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Flutter アプリコンテストを実施してみて……

Last updated at Posted at 2020-11-04

こんにちは、ピープルソフトウェア株式会社の よわよわ といいます。

社内で Flutter を利用したアプリコンテストを主催しました。
勉強会や WG を主催することはありましたが、コンテストは始めてでしたので色々と大変なこともありました。

今回は、そのあたりをまとめたいと思います。
(技術的要素は少なめです……)

Demo

ことの始まり

もともと Flutter を学習していたのですが、いかんせんモチベーションが上がらない。

どうにかいい方法がないものか?
なぜ上がらないのか??

と考えて気づいたのが、『 一緒にやる人がいない! 』でした。

ただ単に Flutter をやりましょーと声を掛けても、人が集まらないのはいつものこと。
どうにか人を集める方法はないものか……。


それは―― 賞金!!


ということで、まったくの思いつきでコンテストを主催してみることにしました。
自分自身も参加して賞金をかっさらうことにしました

コンテストを開催するにあたって

賞金が出るコンテストをやれば、普通に WG のメンバー募集よりも人が集まるやろ? という安易な考えで始めたものの、さっそく大きなハードルがあることに気づきました。

賞金はだれが用意するのか?

ということです(笑)
もちろん僕にそんなお金はありませんので、とりあえず会社のお偉いさん(以降は がいこつ💀 と表記)に聞いてみました。

よわよわ「Flutter あるじゃないですか?」

がいこつ💀「うん」

よわよわ「その Flutter でアプリコンテストしたいのでお金出してくださいよ?」

がいこつ💀「いいよ」

……ギリギリの戦いでした。

なんとか打ち勝ち賞金を出してもらうことを約束してもらい、無事に企画に至りました。
※実際は役員相手にそれっぽい企画書を提出して承認をいただきました。
(そのあたりの詳細は こちら のブログに書いています)

会社でコンテストをやるメリット

適当なことばかり書いていてもいけないので、少しまともな話を。

これを読んでいる方が、 自分たちの会社でコンテストを行うメリットはなんだろうか? という内容です。

Flutter 技術者が増える

Google が開発した Flutter は人気上昇中のクロスプラットフォームフレームワークであり、今後スタンダードな開発手法となっていく可能性もあります。
そのような技術を多くの社員に学習させようとすると、それなりにコストが掛かります。社外勉強会、教育時間、場所……などですね。
また、学習を受けさせたとして、何人の人が習得(アプリを作りきる力をつけられるか)できるでしょうか? 半数いれば良い方ではないでしょうか。

アプリコンテストは賞金などのコストはかかりますが、 単一的な学習ではなくモチベーションが維持しやすいアプリを提出できるということは技術を習得したと同意 、など大きなメリットがあると考えました。

社内イベントへの参加者が増える

ただの勉強会や WG では冒頭に書いたとおり、なかなか人が増えません。結局いつものメンバーで……となってしまいます。

コンテストであれば、しかも賞金が出るとなれば、いままでにイベントに参加したことがない人も参加してくれるのでは? という思惑がありました。
また、あわよくば継続的にイベントに参加してくれる人もいるのではと考えたわけです。

営業効果がある

もしあなたがこの記事に興味を惹かれているのであれば、それは効果があるということではないでしょうか?

面白そうなことを行っている会社だなぁと思ってもらえたら嬉しいです!
(今回は社内でしたが、オープンな場でも Flutter 議論とかしたいですねぇ!)

余ったモバイル端末の使いみちができる

これは本当にたまたまなのですが(それでも思いつくためのトリガーにはなりましたが)、当時、けっこうな数の社有モバイル端末が出番待ちで遊休状態……。有益な使いみちを探していました。

ここぞとばかりに、コンテストのテスト用端末として利用しました。

コンテストの概要

  • Flutter を利用したアプリのコンテスト
  • 参加は個人でもグループでもよい
  • 提出物は作成したアプリ本体とおすすめポイントをまとめたドキュメント( Markdown 形式)のみ
  • 表彰は「完成度」「アイデア」「UX」「有益性」の 4 カテゴリーごとにおこなう
  • カテゴリー表彰だけではなく総合的に最も優れていた人はグランプリとする
  • 開発の補助としてテスト用の Android 端末を配布
  • コンテストの参加有無に関わらず WG を開いてハンズオンなど Flutter の学習がしやすい環境を提供する

といった感じです。

また、コンテストの期間は、 2020年2月 ~ 2020年7月 としました。長すぎず、短すぎずといったところでしょうか。
ちなみに告知は 2019 年の年末に行っていましたので、開始自体はコンテスト期間前からでも良いことにしていました。

参加のハードルを下げる取り組み

コンテストの概要を見て、疑問に思う方がいるかも知れません。「作ったアプリのプレゼンとかしないの?」と。
いくら賞金のでるアプリコンテストとはいえ、最後に 大勢の前でプレゼンがあることで参加を躊躇してしまう人がいる かもしれません。

今回は始めての取り組みであるとともに、うまくいったら継続的に行っていきたいと思える企画でしたので、そういった 参加のハードルとなりうる要素を極力削って 、できるだけ多くの人に参加してもらうよう心がけました。

端末配布も同じ理由です。「端末持ってないから無理ぃ~」というのをなくしました。

コンテストの審査基準

すでに記載したように、表彰の対象となる「完成度」「アイデア」「UX」「有益性」という 4 つのカテゴリーを設けました。
それぞれの基準は次のとおりです。

審査基準

完成度

アプリの目的に即した機能およびコンテンツが実装されており、正常に動作し目的を達成させることができること。
反復継続利用したときにアプリが異常終了するようなことがなく、安定動作していること。
※エラー発生時にアプリ利用ユーザーに不都合が少ないように設計(ハンドリング)されている場合は減点にならない

アイデア

次のいずれかを備えていること。

  • 新規性(まだない、まだ普及していない)
  • 進歩性(簡単には思いつかない)
  • 独創性(新規性・進歩性がなくても、目的、目の付け所が面白い、斬新)

※斬新さがない場合でも、今までに類似のものがない場合は加点対象とする
※審査基準はマーケットやニーズに対してではなく、審査員 個人としての基準 である

UX

アプリの利用方法がわかりやすく、利用ユーザーが迷わず、アプリの目的を達成できる作りになっていること。
※例えば『直感的なUIである』、『チュートリアルが用意されている』など

有益性

上記 3 要件とは関係なく、審査対象のアプリを利用してみたいか?
新技術適用、快適性、利便性、デザイン、安定性などからそのアプリを利用してみたいと思えること。

審査員

コンテストを行ううえで、審査基準があるだけでは審査はできません。
審査をする人、「審査員」が必要です。

このコンテストでは、新入社員(本年度は 8 名)を審査員として参加してもらい、汚れなき眼で審査してもらいました。
あるていどの年数いると忖度とかありそうじゃん?

もちろん、新人だけだと偏りがあるので、コンテストに参加していない社員数名にも審査員として参加してもらいました。

募集開始

コンテストのエントリーは Google フォームを用意しました。

受付開始の告知を行ってすぐ 1 件目のエントリーが!
(実は僕自身がすぐエントリー No1 を狙っていたのですが他の人に取られてしまいましたw)

なにしろ初めての取り組みです。全然エントリーがないと不安になってしまうところでしたが、すぐにエントリーがあり一安心しました。

最終的なエントリー数

最終的に 19グループ、22人のエントリーがありました。

うちは 100 人強の会社ですので、そこそこのエントリー数になったと思います。
さすが賞金の力は大きい こつこつと告知を行った成果がみのりました。

脱落者を減らす取り組み

無事に参加者を確保しましたが、提出アプリが 0 件でした……ではシャレになりません(笑)

なるべく多くのグループがアプリを作りきれるように、次のようなことを行いました。

  • 毎週作業スペースを開放、 WG を開いて技術補助を行う
  • 社外常駐者も参加しやすいように、コワーキングスペースを用意
  • WG 専用の Slack を立ち上げ、すぐに質問や意見交換ができる場を用意
  • WG などでの制作時間も業務時間として計上しても良い(つまりお給料がでる)

技術補助に関しては、僕自身も学習中の身でしたのでできる範囲にはなってしまいましたが、似たようなスキルの人が集まって切磋琢磨している感じはなかなかに良いものでした。

最終的な提出アプリ数

8 件でした。

二桁に到達してほしいという気持ちがありましたが、こればかりは仕方がありません。

新型コロナウイルスの影響で作業場所の再確保が必要になったなど、突発的なことも要因にあると思います。
そんな中でもこれだけのアプリが提出されたというのは、逆に良かったと考えることにしました。

審査開始

審査は新入社員をはじめとした審査員に、テスト用に配布したものと同じ Android 端末を配布して行いました。

審査員も業務の傍ら審査をしてもらうわけですから、なるべく 負担を減らせるように事前にコンテストアプリをインストールした端末を配布 しました。

コンテストのエントリーと同様に、審査用の Google フォームを用意して審査を実施してもらい、全員が完了したら集計、受賞者の決定、という流れです。

表彰式

せっかくのコンテストです、表彰式はセンセーショナルに………………コロナガガガァァァァ!!


はい。


もともと全社会議が 9 月に予定されていたため、そこで表彰式を行う予定でしたが、このような世の中の状況です。
会議はオンラインへ、表彰式もオンラインへと変更を余儀なくされました。

オンライン形式の表彰式

対面のプレゼン形式であれば勢いや喋りでなんとかなると思っていましたが、オンラインとなるとそうはいきません。

表彰式が盛り上がるように、次のような Web アプリを作りました。

sample.gif

もちろん Flutter WEB で……はありません。
急遽オンラインに変わったので時間がなく、 Vue でサクッと作りました。

実際の表彰式では反応が全くわからないため、ものすごく不安になりましたが、あとで「良かった」と声をいただき嬉しかったです。

ちなみに僕のアプリは

UX賞を頂きましたぁぁぁ!!

ほんとは 主催者がグランプリ というのを狙っていましたが、そう簡単にはやらせてもらえませんでしたね(笑)
いやだって、運営とか表彰式とかあったやん、そのへん考慮してよ )

社内コンテストをやってみて

率直な感想、すごく貴重な体験をすることができました。

この記事には書けていませんが、アプリの権利まわりの部分でハマったりして投げ出しそうになりましたが、普段は関わることの少ない他部署の方や、営業、法務の方などからも手助けをいただき、なんとかやりきることができました。

また、思っていたとおり、 通常の勉強会や WG を開くよりも多くの方に参加してもらえました し、 普段は関わらない別拠点の方とも交流ができました

もちろんコンテストに提出されたアプリはなかなか完成度の高いものもあり、会社としても Flutter の技術者がいると断言しても良いレベルになったのではないかと思います。

賞金を用意するのはハードルがありますが、この記事を読んで興味を持ったという方がいましたらぜひ会社に企画してみてください!
(大変ですけど楽しいですよ~ :yum:

この記事に書ききれなかった内容は……

会社のブログの方にもう少し詳しく書いていますので、よかったら覗いてみてください!

:link: 社内アプリコンテストを実施してみて…… | PEOPLE Engineering Blog

あと、ついでなのでがいこつ💀さんの記事も(笑)

:link: 50歳を超えてFlutterアプリ開発に挑戦

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