この記事は何?
某社の通信トラブルを受けて「うわあ。私のシステムでもこんな大トラブル引いたらやだなぁ。大丈夫かなぁ。」と想っている人は多いのではないでしょうか?
ここでは、そうしたトラブルを未然に防止するためのリスクブレスト手法である 「ナイトメアヘッドラインゲーム」 を紹介します。
なんでリスクについて考えるの?
事故が起こると必ずと言って「想定外」といった言葉を聞きます。
我々や我々の作るシステムは「想定外」のことにとても弱く、「想定外」のことが起こった結果がトラブルになるのです。
逆に言うと、事前に想定できているのであれば、前もってそれらのリスクを「回避」したり、「軽減」したり、「転嫁」することができます。
もちろん、全てのリスクについて対応する必要はなく、ときには積極的に「受容」することも大事です。
いずれにせよ、事前にリスクを想定しておかなければ、対策もクソもないということです。なので、安全な日々を過ごせているうちに「リスク」について考えておくことは非常に重要なのです。
※参考文献:リスクマネジメント(wikipedia)
じゃあリスクってどうやって考えればいいの?
リスクについて考えてみよう!といって頭を捻ってみても、「想定外」のことなど中々考えられません。そりゃそうです。簡単に出てくるのであれば「想定外」になるわけないのです。
じゃあどうすればいいの?ということで、1つゲームをしてみましょう。
それがナイトメアヘッドラインゲームです。
ナイトメアヘッドラインゲーム
ナイトメアヘッドラインとは「悪夢の見出し」、すなわちこのゲームは起きたらイヤーなことを考えるためのゲームです。
基本的にはブレストで、少しだけルールがあります。
そのルールは「実際に起きたら嫌なニュースのヘッドライン(見出し)」を考える。ということだけです。
例えばあなたが「何とかpay」のシステムを開発しているとしましょう。
その「何とかpay」でトラブルが起きて、某日K新聞が記事を書いたとします。どんな記事のタイトルでしょうか?
「何とかPayでチャージできない不具合!利用者x万人に影響!」
「何とかPayで顧客情報流出!見に覚えのない取引履歴も!」
こんなことが考えられそうですね。
他にも、あなたが大手ECサイト「ジャングルEC」の運用をしていたとしましょう。某週刊誌センテンススプリングが「ジャングルEC」に関してすごく嫌な記事を書きました。どんな記事のタイトルでしょうか?
「買ってはいけない!ジャングルECの商品は粗悪品だらけ!」
「システムトラブルで届きもしない商品に返金も出来ず…もはや詐欺!経営者A氏を直撃!」
こんなことが考えられそうですね。
どうでしょう?なんにもないところから考えるよりはよっぽど考えやすくなったのではないでしょうか?
こうして「想定外」を「想定内」にすることは、未曾有の事故を防ぐ助けになります。
リスクを考えたあとは?
リスクを考えたあとは、原因分析をしましょう。
原因分析のためには「Fault Tree Analysis(FTA)」とか色々な分析手法があります。
何らかの分析手法をつかって、いやーなニュースを引き起こす原因を特定し、それぞれ事前にテストしてみたり、起きた場合の対応マニュアルを作っておいたり…と、「回避策」「軽減策」「転嫁先」などを検討していきましょう。
アクションを撃たないリスク分析は、まじで何の意味もありませんので、やるならリスク対応策の実施まで着実にやっておきましょうね。
皆さんが悪夢のようなニュースに出会わないように、今度の会議前にちょいとゲーム感覚でやってみてはどうでしょうか?