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ルーティングとNATの仕組み

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はじめに

1日1項目1時間学ぼうの会

今回のテーマはルーティングとNATの仕組みについてです。

ルーティング

ルーティングは、ネットワーク間でパケットを最適な経路に沿って転送するプロセスです。これにより、異なるネットワークに所属するデバイス同士が通信できます。主に以下の要素で構成されます。

ルータの役割

  • 経路決定: 送信元と宛先のネットワークアドレスに基づいて、ルータがどの経路を使うか決定します
  • ルーティングテーブル: 各ルータはネットワーク内の経路情報を保持しており、その情報をもとにパケットを次の適切なルータへ転送します

スタティックルーティングとダイナミックルーティング

  • スタティックルーティング: 管理者が手動でルーティング経路を設定する方法です。小規模なネットワークで使用されます
  • ダイナミックルーティング: ルータが自動的に経路を学習・更新する方法で、規模が大きいネットワークに適しています
    主なプロトコル:
  • RIP (Routing Information Protocol)
  • OSPF (Open Shortest Path First)
  • BGP (Border Gateway Protocol)

NAT

NATは、プライベートネットワークのIPアドレスをグローバルIPアドレスに変換する技術です。これにより、LAN内部の複数のデバイスがインターネットに接続する際に、1つのグローバルIPを共有できます。

NATの目的

  • IPアドレスの節約: プライベートIPを使い、限られたグローバルIPを効率よく使います
  • セキュリティの向上: プライベートIPが外部から見えないため、外部からの直接攻撃を防ぎやすくなります

NATの種類

1.静的NAT (Static NAT)

  • 1つのプライベートIPを1つのグローバルIPに固定的に割り当てます

2.動的NAT (Dynamic NAT)

  • ライベートIPに対し、グローバルIPをプールから動的に割り当てます

3.PAT (Port Address Translation)(NAPTとも呼ばれる)

  • 1つのグローバルIPに対して、異なるポート番号を使って複数のプライベートIPをマッピングします
  • 一般家庭のルータや企業のネットワークで広く使用されます

ルーティングとNATの連携

  • NATテーブル: NAT機器は、内部アドレスと外部アドレスのマッピング情報を保持します。外部から返ってくるパケットが正しい内部デバイスに戻されるように、NATテーブルが参照されます
  • ルーティング後のNAT変換: パケットは、ルーティングで宛先ネットワークが決定された後、NATで変換されてインターネットへ送信されます

NATテーブルとは

NATテーブル (NAT Table) は、ルータやファイアウォールなどのネットワーク機器が保持する内部データ構造で、プライベートIPアドレスとポート番号を、グローバルIPアドレスとポート番号に対応づけるために使用する。このテーブルにより、NATを通過する通信パケットの変換が正確に行われ。

ルーティングテーブルとNATテーブルの違い

項目 ルーティングテーブル NATテーブル
目的 パケットの転送経路を決定する プライベートIPとグローバルIPの変換を管理する
管理する情報 宛先ネットワークの経路 IPアドレスとポート番号のマッピング
主な役割 どの経路でパケットを転送するか判断する 内部と外部のIPアドレスを変換して通信を成立させる
使用される場所 ルータやL3スイッチ NAT機能を持つルータやファイアウォール
使用するプロトコル OSPF, RIP, BGP など NAT, PAT (NAPT)
通信単位 ネットワーク単位でのルーティング パケット単位でのIP変換とポート管理

参照

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