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History of Laravel

Last updated at Posted at 2020-12-18

Laravel Advent Calendar 2020 - Qiita の 19日目 の記事です。
今回は個人的な興味本位も有り、Laravelの2011年のリリースからの歴史をネットから調べてまとめてみようと思います。
参考、引用した記事やページは最後にまとめてあります。

Laravelが生まれた背景

2011年当時、CodeigniterがPHPで使用される人気のフレームワークだったそうです。
ASP.netを業務で書いていたTaylor Otwellは、副業でPHPを触っており、Codeigniterを使っていました。
フレームワークの内部コードを操作せずに、必要なすべての機能を追加することが出来ないことを不便に思い、
よりシンプルで、より柔軟なものをという欲求からLaravelを自身で作り始めました。
Codeigniterを補完する気持ちがLaravelを生み出したようです。
最初は簡単なルーティングや認証の機能がある小さなフレームワークとして、2011年6月9日にLaravelバージョン1ベータ版がリリースされました。

Laravelの名前の由来

ナルニア国物語に出てくる、"Cair Paravel"というナルニア国の王と女王が住む城の名前と韻を踏む形で生み出された造語がLaravelです。上品で洗練された響きの名前だと感じて付けたそうです。
その名前がつくまででは"Bootplant"という名前だったらしい

Laravelの変遷

Laravel 1

welcomeページ

laravel_1_top.png
この時点ではロゴ画像は無く、フォント「Lobster Two」を使ってLaravelを表示しています。
これはこれで、かっこいいですね。

ソースコード

Laravel 1 source code

概要

最初のリリースから認証(Auth)、Eloquent、モデル、ビュー、HTMLヘルパーなどの機能は持っていましたが、まだこの時点ではMVCフレームワークではなかったためコントローラーは無かったようです。
ここから6ヶ月後にversion2のリリースが行われます。
作者のTaylorOtwellはインタビューで、最初のリリースは完全に一人の作業で作っていたと語っています。

Laravel 2

welcomeページ

laravel_2_top.png

ソースコード

Laravel 2 source code

概要

version2は2011年11月24日に非公開で開発者に公開されました。そのReadMeファイルには以下の内容が書かれていたそうです

“Freeing you from spaghetti code, Laravel helps you create wonderful applications using simple, expressive syntax. Development should be a creative experience that you enjoy, not something that is painful. Enjoy the fresh air.”

"スパゲッティコードから解放されたLaravelは、シンプルで表現力豊かな構文を使って素晴らしいアプリケーションを作成するのに役立ちます。開発は、苦痛を伴うものではなく、あなたが楽しむ創造的な経験であるべきです。新鮮な空気を楽しんでください。"(DeepL翻訳より)

version2はBladeテンプレートエンジンやコントローラーの追加により、完全なMVCフレームワークとなりました。
ここから2ヶ月後にはversion3が発表されています。
最初の方の開発のスピード感は凄いですね。

Laravel 3

welcomeページ

laravel_3_top.png

ソースコード

Laravel 3 source code
ver3.0以降はgithub上のtagで管理されています。

概要

2012年2月22日、Laravel3がリリースされました。
ユニットテストの統合、Artisanコマンドラインインターフェース、データベースの移行、イベント機能、セッションドライバとデータベースドライバの追加などが主な変更でした。
Laravel3の時点で人気が出始めたようです。「多くの開発者が他のフレームワークからLaravelのパワーと表現力を求めてLaravelに乗り換えました」と記載する記事もありました。
Laravel3はかなりの期間安定したリリースにとどまりましたが、リリースされてから約5ヶ月後、TaylorOtwellは、Composerを介して配布されるパッケージのセットとして、フレームワーク全体をゼロから書き直すことを決定したそうです。マジか。
この時、次世代となるLaravel4のコードネームが"Illuminate"です。マジか。

Laravel 4

welcomeページ

laravel_4_top.png

ソースコード

ver4.0以降はcomposerでinstall出来ます。

概要

当時は、リリースペースが速すぎて、「ペースが速すぎる」「不安定」と危惧する人もいたそうです。コミュニティからは、より安定した機能や新機能、Laravelのコンポーネントのユニットテストの改善が求められていました。
そして、Laravel4はversion3のリリースから1年3ヶ月後の2013年5月28日に正式リリースされました。
Laravel4は、フレームワークを構成するためにお互いに統合するコンポーネント(またはパッケージ)のコレクションとしてゼロから書き直されました。これらのコンポーネントの管理は、Composerを介して行われます。
データベースシーディング、メッセージキュー、メーラー、スコープ、ソフトデリートなどを特徴とするより強力なEloquentORMなど、これまでのLaravelの他のバージョン(そして他のPHPフレームワークでさえも)にはない機能の拡張セットを持っていました。
これ以降は、定期的なリリーススケジュールがあるという点で以前のバージョンとは異なり、マイナーバージョンのリリースは6ヶ月ごとに行われ、パッチやバグフィックスは都度リリースされるようになりました。
フレームワークとしては盤石な体制が出来たようです。

Laravel1〜4までの機能変遷

バージョン Laravel 1 Laravel 2 Laravel 3 Laravel 4
認証(Auth)
キャッシュ
Eloquent
MySQL
PostgreSQL
SQLite
SQLServer - -
マイグレーション - -
IoCコンテナ -
Config
Formヘルパー
HTMLヘルパー
URLヘルパー
ルーティング
コントローラー -
モデル
ビュー
モデル間のリレーションシップ -
リダイレクト
レスポンス
String(文字列)ヘルプ関数
バリデーション -
ユニットテスト - -
Bladeテンプレートエンジン - -
DB Seeding - - -
キュー - - -
メール - - -
ファサード(Facade) - - -
コマンドライン(CLI) - -
拡張性 モジュールライブラリ モジュールライブラリ バンドルライブラリ Composerパッケージ

Laravel 5

welcomeページ

laravel_5_top.png

概要

Laravel5の新機能としては、Schedulerと呼ばれるパッケージによる定期的に実行されるタスクのスケジューリングのサポート、ローカルファイルシステムと同様にリモートストレージを使用できるようにするFlysystemと呼ばれる抽象化レイヤー、Elixirによるパッケージ資産の扱いの改善、オプションのSocialiteパッケージによる外部からの認証処理の簡素化などがあります。

5系は3年以上続いたこともあり、バージョンアップごとに大きな変更がありました。
5.4では、Laravel Dusk、Laravel Mix、Blade コンポーネントとスロット、Markdown Email、Automatic Facades、Routeの改善
リリースノート 5.0
リリースノート 5.1
リリースノート 5.2
リリースノート 5.3
リリースノート 5.4
リリースノート 5.5
リリースノート 5.6
リリースノート 5.7
リリースノート 5.8

Laravel 6

welcomeページ

laravel_6_top.png

概要

2019年9月3日にLaravel6がリリースされ、セマンティックバージョニングの導入、認可レスポンスの向上、ジョブミドルウェア、レージーコレクション、Laravel Vaporとの互換性、フロントエンドをlaravel/uiパッケージに移動などがありました。

リリースノート

Laravel 7

welcomeページ

(7のTOP画面は6と同じ)

概要

Laravel7は2020年3月3日にリリースされ、Laravel Sanctum、カスタムEloquentキャスト、Bladeコンポーネントタグ、Fluent文字列操作、ルートモデル結合の改善などの新機能が追加されました。

リリースノート

Laravel 8

welcomeページ

laravel_8_top.png

概要

2020年9月8日にリリースされたバージョン8で、Laravel Jetstream、モデルファクトリクラス、マイグレーション圧縮、ペジネータのデフォルトがTailwind CSSフレームワーク利用などの新機能が追加されました。

リリースノート

バージョンサポート情報のまとめ(2020/12/19時点)

Version LTS Release Bug fix Security fix PHP
v1 - 2011/6 - - -
v2 - 2011/12 - - -
v3 - 2012/2 - - -
v4.0 - 2013/5 - - >=5.3
v4.1 - 2013/12 - - >=5.3
v4.2 - 2014/6 - - >=5.4
v5.0 - 2015/02/04 2015/08/04 2016/02/04 >=5.4
v5.1 LTS 2015/05/09 2017/06/09 2018/06/09 >=5.5.9
v5.2 - 2015/12/21 2016/06/21 2016/12/21 >=5.5.9
v5.3 - 2016/08/23 2017/02/23 2017/08/23 >=5.6.4
v5.4 - 2017/01/24 2017/07/24 2018/01/24 >=5.6.4
v5.5 LTS 2017/08/30 2019/08/30 2020/08/30 >=7.0
v5.6 - 2018/02/07 2018/08/07 2019/02/07 >=7.1.3
v5.7 - 2018/09/04 2019/03/04 2019/08/04 >=7.1.3
v5.8 - 2019/02/26 2019/08/26 2020/02/26 >=7.1.3
v6 LTS 2019/09/03 2021/09/03 2022/09/03 >=7.2
v7 - 2020/03/03 2020/09/03 2021/03/03 >=7.2.5
v8 - 2020/09/08 2021/03/08 2021/09/08 >=7.3

ロゴの変遷

最新のロゴの場所

Laravel3〜5で使われていたロゴ

スクリーンショット 2020-12-19 3.46.15.png

Laravel4で使われていたパターン

laravel-four-icon.png

Laravel6から使われているロゴ

Laracon US 2019の6系の発表と同時にこのロゴも発表されました。
laravel-logo.png

Laravel公式サイトの歴史

Laravelの公式サイトも、バージョンアップに合わせて変わっていきました。

2011/07

これが恐らく最初に公開されたページです。
スクリーンショット 2020-12-19 5.07.31.png

2011/12

これは2系の頃です。version1のwelcomeページと同じフォントのLaravelのタイトルがあります。
スクリーンショット 2020-12-19 5.08.29.png

2012/05

これは3系の頃のデザインですね、ロゴでわかりますね。Flashがどんな内容だったか気になります。。
スクリーンショット 2020-12-19 5.09.06.png

2013/08

ここから4系になります。職人たちの背景でしょうか。
スクリーンショット 2020-12-19 5.10.03.png

2014/02

こちらもまだ4系ですね
スクリーンショット 2020-12-19 5.10.57.png

2016/09

これが5系時代のページになります。2019年の9月までこれだったので、3年近くこのページだったと思います。
スクリーンショット 2020-12-19 5.13.32.png

2020/12 現在

Laravel6リリース以降、このデザインになっています。
スクリーンショット 2020-12-19 5.15.17.png

コミュニティの歴史

Laracon

Laracon US 2013

日程:2013年2月22–23日 
場所:ワシントンD.C.
セッション動画

Taylorのツイートでは約90人の出席者がいたそうです。
公式ページのログは残っていませんでした

Laracon US 2014

日程:2014年5月15–16日 
場所:ニューヨーク
セッション動画

こちらも公式ページのログは残っていませんでした。
まだ無かったのかな?

Laracon US 2015

スクリーンショット 2020-12-19 5.17.08.png

日程:2015年8月11–12日 
場所:ケンタッキー州ルイビル
セッションまとめ

会場は舞台芸術センターで行われたようで、参加者は500人を超えていたそうです。

Laracon US 2016

スクリーンショット 2020-12-19 5.17.58.png

日程:2016年7月27–29日 
場所:ケンタッキー州ルイビル
セッション動画

Laracon US 2017

スクリーンショット 2020-12-19 5.19.14.png
日程:2017年7月25–26日 
場所:ニューヨーク
セッション動画

Laracon US 2018

スクリーンショット 2020-12-19 5.20.18.png

日程:2018年7月25-26日
場所:シカゴ
セッション動画

Laravel JP Conference 2019

スクリーンショット 2020-12-19 7.27.05.png
日程:2019年2月16日
場所:田町グランパーク

日本で初めて開催された大規模Laravelカンファレンスです。

Laracon US 2019

スクリーンショット 2020-12-19 5.21.12.png

日程:2019年7月24-25日
場所:ニューヨーク(PLAYSTATION THEATER タイムズスクエア)
セッション動画

PLAYSTATION THEATERということで、ドット絵ゲーム風のテーマになっています。
会場にはスーファミのストリートファイターⅡが設置してありました。

Laravel JP Conference 2020

スクリーンショット 2020-12-19 7.27.28.png
日程:2020年3月21日
場所:田町グランパーク(中止)

残念ながらコロナの影響で中止になりましたが、公式サイトのネオンがとても綺麗でカッコいいです。

Laracon US 2020

スクリーンショット 2020-12-19 5.22.07.png

日程:2020年8月26日
場所:アトランタ→オンライン

こちらもコロナの影響によりオンラインに変更されましたが、元々はアトランタの水族館で行うという一風変わった形になる予定だったようです。

まとめてみて

一覧で見るとビジュアルの変化やコードのは面白いですね。私は5系から知って使っていたので結構知らないことが沢山ありました。
調べる中でもっと背景や時流みたいな生の情報の部分も、実際に体験した人に聞いて補足していきたい欲が出てきたので、諸々追記していくかもしれません。

参考・引用元記事一覧

【History関連】
A Brief History of Laravel
History of Laravel
Laravel: History and Community
History of Laravel PHP framework, Eloquence emerging
An Interview with Taylor Otwell, Author of Laravel: From Apprentice To Artisan

【Taylor Otwell】
twitter
Github
Linkedin
instagram
medium

【公式サイトの変遷】
2011/07
2011/12
2012/05
2013/08
2014/02
2016/09
公式サイト

【名前の由来】
Where did the name Laravel come from?

【Laravel version1,2のbranch情報】
Where to download old versions of laravel

【ソースコードリンク(各メインバージョン)】
ver 1
ver 2
ver 3
ver 4.0.0
ver 5.0.0
ver 6.0.0
ver 7.0.0
ver 8.0.0

【TOPの変遷】
LaravelのWelcomeページデザインの変遷

【バージョン情報】
Wikipedia
Laravelのリリース日と修正期間のまとめ
Laravel リリース・サポート期限

【podcast】
laravelpodcast

【Laracon Youtube】
Laracon US 2019
Laracon US 2018
Laracon US 2017
Laracon US 2016
Laracon US 2014
Laracon US 2013

【Laracon公式サイトの変遷】
2015年
2016年
2017年
2018年
2019年
2020年
Laracon公式サイト

【Laracon】
The first Laracon was Feb 2013 in Washington DC and had about 90 attendees.
2013年の画像
Laracon2016セッションまとめ
初めての海外TECHカンファレンス。Laracon US 2018に行ってきた!
Laravel好きが高じてアメリカまで行ってきました!LaraconUSまとめ(一日目)

【Laravel jp conference】
2019年
2020年

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