PHPにおける加算子（$i++）と代数演算子（$i=$i+1）の動作の違いについて

何となくやっていたら、どハマったのでメモ…。

PHPは演算の際に型の自動変換を行うことがあります。

PHP の自動型変換の例の一つは、代数演算子 '+' です。 オペランドのどれかが float の場合、全てのオペランドは float として評価され、結果は float になります。 その他の場合、オペランドは整数として解釈され、結果も整数になります。
（PHP: 型の相互変換 - Manual http://php.net/manual/ja/language.types.type-juggling.php ）

　変数内が数値のみの場合

例えば、以下のような場合、文字列型の「"0"」が演算時に自動的にキャストされ、数値型の「1」になります。
このように、変数の中身が数値のみの場合は、加算子$i++と代数演算子$i=$i+1で動作は同じです。

test.php

$str = "0";    //string(0)
++$str;          //integer(1)

$str = "0";    //string(0)
$str = $str + 1;     //integer(1)

　変数内に文字を含んでいる場合

ところが、**文字列中に数字以外の文字がある場合は、加算子$i++と代数演算子$i=$i+1で動作が異なってきます。**以下に例を示してみます。

test.php

$str = "1a";   //string(1a)
++$str;         //string(1b)　文字列型のまま

$str = "1a";   //string(1a)
$str = $str + 1;//integer(2)　数値型に変換される

すなわち、加算子$i++の場合は、文字列型のまま1つ分進めます(1aから1bに)が、代数演算子$i=$i+1はaの文字を無視して先頭の「1」だけ取り出して「2」にしています。

代数演算子はこのような場合、一番先頭の数値を取り出すようです。例えば、以下の場合は、先頭の「9」を取り出して「10」にしています。

test.php

$str = "9a1a1";   //string(9a1a1)
$str = $str + 1;//integer(10)　数値型に変換される

また、先頭が文字以外の場合は、代数演算子で演算すると、自動的に「1」になります。

test.php

$str = "a100";   //string(a)
$str = $str + 1;//integer(1)　数値型に変換される

参考：
PHP の演算子のちょっとした振る舞いの違いに要注意 | バシャログ。 http://c-brains.jp/blog/wsg/14/03/19-100000.php

PHP: 加算子/減算子 - Manual http://php.net/manual/ja/language.operators.increment.php

PHP: 型の相互変換 - Manual http://php.net/manual/ja/language.types.type-juggling.php