Raspberry Pi などの ARM64 Linux 環境で Flutter が動くようになった

初めに

Raspberry Pi 4 や Jetson などの ARM 64bit Linux 環境で Flutter アプリを動かす方法、そして Flutter アプリ自体を開発する方法を紹介しています。

Flutter が公式に Linux ARM64 ホストをサポート！

遂に Flutter が ARM64 の Linux ホスト OS をサポート完了し、Flutter SDK (開発環境) 自体が Raspberry Pi 4 などの ARM 64bit Linux OS上で動くようになりました。Windows, macOSよりも先に純粋な ARM 64bit CPU 環境に対応しています。

Raspberry Pi 4 だとちょっとパワー不足（メモリも少なくて辛い）感がありますが、これからは Flutter アプリの開発はもちろん、Flutter アプリ (Linux desktop向け) を安価なデバイス上でも動作させることが可能です。

Flutter SDK のインストール

特別何かをする必要はありません。通常の Windows や macOS, Linux 環境同様に Flutter SDK をインストールして利用するだけです。

ここでは必要最低限の手順のみ説明しますので、必要があれば合わせて[Flutter] デスクトップアプリ環境構築 for Linuxの記事を参照して下さい。

また、ハードウェアは Raspberry Pi 4, OS は Ubuntu 20.04 64bit版を利用する前提のインストール手順です。

$ git clone https://github.com/flutter/flutter
$ sudo mv flutter /opt/
$ export PATH=$PATH:/opt/flutter/bin
$ sudo apt install clang curl pkg-config ninja-build cmake libgtk-3-dev libblkid-dev liblzma-dev unzip

Flutter for Linux アプリを動かす

Flutter SDK をインストール後、以下を任意の場所で実行すれば、Flutter の Linux デスクトップ向けアプリが起動します。

$ flutter doctor
$ flutter config --enable-linux-desktop
$ flutter doctor
$ flutter create sample
$ cd sample
$ flutter run -d linux

注意

ARM64 Linux ホスト上で利用する場合、まだ機能制限があります。

• 64bit CPUのみサポートなので、当然32bit CPU や OS (rasberry pi os 32bitなど) では動作しない
• Android Studio が ARM64 Linux をサポートしておらず、ARM64 Linux 環境では Android 向け Flutter アプリは作れない