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使いにくい仕様の照明リモコンを改造して使いやすくしてみたお話

Last updated at Posted at 2017-02-16

以下、電気回路の制作例を載せますが、内容について何ら保証は致しません。
本記事を参考にして起こった火災、事故などには一切責任は負いませんので、
実際に工作をする際は各自の責任でおこなってください。

寝室用にちょっと可愛いペンダントライトを買いました。こんなのです。

6.jpg

買ってきていざ寝室に取り付けたのですが、実際に寝る時間になって問題に気がつきました。

このペンダントライト、スイッチ類が一切ありません

つまり、照明は壁についたスイッチでON/OFFするしかないのです。以前使っていたものは紐が垂れ下がっていたので、布団に潜った状態でも紐を引っ張れば照明を消すことができましたが、このライトは 一度布団から出て壁のスイッチで消しに行かないといけません。 当然、スイッチを消した後は真っ暗な中布団に戻らなければならず かなり使いにくい です。

そんな中 Amazonで見つけたのがこんな商品です。
51-KfR5NstL.jpg

7.jpg

壁のスイッチを押さなくても、赤外線リモコンで照明をON/OFFできるというものです。しかも、この商品自体に豆球がついているので、 ペンダントライトに豆球機能までつけられてしまう優れもの です。

作りもしっかりしているのに値段も2000円以下で、かなりお買い得な商品です。

しかし、困った問題が……

布団に潜った状態で照明を消けるようになりとても快適な夜を迎えたのですが、 次の日の夜に別の問題が発覚 しました。

壁のスイッチをOFFにしてからもう一度ONにすると、ランプが消えた状態から始まるのです

何を言っているのかわからないと思うので、時系列で整理します。

  • 1日目:
    • 部屋の電気がついた状態で布団に入る
    • リモコンで照明を消す(壁スイッチはONの状態)
  • 2日目:
    • 部屋が暗いので壁のスイッチを押す
    • ところが、このとき壁スイッチはONからOFFになるため、照明は消えたまま
    • おかしいなと思ってもう一度壁スイッチを押す
    • スイッチ自体はONになるが、このリモコン装置は電源OFFの状態からスタートするので、照明は消えたまま
    • つまり、何度壁のスイッチをON/OFFしても照明はつかない
    • 壁のスイッチをON状態にしつつ、真っ暗な中、昨日使ったリモコンを探してボタンを押すとようやく照明がつく
    • めちゃめちゃ使いにくい!

原因

大元のスイッチを切ったら消えるのは仕方ありませんが、 大元のスイッチを入れた時に照明がOFFの状態からスタートする仕様に問題があります

まあ、何となく安全側に倒したのかもしれませんが、とにかくうちの環境ではとてつもなく使いにくいです。

ちなみに、リビングで使っている日立のリモコン式のLEDシーリングライトは、壁のスイッチをON/OFFするたびに状態が変化するようになっていて、リモコンが無くても壁スイッチだけで操作できるようになっていたりします。この装置もそこまでなっていたら完璧だったのですが、何とかならないものか……。

解析

もしかしたら改造できるかも……。と思いバラしてみました。

1.jpg

主な部品はリレー、トランジスタ、ロジックIC、と言ったところ。 やった!専用ICが使われてません! 。これはいけるかもしれません。

ロジックICは TIのCD4017というカウンタです。おそらく赤外線リモコンのボタンを押すたびにカウンタを動かし、状態を変化させているのでしょう。

CD4017の動作をデータシートから引用

CD4017-Timing.png

このカウンタは OUTPUT0からOUTPUT9までの10個の出力を持っていて、クロックが入力されるたび(リモコンのスイッチが押されるたび)に、アクティブな端子が0から順番に移動していきます。

今回買ったアダプタはリモコンのボタンを押すたびに、以下のような動きをします。

  • OFF
  • 照明ON
  • OFF
  • 豆球ON
  • → 最初に戻る

パターンを追ってみると、だいたいこういう構造になっていることがわかりました。

circuit.png

ボタン4回で1週するようにするため、OUTPUT4がリセット端子に繋がっているだけです。めっちゃ単純ですね!

改造

壁スイッチをONにした時に照明ONからスタートするようにしたいなら、単純にOUTPUT1の代わりにOUTPUT0を使えばいいだけです。つまりこんな感じです。

curcuit1.png

とはいえ基板のパターンカットは元に戻れないリスクがあるので避けたいところです。よくみるとOUTPUT1とリレーの間に 10KΩ の抵抗が直列に入っています。ちょうどいいので、それを引っこ抜いてOUTPUT0の端子に配線し直しました。

5.jpg

これで、動きがこう変わります。

  • 照明ON
  • OFF
  • OFF
  • 豆球ON
  • → 最初に戻る

ショートなどを起こさないように注意深く元に戻します。

無事に壁のスイッチONで照明が点くようになりました!

めでたしめでたし。

さらなる改良

まあとりあえずはうまくいったのですが、本当はこういう動きの方が使いやすいかなと思っています。

  • 照明ON
  • 豆球ON
  • OFF
  • → 最初に戻る

お分かりだと思いますが、配線をこう変えれば良いだけです。

curcuit2.png

ただ、リセット端子への配線がICの裏にあったので ICの足を切らないといけないかもしれません。ちょっと大掛かりになりそうなので、また後日トライしてみようと思います。

追加

一晩寝て考えたのですが、元の仕様では照明と豆球が連続して点灯しないようになっていました。

どうしてそういう仕様にしていたのか少し不可解だったのですが、もしかするとスイッチングの際の何らかのトラブルを回避する意図があったのかもしれません。

だとすると、OUTPUT0OUTPUT1を入れ替えた最初の改造では、豆球ONの次に照明ONになるので良くないのかもしれません。

うーん、まあ直感的には問題ないような気がしてますが、この辺は経験が少ないので識者のアドバイスを伺いたいですね。

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