一問一答式で理解する「IoT」
【Q1】IPアドレスって何?
【A1】cman.jpで検索すれば自分の番号がわかりますよ!
【Q2】いや、そういうことじゃなくて...
【A2】冗談ですよ(笑)
IPアドレスとは、スマホやPCなど、ネットワーク上の機器に割り当てられるインターネット上の住所のような存在です。インターネットでページを閲覧したり、メールの送受信を行うには、データの送信元や送信先を識別しなくてはいけないのですが、この識別に使われる番号がIPアドレスです。ネットワーク上でデータを送受信する際、通信相手を指定するために使われています。
【Q3】IPアドレスって何種類かあったりする?
【Q3】ありますよ。2つほどご紹介しようと思います。
1つ目はグローバルIPアドレスです。その名のとおり、全世界で通用するアドレスです。世界中のどこからデータ送受信しても送り間違えがないように、世界にただひとつの、インターネットに接続する際に割り振られるIPアドレスです。
グローバルIPアドレスは特定の国や地域に属さないICANNという組織によって世界的に管理されており、ICANNから日本の管理組織であるJPNICに割り振られ、そこからインターネット・サービス・プロバイダ(以下ISP)を経由して利用ユーザーへと割り振られています。
そのため、利用ユーザーがISPと契約すると、ISPに割り当てられたIPアドレスのなかからPCやルーターが接続した際に通信が重複しないよう割り振られるため、同じグローバルIPアドレスが存在することはありません。そのIPアドレスは、XXX.XXX.XXX.XXXのように0〜255の数字4組で表記されるのですが、数字の組み合わせは有限であるため、後述のような枯渇問題が起きています。
2つ目はプライベートIPアドレスです。自宅や会社など特定のネットワークの範囲内で用いられるIPアドレスのことで、ローカルIPアドレスとも呼ばれます。グローバルIPアドレスとは違い、そのネットワーク内で識別できれば良いので、ほかのネットワークでは同じ番号が使われている可能性があります。
ちなみに、このプライベートIPアドレスとグローバルIPアドレスはそれぞれ番号の割り当て範囲が決まっているので、詳しい人が番号を見ればどちらのIPアドレスか判別することができます。
【Q4】ISPって何?
【Q4】プロバイダは供給、提供などという意味がありますよね?ISPは、インターネット接続というサービスを提供している事業者」のことを指しているのです。
【Q5】2つもIPアドレスだけど、どっち使ってるの?
【Q5】実は私たちは日常的に両方使っているのですよ! たとえば、家族で共用のWi-Fiを使用するケース。この場合、グローバルIPアドレスが割り振られるのはWi-Fiルーターで、そこに接続するスマホやPC、家庭用ゲーム機などにはプライベートIPアドレスが設定されます。これにより各機器はルーターを介してインターネットに接続できるというわけです。
図1 2つのIPアドレスの関係性
【Q5】IPアドレスの割り振りは?
【Q5】IPアドレスの割り振り方は、動的タイプと固定タイプの2種類があります。通常ISPから割り当てられるのは動的タイプで、固定タイプはオプションになっていることが多いです。それぞれ動的(可変)IPアドレス、固定(不変)IPアドレスなどと呼ぶのが一般的です。
インターネットに接続するたびに、ISPから新たなIPアドレスが自動的に割り振られるのが動的(可変)IPアドレスで、私たちが普段スマホやPCなどを利用するときに割り当てられるのがこちらのタイプとなります。一定時間が経過したり、ネットを切断するたびに番号が変更されます。家庭用Wi-Fiはもちろん、公衆Wi-Fiなどでもこちらのタイプが採用されています。
動的タイプの場合、IPアドレスはISPから自動的に割り振られるため、特別な接続設定などは不要です。また、番号が変動するので、ユーザーが特定されるリスクも低いですね(0ではないんですよねぇ...)。
一方、常に同じIPアドレスで接続するケースに対応したものが固定(不変)IPアドレスです。会社内のシステムなど特定の許可した人(機器)しか通信できないよう設定する場合は、接続のたびにIPアドレスが変わってしまっては、どこからのアクセスか特定できませんよね。接続が許可された人であることを特定するために固定IPアドレスが必要になるんです。
固定IPアドレスでインターネットに接続する際はユーザーが手動で接続設定する必要がありますが、リモートワークで自宅から会社にアクセスする場合や遠隔監視を行うネットワークカメラなど、固定IPアドレスを必要とするケースも少なくないです。
図2 動的IPアドレスと固定IPアドレス
【Q5】前のほうで枯渇問題が何とか言ってたけど...
【Q5】ごめんなさい、普通に忘れてました(笑)
従来のIPアドレスは、0〜255の数字4組の番号を割り振る「IPv4」というプロトコル(通信規約)を採用しており、約43億通りのIPアドレスを管理することが可能でした。しかし、スマホやIoTが爆発的に普及しインターネット需要が拡大した現在、使用できるIPアドレスの数が追いつかなくなってきたんです。そこで新たに取り決めたプロトコルが「IPv6」。4桁の英数字8組で表記するIPv6では43億✕43億✕43億✕43億までIPアドレスを管理できるため、事実上無制限化したに等しいです。
まとめ
これぐらいの知識があれば、【IPアドレスについて詳しく知らない】なんてことはありません。あやふやだったものが一つの、自分の中の枠に収まるのはとても気持ちがいいですね。IPアドレスが私達の便利な生活を支えていることがよくわかります。IPアドレスに枯渇問題があったなんて今まで知りませんでした...
気になったことは調べてみることの大切さが実感できました。