はじめに
こんにちは。主にXにてAI駆動開発について発信している熊井悠です!
さて今回の記事ではAIソリューションであるGEAR.indigoを利用して主に要件定義~基本設計までを爆速化した話をまとめてみたいと思います。
とはいえ「GEAR.indigoとは何か?」ということもお伝えしたほうがいいと思いますので前半は簡単にGEAR.indigoの紹介をしたいと思います!
GEAR.indigoとは?
GEAR.indigoはAI駆動開発における全般的な支援ツールであるのですが、特筆すべきは日本のシステム開発プロセスを前提においており、ベンダーライクな要件定義・設計ドキュメント生成が行える国産ソリューションだと言うことです。
2024年の秋ころにXで見かけてから利用を開始したのですが、一瞬で要件定義や設計のドキュメントを生成することができて感動しました!それ以降愛用しております。感動した際のポストです↓
GEAR.indigoでできること
理解を促進するためにGEAR.indigoで生成できるドキュメントやファイルをまとめてみました!生成したドキュメントは基本的にExcelやCSVでのエクスポートが可能になります。
大きな進め方ですが基本的に最初はプロジェクト情報などのインプットを入れます。それをもとにドキュメントを生成していく流れになります。
下記のような形です。
※直近はプロジェクト概要入力欄よりスタートする形になっています。
それでは、ざっと紹介を交えてどのような成果物が生成されるかを紹介します。
① 要件定義成果物
業務フロー図(Mermaid記法)
業務要件一覧(ExcelやCSVでエクスポート可能)
非機能要件一覧(ExcelやCSVでエクスポート可能)
② 基本設計・詳細設計成果物
テーブル定義(ExcelやCSVでエクスポート可能)
ER図(Mermaid記法)
画面一覧(ExcelやCSVでエクスポート可能)
画面UI(Figma連携可能/画像ダウンロード可能)
API仕様書(JSON形式のダウンロード)
シーケンス図(Mermaid記法)
GEAR.indigoでAI×要件定義を爆速化するには?
概要を見て頂いた上で本題に入ります。すでにドキュメント群が一瞬で生成できることは見てもらったと思います。ではGEAR.indigoを利用してAI×要件定義を爆速化するために実際に行っていることをお伝えします。
1. 生成品質を上げるためにヒアリングフレームワークを作る
GEAR.indigoの生成の1stステップとしてプロジェクト概要欄があります。
僕は普段はシステム受託開発のプロジェクトに取り組むことがメインです。そのためクライアント企業よりヒアリングする際にGEAR.indigoに取り込みやすい形のフレームワークを用意しています。
実際はもう少し詳細なところもありますが大枠は上記の形でヒアリングしています。
また、本フレームワークの実施にあたり非常に重要なことがあります。
それは上流エンジニアがこちらの情報を収集するのではなく、プリセールスエンジニア/営業メンバーがこちらの内容に沿ってヒアリングを行い、要件定義開始前にドキュメント生成を挟むようにしています。
そうすることで提案時の確実性を高めると同時に、プロジェクト開始時に再度ヒアリングせず、最短で要件定義を行えるようにしています。
2. GEAR.indigoを前提に社内標準ドキュメントを整理していく
さてAIで高速要件定義ができるようになるのはいいのですがクライアント企業に提示している成果物のひな型が全く違う形では、AIの恩恵を受けれないことになります。
そのため、社内のドキュメントのひな型をベースにどのように生成するかをGEAR.indigoに限らず全般整備する必要があります。
以前棚卸をした際の内容ですが、ドキュメントのインプット~アウトプットをAIでどのように生成していくかをツールやプロンプトベースで整備することが非常に重要です。
3. GEAR.indigoの生成品質を向上させるテクニックを蓄積する
とは言いつつも、まずは利用回数を増やしていって生成の方式に慣れることが重要です。
どうしてもLLMへのリクエスト・レスポンス、各ドキュメントのインプット情報(ある意味でコンテキストとも呼ぶ)を制御して品質を上げる工夫をする必要は出てきます。
しかしながら一見するとどのように生成すれば品質向上ができるか不明だと思うので幾つか解説したいと思います。なおGEAR.indigoは工程単位で一括生成もできるのですが、生成品質を安定させる目的では個別生成のほうがいいので、個別生成を前提に下記を説明します。
a. インプットとアウトプットの依存関係を理解する
GEAR.indigoは生成する際(一括生成ではなく個別生成)に下記のような画面が出ます。
デフォルトでインプット情報がチェックされているのですが、まずはこのデフォルトのインプット対象がどのように定義(デフォルトのチェックが)されているかを理解しましょう。下記にまとめてみました。
デフォルトでは上記の通りではあるのですが、自身でチェックの対象を追加・除外したり、追加情報(テキストやファイル)を付与することができます。生成品質を上げるには、生成された後をイメージしながら必要な情報を与えることが重要となります。
b. 情報は制限文字数のギリギリまで入れるほうがよい
プランによって異なりますが生成する際に文字数(インプット情報)の制限があります。この制限に達しない薄い情報よりも、制限ギリギリの潤沢な情報のほうが生成精度が高くなるのです。
シンプルにAIに考える余地をなくすためにインプット情報を与えることが重要なのです。
c. 何はともあれ重要なステークホルダーに見てもらい微修正を施す
技術的なテクニックではないのですが、最速で進めるためには、GEAR.indigoで生成した内容を前提に要件定義セッションを開催し、内容をステークホルダー(クライアント企業)に見てもらいつつ、その場で修正する方法をお勧めします。
結論、ディスカッションペーパーとして利用してその場で修正したほうが早く要件定義を回すことができるのです。なお、ドキュメントごとにコメントを記載する機能やバージョン管理などもあるので修正はかなりしやすいはずです。
実際に爆速化した要件定義を行った話
GEAR.indigoを利用した際に非常に効果をあげたエピソードがあります。
それはとあるスタートアップ企業のシステム企画担当として業務委託契約として参画した際のことです。
これからガンガン成長を目指す企業だったのでシステムのアイデアが無限にありました。
しかしながら要件定義や設計を行う時間的な余裕がありませんでした。
そこで僕が行ったことはシステムの概要や方向性のヒアリングを行いGEAR.indigoによりドキュメントを生成して、実際にフィードバックをすぐに頂いて高速回転するという形でした。
その結果、かなり短期間で実装工程まで辿り着くことができ、アイデアの具現化スピードが爆速になったのです。
上流工程の人材はなかなか足りていない現場が多いと思うので、こうした方法は非常におすすめです。
おわりに
GEAR.indigoを前提としてAI×要件定義を爆速化する話をざっと書いてみました。
お役に立てる情報になったのでは?と思っています。とはいえGEAR.indigoはどんどんアップデートもされているので是非最新の情報はご自身の目でご確認ください!
普段はXでAI駆動開発の組織論などについて語っているのでぜひ未フォローの方はフォローしてもらえると嬉しいです!また『クマイ総研』というAI駆動開発のコミュニティ運営もしています。月に2~3日しか募集していないのですが気になる方がいればぜひチェックを!
ではでは、皆さんの貴重なお時間でお付き合い頂きありがとうございました!
クマイでした~