10
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?

More than 5 years have passed since last update.

2: 理論編2: New Relic とは - New Relic を使ったアプリケーションのパフォーマンス監視入門

Last updated at Posted at 2017-12-15

New Relic Advent Calendar 2017 15日目。昨日に引き続き、New Relic によるアプリケーションのパフォーマンス監視の理論編。二日目。

1: 理論編 1: アプリケーションパフォーマンス監視とは - New Relic を使ったアプリケーションのパフォーマンス監視入門

理論編: その2 - New Relic とは

本編では、New Relic がどういったサービスを提供しているのか、New Relic とはどういう会社か、実績はどうなのかについて紹介していきます。

New Relic とは

New Relic (ニューレリック) は企業名であり、かつ SaaS のサービス名です。New Relic 社は現CEO の Lew Cirne によって、2007年にサンフランシスコで創業された SaaS 型のパフォーマンス監視プラットフォームを提供する企業です。(New Relic という名前は、Lew Cirne のアナグラムらしい。最初は、アプリケーションパフォーマンス監視(APM)製品だけでしたが、その後、リアルユーザーモニタリング(New Relic Browser)、外形監視(New Relic Synthetics)、モバイルアプリ監視(New Relic Mobile)、ダッシュボードサービス(New Relic Insights) そして、サーバー監視 (New Relic Infrastructure) と次々と製品を発表しています。現在では、フロントエンドからインフラ監視まで、アプリケーションに関する全レイヤーをカバーする製品群を提供しています。

また、New Relic 社は2013年に NYSE に上場しています。

業界の地位や競合

上記でも述べたように New Relic は幅広い製品群を提供しているので、競合の定義が難しいのですが、昔からあるのは、APM という市場での比較のデータがあります。毎年ガートナーが発表している APM 製品のレポートでは去年の時点で世界で3番目くらいに位置にいます。

2016_mq_apm.png

他の2社の AppDynamics (今年シスコが買収)や Dynatrace は完全にエンタープライズ企業向けの製品です。New Relic は、スタートアップからエンタープライズまで幅広く導入できるので、少し比較が難しいかもと思っています。

一方、スタートアップという意味ではおそらく Data Dog が現在、一番の競合ではないかと思う。サーバー監視という意味では Mackerel。今後は、AWS や Elastic なんかも強豪になっていくかも。パフォーマンス監視の分野は、ますます競争が激しくなっていくと思われる。(どこの企業も手を広げていくと領域が被らざるを得ないので)。

導入企業

実績としては、GE や Adobe、Airbnb や(Vogueなどの多数のメディアを抱える)コンデナストなどエンタープライズからスタートアップまで幅広く導入されています。面白いところでは、MLB やマーベルなども使っています。現時点での利用数としては、有料顧客15,000社以上、ユーザーは50万人以上だそうです。(導入事例はここから見れる)

特に、2013年のオバマケアの Healthcare.gov のパフォーマンス分析に使われたことで、一躍有名になったらしい。

このように非常に多くの企業で利用されていることがわかります。

日本での実績

日本企業の公式な事例は、New Relic の事例に載っているクラウド名刺管理の Sansan だけ。ネットで探してみると、Cygames さんとかサイバーエージェントさんのパフォーマンス改善などの資料に載ってたりするので、使っているんだと思う。最近だとメルカリさんの資料にもちらっと載ってた。非公式という意味では(結構前だけど)昔、各種転職サイトに載っている情報から、New Relic を使っている企業を集めた一覧がある (New Relic を利用している企業を調べてみた。かなり多くの企業が日本でも使っているのがわかると思う。1年以上前でこの状態なので、現在はもっと多いと思う。

拠点 - 日本はオーストラリアのシドニーオフィスの管轄

New Relic は現在、世界8箇所にオフィスがあります。残念ながら、現時点で日本には拠点はありません。オーストラリアにシドニーオフィスがあり、APAC (アジア太平洋)を管轄しています。日本もここの管轄となります。現時点で、シドニーオフィスには数名の日本人スタッフを日本語を話せるスタッフがいます。

New Relic の仕組み

この後で各製品の紹介はするが、共通した仕組みを先に紹介しておく。これは、よく聞かれる質問でもある。

  • New Relic を利用するには、New Relic サイト上でアカウントを作成する必要がある。(無料)
  • 各製品無料トライアルがある (14日から30日と製品によって異なる)
  • 各製品無料版と有料版がある (無料版がない製品もある)。課金体系は製品ごとに異なる。
  • 基本、エージェントと呼ばれるライブラリを計測対象の環境にインストールし、それが対象と一緒に起動し、データを収集し、New Relic のサーバーに送信する。(送信間隔は、製品毎に異なる)

New Relic Digital Intelligence プラットフォーム

New Relic では、現在のプラットフォームを「New Relic Digital Intelligence プラットフォーム」と名付けて説明しています。

スクリーンショット 2017-12-15 17.41.50.png

中段のフルスタック可視化がメインで、フロントエンドからサーバーまで全領域を監視できます。また、製品を横断したアラートやダッシュボードツールを使って、全体を俯瞰してパフォーマンス分析が行えるようになっています。(ダッシュボードツールでは、監視製品が収集したデータを横断的に利用できます)

また、SaaS サービスのため、セキュリティにも非常に力を入れています。各種監査を受けていたり、データアクセスに関しても徹底した体制を敷いています。

現在 New Relic では以下の5つの監視製品と2つの補助製品を提供しています。

監視製品

  • New Relic APM: アプリケーションパフォーマンス監視製品
  • New Relic Browser: リアルユーザーモニタリング
  • New Relic Synthetics: 外形監視/死活監視
  • New Relic Mobile: ネイティブアプリ監視
  • New Relic Infrastructure: サーバー監視/設定変更監視/クラウド・ミドルウェア監視

補助製品

  • New Relic Insights: ダッシュボードツール
  • New Relic Alerts: アラート

補助製品というのは、上記の監視製品の有料版を利用していると無料で使える製品です。(Insights に関しては別途課金することで、専用機能などが使えるようにもなる)

各製品のプランと価格に関しては、「New Relic 製品の紹介 (プランや価格帯など)2017年度版」をご覧ください。

スマホからもパフォーマンスを確認できる

ブラウザから以外にも、専用のモバイルアプリ(iOS, Android)を用意しています。外出先など、どこでも簡単にサービスのパフォーマンスを確認できます。

API も提供

New Relic 上に保存されているデータを取り出したいときは、各種 API が提供されています。

今後は AI (応用知能) に力を入れていく

現在、New Relic では、機械学習を利用した AI (Applied Intelligence:応用知能)機能やサービスの開発に力を入れています。膨大なデータを持っているという SaaS ならではの強みを活かし、New Relic しかできない機能、製品づくりを目指しています。既に、いくつかの機能には、この AI が利用されています。また、(来年の2月あたりと睨んでるけど) AI を使ったサービス Radarも公開が控えています (現在ベータ)。 これは、蓄積したデータから、事前にアンチパターンとかヤバそうなとこを検知し、教えてくれるサービスらしい。なんで、障害が起きる前に気づけ、対応ができようになる。(使ってないのでなんとも言えないけど)

まとめ

以上、New Relic に関する紹介でした。次回は、New Relic が提供する各製品について簡単に紹介していきます。

10
4
1

Register as a new user and use Qiita more conveniently

  1. You get articles that match your needs
  2. You can efficiently read back useful information
  3. You can use dark theme
What you can do with signing up
10
4

Delete article

Deleted articles cannot be recovered.

Draft of this article would be also deleted.

Are you sure you want to delete this article?