Chromebook(ASUS Chromebook Flip C101PA)をGo言語などの開発環境として使用するために Visual Studio Code などをセットアップした際の手順を自分用のメモとしてまとめました。
環境情報
OS/ソフトウェア | バージョン | 入手元 |
---|---|---|
ChromeOS | バージョン: 75.0.3770.129(Official Build) (32 ビット) | |
Visual Studio Code | 1.32.0 | https://code.headmelted.com/ |
mozc(fcitx-mozc) | 2.23.2815.102 | - |
go | 1.11.6 | - |
1. Crostini(Linuxコンテナ)の有効化
Crostini は ChromeOS で Linux アプリケーションを簡単に使えるようにする機能/プロジェクトの総称です。
実体は Linuxコンテナ(lxc) です。まずは、この Crositini を有効化します。
□手順 1-1: ランチャー
から設定
アプリケーションを起動します
□手順 1-2: Linux(ベータ版)
のオンにする
ボタンをクリックします
□手順 1-3: インストール
ボタンをクリックします
□手順 1-4: ターミナル
が起動されれば成功です
□手順 1-5: sources.list
に Debian JP Project のミラーサイトURLを追記します
$ sudo vi /etc/apt/sources.list
deb http://ftp.jp.debian.org/debian stretch main contrib non-free #追記
deb http://ftp.jp.debian.org/debian stretch-updates main contrib non-free #追記
deb https://deb.debian.org/debian stretch main
deb https://deb/debian.org/debian-security stretch/updates main
□手順 1-6: 次のコマンドを実行しLinuxコンテナを最新バージョンにアップグレードしておきます
$ sudo apt clean
$ sudo apt update
$ sudo apt full-upgrade -y
参考: 1'.Linuxコンテナ(lxc)にroot
ユーザーでログインする方法
起動したLinuxコンテナ(lxc)には次の手順でroot
ユーザーでログイン可能です
□手順 1'-1: ctrl + alt + T
でcrosh
を起動します
□手順 1'-2: termina
仮想マシンに接続します
$ vsh termina
□手順 1'-3: penguin
コンテナに接続します
$ lxc exec penguin -- bash
2. Visual Studio Code(VS Code)のインストール
ASUS Chromebook Flip C101PA
は ARMアーキテクチャーベースのプロセッサを搭載しています。
有志のコミュニティが下記サイトにて Visual Studio Code
ビルド済みの debファイル
を公開してくれているため今回これを利用します。
■Community builds of Visual Studio Code for Chromebooks, Raspberry Pi and other ARM and Intel systems
https://code.headmelted.com/
□手順 2-1: ランチャー
からターミナル
を起動します
□手順 2-2: debパッケージファイル
をwget
でダウンロードします
$ wget https://github.com/headmelted/codebuilds/releases/download/20-Feb-19/code-oss_1.32.0-1550644676_arm64.deb
□手順 2-3: ダウンロードしたdebパッケージファイル
をapt
を使ってインストールします
$ sudo apt install ./code-oss_1.32.0-1550644676_arm64.deb -y
□手順 2-4: 不要になったdebパッケージファイル
を削除します
$ rm -i ./code-oss_1.32.0-1550644676_arm64.deb
3. mozc(fcitx-mozc)
のインストール
このままでは日本語が使用できないためmozc(fcitx-mozc)
をインストールします。
mozc(fcitx-mozc)
についてDebian GNU/Linux 9 (「stretch」リリース)
のバイナリが公開されていない状況であるため代わりにDebian GNU/Linux 10(「buster」リリース)
のバイナリを使用します。
□手順 3-1: デフォルトリリースを stretch
リリースであることを明示的に設定します
$ sudo tee -a /etc/apt/apt.conf.d/99target <<EOF
APT::Default-Release "stretch";
EOF
□手順 3-2: その上で buster
リリースのソースリストも sources.list
に追記しパッケージ情報の更新を行います
$ sudo tee -a /etc/apt/sources.list <<EOF
deb http://ftp.jp.debian.org/debian buster main contrib non-free
deb http://ftp.jp.debian.org/debian buster-updates main contrib
EOF
$ sudo apt clean
$ sudo apt update
□手順 3-3: fcitx-mozc
をインストールします
$ sudo apt install fcitx-mozc/buster -y
□手順 3-4: 日本語フォント fonts-noto
をインストールします
$ sudo apt install fonts-noto -y
□手順 3-5: fcitx
を起動します
$ fcitx-autostart
□手順 3-6: fcitx
の設定画面を起動します
$ fcitx-configtool
□手順 3-7: Input Method
にて+
ボタンをクリックします
□手順 3-8: Only Show Current Language
チェックボックスのチェックを外した後、検索ボックスにMozc
と入力、Mozc
を選択後、OK
ボタンをクリックします
□手順 3-9: Appearance
にてFont
とMenu Font
の値をNoto Sans CJK JP Regular
に変更し右上の☒
ボタンでウィンドウを閉じます
□手順 3-10: .bashrc
を編集しfcitx
が自動起動するように設定します
$ echo "fcitx-autostart > /dev/null 2>&1" >> .bashrc
4. Visual Studio Code 日本語化
□手順 4-1: ランチャー
からvscode
と検索するとCode - OSS (headmelted)
が表示されるのでこれを起動します
□手順 4-2: 画面左のExtention
アイコンをクリックします
□手順 4-3: Japanese
で検索して出て来るJapanese Language Pack for Visual Studio Code
エクステンションをインストールします
□手順 4-4: 画面右下に再起動を確認する通知が表示されたらYes
ボタンをクリックしてVisual Studio Code(vscode)
を再起動します
□手順 4-5: Visual Studio Code(vscode)
再起動後、日本語化されたことを確認します
5. go のインストール
□手順 5-1: ランチャー
からターミナル
を起動します
□手順 5-2: golang-1.11
パッケージをインストールします
$ sudo apt install golang-1.11 -y
□手順 5-3: Go言語に関する各種環境変数の設定を~/.bash_profile
に追記します
$ vi ~/.bash_profile
# golang
export GOROOT=/usr/lib/go-1.11
export GOPATH=$HOME/gocode
export PATH=$GOROOT/bin:$GOPATH/bin:$PATH
□手順 5-4: ~/.bash_profile
の内容を読み込みます
$ source ~/.bash_profile
□手順 5-5: $GOPATH/src
ディレクトリを作成します
$ mkdir -p $GOPATH/src
□手順 5-6: go version
コマンドで正常にGo
がインストールされてパスが通っていることを確認します
$ go version
go version go1.11.6 linux/arm64
□手順 5-7: ランチャー
からVisual Studio Code(vscode)
を起動します
□手順 5-8: 画面左のExtention
アイコンをクリックします
□手順 5-9: Go
エクステンションをインストールします
□手順 5-10: ファイル
メニューからNew File
を選択し新規ファイルを作成します
□手順 5-11: ファイル
メニューからSave As...
を選択し任意のフォルダ(例:$GOPATH/src/
)にtest.go
という名前でファイルを保存します
□手順 5-12: 画面右下にGo analysis tool
をインストールする旨の通知が表示されるのでInstall All
ボタンをクリックします
dlv
のみインストールに失敗してしまいますが以上で終了です
Installing github.com/uudashr/gopkgs/cmd/gopkgs SUCCEEDED
Installing github.com/ramya-rao-a/go-outline SUCCEEDED
Installing github.com/acroca/go-symbols SUCCEEDED
Installing golang.org/x/tools/cmd/guru SUCCEEDED
Installing golang.org/x/tools/cmd/gorename SUCCEEDED
Installing github.com/go-delve/delve/cmd/dlv FAILED
Installing github.com/stamblerre/gocode SUCCEEDED
Installing github.com/rogpeppe/godef SUCCEEDED
Installing github.com/sqs/goreturns SUCCEEDED
Installing golang.org/x/lint/golint SUCCEEDED
1 tools failed to install.
dlv:
Error: Command failed: /usr/lib/go-1.11/bin/go get -u -v github.com/go-delve/delve/cmd/dlv
github.com/go-delve/delve (download)
github.com/go-delve/delve/pkg/proc
# github.com/go-delve/delve/pkg/proc
gocode/src/github.com/go-delve/delve/pkg/proc/disasm.go:12:14: undefined: archInst
github.com/go-delve/delve (download)
github.com/go-delve/delve/pkg/proc
# github.com/go-delve/delve/pkg/proc
gocode/src/github.com/go-delve/delve/pkg/proc/disasm.go:12:14: undefined: archInst
以上、Chromebook(ASUS Chromebook Flip C101PA)をGo言語などの開発環境として使用するために Visual Studio Code などをセットアップした際の手順でした。