。
  • 宣伝
    • 北陸応援割なども実施されていたので、そういった地域の特典も含めて宣伝できれば良かったと感じました。
  • 問い合わせ対応
    • 参加者がconnpassのコメント欄に質問していたのですが、それにどう対応するかが事前に決まっていませんでした。
  • アナウンスのタイミングとテンポ
    • イベント中、次に何が起こるのか、何をすべきかわからないタイミングがありました。LTの順番や、クロージング後の懇親会への流れなど、もう少しアナウンスのタイミングとテンポを改善したいです。
    • 当日の進行スケジュールを紙にして、受付等に貼っておくと良いかもしれません。
  • 人数予測の精度
    • 今回は北陸割の影響もあり、直前には新幹線のチケットが取りづらい問題が発生しました。開催地の情報収集や告知タイミングを早め、場所が確定した時点で告知を出すことができれば、こうした問題を解決できると感じました。

9. 初心者へのアドバイス

今回、デジタルバリューとして、また銀行として初めての外部とコラボした勉強会開催に挑戦しました。
正直なところ、不安は大きかったです。
自分で企画して運営する経験がなかったので、何から始めればいいのか分かりませんでした。

しかし、「やりたい!」という強い思いを持ち、その気持ちを素直に周囲に伝えたことで、多くの方が助けてくれました。
やり切る気持ちさえあれば、協力してくれる方が必ず現れます。

最初は不安があるかもしれませんが、一歩を踏み出すことで多くの学びや新しい出会いがあります。
周囲の協力を得ながら進めることで、必ず成功に近づきますので、ぜひ挑戦してみてください!
もし何かあれば、連絡いただければ何かお力になれるかもしれません。

10. まとめ

ゼロから勉強会を開催することで、自分自身も大きく成長できました。
協力してくださった皆様、そして参加者の皆様に心より感謝いたします。
これからも一緒に Flutter を盛り上げていきましょう!
ではでは〜!

14
5
0

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
14
5

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?