まえがき
ビットキーアドベントカレンダー3日目です。
Connect Firmware の高石 (ksk_taka)が執筆します。
我がチームから3連続の投稿となります。やる気満々でお届けします。
と言いつつこの記事はファームウェアの実装関連の話はしません。
主にEngineering Managerや、Team Managerを担当している方など、チーム内外メンバーとコミュニケーションを頻繁にする人向けの記事になると思います。
目次
以下の通り記載していきます。
- 自己紹介
- 40人を超える人数と1on1をすることになった経緯
- 1on1の設定、実施の仕方
- 実施中に意識していたこと
- 実施したことで新たに学んだこと
- 今後に向けて
- あとがき
自己紹介
高石 圭佑と申します。
2019/10からビットキーで働いています。入社してまる3年が経過したところです。
見た目が老けていることが特徴らしく、社内では「部長」と呼ばれています。
ちなみにビットキーに部長職は存在しません
最初の会社では25歳のときにアラフォーと呼ばれたこともあります
当時新卒だったのに人事から「中途っぽい」とも言われたこともあります
ビットキーへの入社時はファームウェアのいち担当としてJoinし、主に電気・ファームウェアの複合領域を担当していました。
3年経過した現在は、チームを統括するマネージャーとしての業務がメインです。
冒頭でも書いた通り、どちらかというとEngineering Manager寄りの業務を主軸としています。
マネージャとしての活動歴は約3年。
社外への発信活動も比較的してる方です(個人の発信活動はあとがきに記載)。
40人を超える人数と1on1をすることになった経緯
さて、本題の1on1についての記述に移ります。
僕は、今年の4~6月で、とにかく色々な人と1on1を実施しました。
タイトルにもある通り、1on1相手はチーム内のメンバーもチーム外のメンバーもいます。
FW開発以外に、HW開発、SW開発、営業、カスタマーサポート、法務、会計などなど、いろいろなチームの人たちと話をさせて貰いました。
役職も様々で、経営陣、マネージャ、メンバーと幅広く話を聴いています。
これだけの数の1on1をやろう、となった背景は色々あるのですが、
主として、以下を目的にしていました。
- いろいろな視点で自分・チームを省みたい
- 現場で頑張っている人の声(ポジティブ・ネガティブ)を吸い上げて、適切に経営陣に伝えたい
- とにかく社内の雰囲気をより良くしたい
改めて考えると、別にこれは僕が一人でやるべきことでもない、かもしれないのですが、
ふと思い立って「こういうのやってみようと考えている」ということをCEO江尻さんに相談してみたところ、「良いじゃん、どんどんやろうよ」と言ってもらったこともあり
ひとまず3ヶ月くらいの間で全力でやってみるかー、となった感じです。
1on1の設定、実施の仕方
1on1のやり方はとしては、主に以下のいずれかで実施していました。
- 事前にDMで以下のいずれかで話をしよう、というインプットをする
- 業務時間中に30分貰って、どんな課題を感じているかについてヒヤリングする
- 社内のフリースペースを使い、ランチしながら雑談しつつ状況を聞く
- 業務終了後にサシで飲みに行く(もしくはアルコール無しで食事しに行く)
- 相手から了承を得次第、カレンダーで予定を入れて実施
ありがたい事に断られることは一度もなく、皆ポジティブに話に乗ってくれました。
日頃からいじられキャラを演じている甲斐があります
1on1を実施する中で意識していたこと
「1on1のコツ」の様なことは巷にありふれていますが、僕が自分の中で特に意識していたことは以下のことです。
- まずは徹底的に「相手ありき」で考え、以下を深堀りする
- 相手の業務内容
- 相手の価値観
- 相手の直近の感情の揺れ動き
- 相手が感じている、所属組織の雰囲気
-
自分の立場を鑑みた上で、相手が発言しやすくなるように極力意識する
- 自身がマネージャという立場であり、意識せずとも相手に圧を与えかねないことを常に意識する
- 自身の弱みを積極的に見せ、「畏怖すべき存在ではない」ということを強く印象づける
- 自分が組織・会社などに対して課題に感じていることは積極的に吐露し、「相手に寄り添う立場の人間である」ということを丁寧に伝える
- 相手が感じている課題に対して共感できる部分があったら、高石自身の意思として経営陣に伝える。周囲に吹聴するようなことはしない。
特に後者についてはできる限り慎重にしたつもりです。
- マネージャーという職層
- 開発という立場
- 在籍3年という、スタートアップの中では比較的長い経験
- 社内では比較的高齢(35歳)
-
見た目の圧力
上記以外でも、相手に意図せずプレッシャーを与えるようなことはないか、ということを都度都度意識していました。
(その際、こちらの記事に記載の「権威勾配の変数」は非常に参考になりました)
上記を意識した結果、多くの人から本音を引き出せた(&自分の本音を伝えられた)と思っています。
直接「1on1できてよかった」というフィードバックを貰った回数が、片手では数え切れないくらいあります。
1on1を実施したことで学んだこと
実際に、数をこなしていく中で自分自身の学びになることは非常に多かったです。
- 基本的に、皆善人である。
- 個人の状態とチームの状態は連動する
- コミュニケーションを取る中で喜ぶポイント、嫌がるポイントは人によって大きく異なる。
- 共通の言語を使っていても、相手の認識・解像度によって受け取り方は様々ある
自虐ネタは大体ウケる。ちょろい
当たり前かもしれないですが、「皆善人である」ということを学んだ(というか気付き、腹落ちした)ことは自分にとって非常に大きかったです。
特に「自分と異なる職層の人」「自分と異なる業務領域の担当者」「自分と異なる感性の人」など、持っている前提が自分と異なる人は行動原則が自分と大きく異なることが多々あり
傍から見ると「なんでこんなことやってんだろ?」と思う様な事があっても本人なりの正義を持って行動していることが多い、ということがわかったことが非常に大きな収穫でした。
また、あるチームにおける複数の人が似たような「課題」や「違和感」を持っていたり、
あるタイミングでは同じチームにモチベーションの高い人が集まっていたりと
個人の状態がチームに伝播している様子も見て取れました。
1on1をやり続けた結果起きたこと
上記の様な1on1を繰り返し実施することで、自分と自分を取り巻く環境で以下の様な変化が生じました。
-
自分自身の学び
- 他チームのメンバーが普段行っている業務に対する、自分の中での解像度が格段に上がった
- 他チームの中で、誰がどの程度影響力を持っていて、どんな関係性を持っているのかがわかるようになった
- 他チームの「大枠の状態・雰囲気」が掴め、課題として感じていることがわかった
- 1対1のコミュニケーションに慣れ、社外の初対面の人とも気軽に話せるようになった(結果、カジュアル面談に突撃しやすくなった)
-
対個人への影響
- 1on1をした相手から他の人に対して「高石と1on1すると良い」というコミュニケーションが発生し、その結果より多くの人と会話ができた
- 他チームの一部のマネージャから「この人から話を聞いてやってくれないか」という依頼が来るようになった
- 一部の人から、「この人と1on1をしようとしているのだが、どうやって進めれば良いと思うか」と、アドバイスを求められるようになった
-
全社的な影響
- 社内での自身の認知が広がった(結果、初めて仕事する人相手でも、相手がこちらを知ってくれることが増え、業務上のコミュニケーションが取りやすくなった)
また、1on1を繰り返し行った結果、「チーム内の雰囲気を明るく保つを高めるためにはコミュニケーションの絶対量を増やした方がいい」という結論に達し
チーム内で、自分以外のメンバー同士の1on1もやってもらうようになりました。
客観的な指標としてどれだけ効果があったかはわかりませんが、メンバー間の信頼関係は以前より醸成されてきたのではないかと感じています。
もっとこうすればよかったなーと感じたこと
- 計画性が皆無だった。
- 1on1相手の所属するマネージャに対しての事前共有・事後共有をすればもっといい動きにできた
- 1on1する理由を事前に全社的に伝えるなどして「どのような意図でどのような結果に繋げようとしているのか」という共有をしておけば良かった
今回の反省点ですが、「計画性の無さ」の一言に尽きます。
上で記載した通り、ふと思い立って実施した内容が思いの外継続的に実行できてしまったという感じなので
「どの期間でどのように動いて最終成果としてのアウトプットはどうして・・・」という様な、計画性を持ったプロジェクトに昇華することができませんでした。
(だからこそ本音聞き出せた部分もあると思いたいけど)
かろうじて、1on1で得た知見は経営陣に対して自分の口でフィードバックすることはできましたが
それ以外の人から見たときに「ただ1on1やりまくっていただけの人」に留まってしまったのは大いに反省すべき点かなと思っています。
以下、ありがたく心に響いた周囲の人達(主に1on1していない方々)からのフィードバック
- 行動力だけは凄いと思った
- 空回りしてるように見えた
- 勢い先行してるように見えた
精進しまァァァァす!!!!
フィードバックを受けて活かしていることと、今後に向けて
上記の通り、「計画性の無さ」や、「1on1で直接相対する人以外の人に対してのアウトプット」が明確に欠けていたのが活動を通して学んだことです。
それを踏まえ、最近では「誰とどの様に1on1で話した結果、誰が何に対してどの様な課題感じていて、それに対して自分及びチームとしてどう動くべきか」ということを自身の上長と頻繁に相談するようになりました。
また、「チーム外の人と1on1をする」となったときには、相手の方の上長とコミュニケーションを取り、以下のようなことをするようにしています。
- 何か聞いてほしいことはあるか
- 何か伝えたいことはあるか
まだ試行錯誤段階ではありますが、以前と比べ「コミュニケーションを取った結果、組織としてどこを改善すべきか」という課題解決の動きを自分ひとりではなく、複数人で取り掛かれる様になったのでは無いかと思います。
とはいえ、まだ属人的な活動に留まっていると感じているので、社内の活動として型化、汎用化していけたらなーと思っています。
個人の発信活動 など
今回の記事に関係するものと関係しないものがありますが、個人的に以下の様な記事を書いていたりします。
良ければご参照下さい。
- スタートアップで働いていて思ったこと
1.【第一章】ニコンからZOZO、そしてビットキー へと転職して丸2年。今改めて考えるスタートアップで働く魅力
2.【第二章】ニコンからZOZO、そしてビットキー へと転職して丸2年。今改めて考えるスタートアップで働く魅力
3.【第三章】ニコンからZOZO、そしてビットキー へと転職して丸2年。今改めて考えるスタートアップで働く魅力 - マネージャとしての働き方
1.スタートアップでの経験と名著「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」から学ぶ、チームの成果の出し方【マネージャーの仕事編】
2.スタートアップでの経験と名著「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」から学ぶ、チームの成果の出し方【評価面談編】
3.スタートアップでの経験と名著「HIGH OUTPUT MANAGEMENT」から学ぶ、チームの成果の出し方【採用面談編】
4日目のアドベントカレンダーの記事は @marikosato が執筆します!