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さくらインターネットAdvent Calendar 2023

Day 6

なぜエンジニア組織をうまくマネジメントできないと悩む経営者が多いのか?

Last updated at Posted at 2023-12-17

この記事はさくらインターネット Advent Calendar 2023 06日目の記事です。

はじめに

私は、さくらインターネットというクラウドサーバの会社の社長をしていて、よく経営者の方からのメンタリングのリクエストをいただくことがあります。
その中で多くの割合を占めるのが、ITエンジニア(以降、エンジニア)のマネジメントと、エンジニア組織の構築をどのようにすればいいのかというテーマです。
確かに、どんなビジネスをするにしても、単にSaaSやノーコードツールを活用するだけでは足りなくて、自分たちでシステム開発しないといけないケースが増えてきているのは、間違いないなと思います。
外注をしてシステム構築をするケースももちろん多いですが、基幹システムのような使いにくくても自社の社員が我慢すればいいものと違って、自社のお客様向けのシステムだと使いやすくないとお客様が離脱してしまいますし、常にアップデートをし続けて、最良のUI/UXを作ることが業績に直結します。
要は、今のデジタルシステムは、コストダウンのために用意するのではなくて、自社の売り上げを上げるために用意するためのものであるので、その成否は会社の存続自体にも影響することから、自社で開発をできるエンジニアを抱えたいと思う経営者も増えているわけです。
しかしながら、エンジニアが周りの人とうまくできないとか、言うことを聞いてくれないとか、なぜ他の人より高い給与を払わなければならないのかとか、多くの経営者が悩みさまざまな葛藤がある中で、結局エンジニア組織が崩壊したと言うような話もよく聞きます。

エンジニアとそれ以外の人とは違う人種なのか

まずそのような話を経営者からされた時にする質問が、「社内のエンジニアをまるで外注先に依頼するかのように扱っていないか?」と言うものです。
例えば、申し込みをもう少し増やそうとして、営業会議とかマーケティング会議とかで色々と話をして、「申し込みのボタン大きくしてみたら、申し込みが増えそうだ」と言う結論に至ったとします。
この時に、エンジニアチームは参加していなくて、突然「ウェブサイトのこのボタンを大きくして」みたいな依頼をすることになると思いますが、受けたエンジニアチームはなんでこの作業をしないといけないのかは分かりません。
言われた通りにプログラミングするほど、やらされ感のある仕事はないですし、多くのエンジニアはモチベーションが上がりません。
場合によっては、なぜこのボタンを大きくするのですか?と聞けるエンジニアもいるかもしれませんが、申し込みを増やしたいんだと教えてもらった時に、そもそもこのボタンが表示される前に離脱していると言う事実をエンジニアが知っていたとすると、「いやその前にやることがあるよ」となります。
この時にエンジニアが「申し込み増やしたいんだったら、ボタンを大きくするより、そのページへの動線を変えるべきだ」とか言うと、頼んだ側からするとエンジニアが仕事を素直にやってくれなかった、みたいなことになるのでしょう。
本当は、どうすれば申し込みが増えるのかと言う会議にエンジニアが同席するなり、事前にエンジニアにヒアリングするなりして、他の方と同じフラットな立場で意見を言えるようにしておけばこのようなこと起こりません。
要は、エンジニアも非エンジニアも、専門性が違うだけで、一緒の社内の仲間だし、別の人種ではないし、一緒に仕事すればいいのです。
せっかく、社内にエンジニアを抱えているのに、非エンジニアの人たちだけで決めて、依頼だけするとなると、エンジニア側は面白くないし、もし意見をしたならば「エンジニアは批判的だ」みたいな話にしかなりません。

なぜ高い給与を払わなければならないのか

シンプルに言うと、市場価値が高いからだというしかありません。
他の人よりも高い給与だと、周りの人が納得しないと言うのですが、じゃあ経営者であるあなたがなぜ給与が高いのかを合理的に説明できるんですか?と聞きます。
誰にどのように給与を支払うかは経営者が決めればいい話だし、それに納得できない社員がいれば辞められてしまいますが、いずれにせよエンジニアが欲しければ給与を上げるしかないと言うことを経営者側が納得するしかありません。
ただ、気をつけないといけないのが、エンジニアのスキルを評価できないまま高い給与を払い、かつとんでもないシステムを作られることです。
さくらインターネットは、半分以上がエンジニアですから、面接する人もエンジニアで相手のスキルを評価できますが、新たにエンジニア組織を作るとなると、どのような人がいいのかが分かりません。
このような場合には、副業のCTOに来てもらうと言う手もありますし、私自身も会社を辞めてプラプラしているエンジニアを紹介することもあります。

システムをITリテラシーの低い人に合わせて選択しないように

あと、エンジニアが導入してくれというシステムが高いと渋る経営者の人がいます。
しかし、高いスペックのPCを導入して、さまざまなツールを導入することで、エンジニアの生産性は劇的に上がるわけですから、経営者と本来なら利害が合致しているはずです。
そしてそういった会社は、エンジニア以外の社員の方々のITリテラシーが低すぎて、エンジニアがフラストレーションを溜めてることが多いです。
その時にアドバイスするのは、エンジニア中心に社内のシステムを選定してもらって、ITリテラシーの低い人への教育を手伝ってもらったらどうかと言うことです。
要は、ITリテラシーの低い人に合わせてソリューションの選択をするのではなくて、自社にマッチするソリューションに対してITリテラシーを上げていかないと、エンジニアは離れていくよと言うものです。
究極的には、経営者が勉強してITリテラシーを上げていくことで、最終的には会社の業績はついてくるだろうと思っています。
エンジニアが動いてくれないではなくて、自ら勉強をして、エンジニアをちゃんとマネジメントしようという気持ちにならないといけないと言うことです。

さいごに

この記事のターゲットは、エンジニアの皆さんではなく、経営者なので、Qiitaで書くのもおかしいかもしれません。
でも、さまざまなコメントをいただいたり、❤️がいただければ、経営者の人たちにも届くんじゃないかなぁと思っています。

あと、さくらインターネットではGPUクラウドやガバメントクラウドの開発強化にあたり、人材を全レイヤーで募集していますので、ぜひご覧ください!

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