目次
- 何故名前とIDについて考えるか
- IDと名前とは
- 名前の付け方
1. 何故名前とIDについて考えるか
名前とIDはプログラムを書く日ならほぼ必ず触れる要素である。
この似たような両者を比較することで名前の役割を再認識すると、名前の付け方の判断基準を持つことができる。
2. IDと名前とは
どちらも同様に何かを指し示すために使うもの。
両者の最大の違いは「人間に意味を感じ取らせるか否か」。
「一意性」があるか否かは必ずしも両者を区別しない。
IDとは
Identifierの略。何かを一意に特定するもの。
例 「中学校の生徒のうち、3年4組出席番号15番、など」
名前
名前も何かを指し示すためにあるもの。しかし一意に特定できるとは限らない。
例「学校のクラスで佐藤さんが1人なら、学校のなかでの文脈で佐藤という名前は一意に特定できるが、学校の外では一意に特定できない」
IDと名前の目的の違い
どちらも何かを指定するために使われるが、名前は一意に特定できるとは限らない。
それでも名前が使われる理由は、「人間」にとって認識しやすく、意味を感じ取りやすいから。
人間にとって「3年4組出席番号15番の生徒」では即座に誰かを認知しずらい「佐藤」はすぐ連想できる。
一意に特定する名前もある
例えばドメイン名。ドメイン一つに対して1つのアクセス先が対応する。
IDだから一意、名前は一意じゃない、とは限らない。あくまで、意味を感じ取らせるかどうかがIDと名前の違い。IPはIDで、ドメインは名前。
整理すると
- 一意に特定する => ID
- 一意に特定し、かつ意味を感じ取らせるもの => ユニーク名前
- 一意に特定するとは限らず、意味を感じ取らせるもの => 普通名前
3. 名前の付け方
プログラムで名前を扱う量は非常に多い。そのため、名前の付け方に一定の判断基準を持津ことで、名前付けの判断スピードを高めることには意味がある。
ここで、名前とは何かについての理解に基付いて判断基準を一つ提示してみる。
名前の付け方を考える基準
プログラムにおいて、変数など名前の付け方は「2」のユニーク名前を意識する。
一意に特定するのはプログラムのために必要であり、意味が分かりやすいのは人間のために必要。
名前づけの方針
- 意味がわかるシンプルな名前を付ける。
- 他に類似の対象があり名前を区別する必要性がある場合は、その相違点を接頭語や接尾語、あるいはその他の方法で区別する.
例
通常は必要十分なシンプルな名を付ける。
例えばユーザーであれば
var user = new User()
しかし、管理者ユーザーと通常ユーザーが存在する場合
var admin_user = new User({role: "admin"})
var user = new User()
ユーザーが雇用者と被雇用者などで処理が別れる場合
var employer = new User({role: "employer"})
var employee = new User({role: "employee"})