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CH244KによるPDトリガー

Last updated at Posted at 2025-04-13

目的

USB type-C充電器から5~20Vの電圧を取り出すものを作ります。
使用するICはCH244Kです。

秋月電子通商で100円でした。

原理

PD

PD(Power Delivery)はUSB IFによって定められた給電規格です。
type-Cではcc1とcc2で要求電圧などをやり取りします。

5/9/12/15/20/28/36/48V、3/5Aで調整可能です。
※CH244Kは5/9/12/15/20V、3/5Aのみのサポートです。

CH244K

データシートを読みます。
DETA線はおそらくBCなどで使うものだと思うので接続しなくても大丈夫だと思います。
駆動電圧は3V~3.6Vなのでレギュレーター等で電源を作らなくてはいけません。
type-Cから送られてくる電源は5V以上なので、降圧だけで済むのはありがたいです。

要求電圧を制御する方法は2つあり、
・CFG1~CFG2に信号を印加し、要求電圧を制御する方法
・CFG1にプルダウン抵抗を設置し、その抵抗値で制御する方法です。
今回は前者を使います。

CFG1 CFG2 CFG3 要求電圧
1 / / 5V
0 0 0 9V
0 0 1 12V
0 1 1 25V
0 1 0 20V

ロータリースイッチで電圧を切り替える仕様にしたいので上記の表に変換して使います。

回路

以上のことを踏まえ回路を設計します。
スクリーンショット 2025-04-08 170152.png
ダイオードでロータリースイッチ→2進数に変換し、74HC04のインバーター直列でバッファしてCH244Kに接続します。
また、どの電圧を出力しているか分かるようにLEDを点灯させます。
3端子レギュレータで20V→3Vに下げるのは絶対によくないですが、icとLED一個しか使わないので見なかったことにします。

実装

本格的に使う予定はないので雑に実装します。

3端子レギュレータの放熱板としてワニグチクリップ(!?)を設置しました。
電源取り出し用にターミナルを設置しました。
上からVDD(3V),GND,VBUS(5~20V)です。

テスト

20Vまで出力できるtype-C充電器を接続して、通電チェックします。

負荷用に、LED10個程度を点灯させます。


5V,9Vともに安定して出力されています。
9Vの際には充電ケーブルのPDマークが点灯しています。

テストする際、D+,D-を接続していませんでしたが、操作が確認できたのでおそらくいらないのでしょう。

同様に12V,15V,20Vも出力できました。
ですが、電圧をあげるにつれCH244Kの発熱が大きくなり、長時間の出力は難しいと思います。

まとめ

CH244KによるPDトリガーを設計、作成しました。
動作は確認できましたが、放熱に問題を抱えており、長期使用には耐えられないものができてしまいました。
次制作する場合は、横着せずヒートシンクを載せようと思います。

また、CH244Kをには使い方が2種類あるようで、PD,BCコントローラーと、E-markerエミュレータが使えるらしいです。
E-markerエミュレータを使えばtype-Cケーブルを作成できるのでいつか作りたいです。

部品表

IC

CH244KUSB PD+BC シンクコントローラー
74HC04 インバーター
NJM78L03SU3 3端子レギュレータ

素子

1kΩ*6
22kΩ*3
1.5μF*2
LED*5
ダイオード*5

その他

ロータリースイッチ
type-Cレセプタクル
ユニバーサル基板

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