この記事は
過学習を防止するためにサイエンティストが意識することは多いが、
中でも基本的なものを紹介する。
普段の分析やKaggleなどのコンペでモデルの汎化性能を向上させるときに基本に立ち返っていこう
1. ノイズが含まれるデータに対処する
レジの大量の返金処理などによる異常データや、
ある商品を転売目的などで大量購入する顧客のデータはモデルの学習に悪影響を与える。
これらの外れ値を検出し、適切に処理することが重要。
異常検知アルゴリズムを使用したり、データの分布を確認して外れ値を除外したりすることで対処できる。
2. 曖昧な特徴量を適切に扱う
user_idやJANコードなどの曖昧な特徴量をモデルが過信すると汎化性能が低下する。
これらの特徴量を直接使用するのではなく、エンコーディングや集約などの前処理を行いより意味のある特徴に変換すべきだ。
例えば、user_idからユーザーの行動パターンを抽出したり、JANコードからカテゴリ情報を作成したりする方法がある。
3. 出現頻度の低い特徴量を適切に処理する
非常に購入頻度が低いJANや、特定の期間だけ売れる季節性要因などの出現頻度の低い特徴量は過学習の原因となる。
対策としては:
- グループ化:低頻度の項目を「その他」カテゴリにまとめる
- 正則化:L1/L2正則化を適用して特徴の影響を抑制する
- 特徴選択:情報利得などの指標に基づいて重要な特徴のみを使用する
- クロスバリデーション:複数のデータ分割で検証し、安定性を確保する
4. 見せかけの相関を識別する
プール事故とアイスクリーム販売の例のように、実際には直接的な因果関係がなく、外部要因(気温など)によって見せかけの相関が発生することがある。
このような特徴量を無批判にモデルに入れると誤った学習につながる。
対策としては:
- 因果関係の分析:特徴間の関係を理解し、真の原因となる特徴を特定する
- 特徴の独立性検証:多重共線性を確認し、強い相関のある特徴間で選択する
これらの対策を適切に実施することで、より汎化性能の高いモデルを構築していきましょう!