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enebularAdvent Calendar 2019

Day 13

enebular と WHILL Model CR で シェアリングサービスをプロトタイプしてみた。

Last updated at Posted at 2019-12-16

WHILLのソフトウェアエンジニアの河原です。

この記事は
enebular Advent Calendar 2019の13日目と、
WHILL Advent Calendar 2019の13日目
の記事です。
が、投稿がだいぶ遅れてしまいました。申し訳ありません。

enebularWHILL Model CR で シェアリングサービスをプロトタイプしてみた。という内容です。

動機

去年、中国の深センに遊びに行った時に、街中にシェアリングサイクルが何台もあり、アプリでQRコードを読み取ってアンロックして使えるというのがありました。

滞在中、自由に移動できるという点でとても便利なサービスだなと思い、重宝していました。
日本でもdocomoのシェアサイクルが東京では利用可能で、たまに個人的に使っています。

WHILLでも、こういったシェアリングサービスがあれば便利だなと思っていたので、今回あまり時間をかけず、プロトタイプしてみました。

※注意: 今回作っているのはWHILLでのビジネスや開発に関係なく、趣味的にハッカソン感覚で作ってみたという感じです。

作ったもの

利用イメージ的には、スマホでログインして、レンタルを開始というボタンを押したら、一定時間利用可能になるというイメージです。

ちなみに、QRコードをスキャンせずに電源を入れようとすると電源が切れ、QRコードをスキャンするように指示されます。

image.png

仕組み的には、enebular がスマホからのリクエストでFirebaseのRealtime DBを操作します。
Macで動いているPythonのスクリプトが定期的にFirebaseにアクセスして、クラウド上でロックされているかをwatchしています。
Realtime DBの値によって、電源をOFFにするべきか、ONにするべきかというのを判断しています。

MacBookはWHILLの下のかごの中に入れています。

MacBookとWHILLはこういう感じでつながっています。

ケーブルに関してはこちらの記事を御覧ください。
WHILL Model CRのRS232Cケーブルは怖くないよ!

使ったもの

WHILL Model CR

WHILLでは現在、Model Cという市販のモデルを販売していますが、この Model CR はそのModel CにSDKが提供されているモデルになります。
image.png

制御のための通信のプロトコルは公開されているので、自作でSDKなどを用意していただいても良いのですが、

現在 WHILL公式からは以下のSDKが公開されています。

RaspberryPiや、Arduinoからでも簡単にWHILLを制御することが可能です。

enebular

enebularは株式会社ウフルが開発しているNode-REDで簡単にビジュアル的にプログラムを開発/デプロイすることができるサービスです。
image.png

以前に知り合いに付いていって、LTイベントに参加したのですが、そのときはアカウントを作って少しだけ触っただけでした。
APIサーバーを作ったり、webサーバーを作ったり、IoT系のプロトタイピングにぴったりなイメージがあります。
このWHILLのプロトタイピングをするのに丁度いいかなと思い、使ってみました。

WHILL側の開発

WHILLの社員であるのにも関わらず、Model CRとそのSDKを触るのは実は初めてでした。なので、間違っている部分もあるかもしれません。
今回は公開されているPythonのSDK(https://github.com/WHILL/pywhill )を使いました。

git clone してみると、このようにexampleがいくつかありました。
このまま実行しようとすると、importのパスでエラーが起き、上の階層に移動させて、import文に正しくパスを指定してあげると問題なく動くようになりました。

.
├── LICENSE
├── README.md
├── main.py ← ここに作ったら動く
├── example
│   ├── cr_example1_joy.py
│   ├── cr_example2_data.py
│   ├── cr_example3_callback.py
│   ├── cr_example4_blink_power.py
│   ├── cr_example5_hold_joy.py
│   └── cr_example6_copy_speed_profile.py
└── script
    ├── whill.py
    ├── whill_data.py
    └── whill_packet.py

ちなみにOSサポートの欄には Macはunder migrationと書いてあったのですが、問題なく使うことができました。

細かく書いていると長くなりそうなので、重要ポイントだけ掲載します。

まずWHILLをイニシャライズします。USBポートをつないで、データを取得するようにします。

main.py
from script.whill import ComWHILL

whill = ComWHILL(port='/dev/tty.usbserial-FT1ZQR8V')
request_speed_mode = 0
whill.start_data_stream(1000, 0, request_speed_mode)

そして、Firebase上のロック状態を監視しています。
Firebase上でロックされていたら、SDKでWHILLの電源を監視して、ONの場合は電源を切って、音声を再生します。
Firebase上でアンロックされた場合は、WHILLの電源をONにして、クラウド上でロックされるまで待機します。

main.py

while True:
    time.sleep(1)
    is_refreshed = whill.refresh()
    
    if(firebase_db.get()) : 
        # firebaseから取得して、WHILLがクラウドでlockされていたら、電源状態をチェックする。
        if whill.latest_received_data_set == 0:
            whill.start_data_stream(1000, 1, request_speed_mode)
        else:
            if(whill.power_status == 1): 
                whill.send_power_off()  # 電源がONになっていたらOFFにする
                print("power on")
                print("send power off")
                whill.power_status = 0
                sayLockMessage() # しゃべる
            else : 
                print("power off")

    else :
        # firebase上でlockが解除されていたら、電源をONにして喋る。
        print("ロック解除") 
        whill.send_power_on()
        sayUnLockMessage()
        while firebase_db.get() == False : # クラウドでロックされるまでスリープする。
            time.sleep(1)

喋る部分に関してはsayコマンドをpythonのsubprocessから呼ぶという処理にしました。


def sayLockMessage() :
    command = "say ウィルはロックされています。利用開始するにはキューアールコードをスキャンしてください"
    subprocess.run(command,shell=True)

ちなみにFirebase上のDBはこういう感じで、シンプルにロック状態をBoolで管理しています。
image.png

enebular側の開発

今回、作成したflowはこんな感じです。
スクリーンショット 2019-12-15 1.10.45.png

上の /rental にブラウザでアクセスすると、templateで設定されているhtmlがレスポンスとして帰ってきます。

image.png

ここの上のボタンを押すと、/rental_start に対してリクエストを発行し、ロックするを押すと、/lock というリクエストを発行します。これらは両方、テンプレートで用意されたJsonをRealtime DBにsetしに行きます。

Firebaseの連携するノードや、Twitter、メールなどのノードも用意されていて驚きました。組み合わせるだけで、本当にノンコーディングでおもしろいサービスが作れそうですね。

例えば、ログイン機能とかユーザー名とレンタル時間を指定したら、「○○さん、レンタルを開始しました。使用期限は△△:△△です」のような音声を再生する機能とか、ログインしていないユーザーがアクセスしたら、「他のユーザーが使用中で、何時に帰ってくる予定です。」とかいうのをスマホ上に表示できるようにしたら、面白いました。

enebularで何か動くものを作るのははじめてだったのですが、拍子抜けするほど、簡単にサービスの連携や開発やデプロイができ、感動しました。

今度から、趣味の電子工作とかでもenebularを使ってサクッとサーバーサイドの処理をプロトしてみようかなと思います。

まとめ

enebular でサーバーサイドの処理をゴリゴリ書かずに、簡単にプロトタイプができました。
WHILLには、組み込みが専門のエンジニアもいるので、気軽にこうやって使えるenebularを紹介してみようと思います。

宣伝

最後に、宣伝になってしまうのですが、
WHILL Model CRはこういったサービスを作ったり、自動運転などの開発がしやすいモデルになっています。
人が乗れる乗り物で、SDKで手軽に制御できるものはそんなに無いと思います。
ぜひ、興味があればサイトの方を御覧ください。
https://whill.jp/model-cr

また、WHILL,inc. では、今回紹介したような、WHILLを活用した新しいサービスの企画&開発や、自動運転モデルの開発等に関連して、
サーバーやWeb系(フロントエンド/バックエンド)のエンジニアの仲間を探しています。

例:

上記以外にも様々な採用枠があります。
Wantedly

もし、何か興味があるということがありましたら、や Twitter @ktansai まで DMやリプライなどご連絡いただければ、質問回答orご紹介します。

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