はじめに
SharePointリストでも設定を変えればフォルダーを作成することができます。
設定
リストの設定を開き、詳細設定から[新しいフォルダー]コマンドを表示するをはいに変更します。
設定を変更すると新規フォルダーを作成することができるようになります。
Power Automate で操作する
フォルダー操作のアクションはあまり豊富に用意はされていませんので、標準アクションでそのまま実行できるものと、SharePoint に HTTP 要求を送信しますアクションを使用して実行するものがあります。
フォルダーの作成
新しくフォルダーを作成するのは、標準アクションで実行できます。
サイト・リストをプルダウンから指定し、/区切りでパスを指定して実行できます。
ドキュメントライブラリでの操作と同様です。
フォルダー内のアイテムを一覧取得する
こちらも標準アクションで実行できます。
詳細パラメーターからエントリをフォルダーに制限するでフォルダーのフルパス(完全パス)を指定しましょう。
フォルダー内にアイテムを作成する
項目の作成アクションでは作成先のフォルダーを指定することができません。
フォルダー内にアイテムを作成したい場合は、HTTPリクエストを使用します。
_api/web/lists/GetByTitle('とあるリスト')/AddValidateUpdateItemUsingPath
もしくは
_api/web/lists('リストのId')/AddValidateUpdateItemUsingPath
ボディには以下の形式で保存先のフォルダーと作成する各プロパティを設定します。
{
"listItemCreateInfo": {
"FolderPath": {
"DecodedUrl": "/sites/toaruSite/@{outputs('新しいフォルダーの作成')?['body/{FullPath}']}"
}
},
"formValues": [
{
"FieldName": "Title",
"FieldValue": "タイトル"
},
...
{
"FieldName": "ContentType",
"FieldValue": "アイテム"
}
],
"bNewDocumentUpdate": false
}
各列の値は配列formValuesで記述するのですが、実際に実行したときのデータサンプルを記載しておきます。（長いので折りたたみで）
様々な列のデータ型で実行したサンプル
{
"listItemCreateInfo": {
"FolderPath": {
"DecodedUrl": "/sites/toaruSite/@{outputs('新しいフォルダーの作成')?['body/{FullPath}']}"
}
},
"formValues": [
{
"FieldName": "Title",
"FieldValue": "タイトル"
},
{
"FieldName": "Text",
"FieldValue": "テキスト"
},
{
"FieldName": "Choice",
"FieldValue": "選択肢 1"
},
{
"FieldName": "Date",
"FieldValue": "2025/7/13"
},
{
"FieldName": "Note",
"FieldValue": "複数行\nテキスト"
},
{
"FieldName": "User",
"FieldValue": "[{\"Key\":\"i:0#.f|membership|xxx@outlook.com\",\"DisplayText\":\"A さん\",\"IsResolved\":true,\"Description\":\"xxx@outlook.com\",\"EntityType\":\"User\",\"EntityData\":{\"IsAltSecIdPresent\":false,\"UserKey\":\"i:0h.f|membership|xxx@live.com\",\"Title\":null,\"Email\":\"xxx@outlook.com\",\"MobilePhone\":null,\"ObjectId\":\"d702e418-45ec-4f74-815f-47d6e32f307c\",\"Department\":null},\"MultipleMatches\":[],\"ProviderName\":\"Tenant\",\"ProviderDisplayName\":\"テナント\"}]"
},
{
"FieldName": "Number",
"FieldValue": "100"
},
{
"FieldName": "Boolean",
"FieldValue": "1"
},
{
"FieldName": "HyperLink",
"FieldValue": "https://make.powerautomate.com, Power Automate"
},
{
"FieldName": "Currency",
"FieldValue": "3.14159265"
},
{
"FieldName": "Place",
"FieldValue": "{\"Score\":-20,\"EntityType\":\"Unknown\",\"LocationSource\":\"Bing\",\"FormattedAddress\":\"日本\",\"LocationUri\":\"https://www.bingapis.com/api/v6/places/search?q=%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%83%bd&setLang=ja-JP&dtype=PlaceOrLandmark\",\"Availability\":\"Unknown\",\"UniqueId\":\"https://www.bingapis.com/api/v6/places/search?q=%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%83%bd&setLang=ja-JP&dtype=PlaceOrLandmark\",\"IsPreviouslyUsed\":false,\"Id\":\"https://www.bingapis.com/api/v6/places/search?q=%e6%9d%b1%e4%ba%ac%e9%83%bd&setLang=ja-JP&dtype=PlaceOrLandmark\",\"DisplayName\":\"東京都\",\"Address\":{\"CountryOrRegion\":\"日本\",\"Type\":\"Unknown\",\"IsInferred\":false},\"Coordinates\":{\"Latitude\":35.689927,\"Longitude\":139.691763}}"
},
{
"FieldName": "Lookup",
"FieldValue": "1;#item1"
},
{
"FieldName": "ContentType",
"FieldValue": "アイテム"
}
],
"bNewDocumentUpdate": false
}
作成したアイテムのIdを調べる
上記を実行すると、formValuesの配列で指定したプロパティの設定結果が、resultに含まれて返されます。
"body": {
"d": {
"AddValidateUpdateItemUsingPath": {
"__metadata": {
"type": "Collection(SP.ListItemFormUpdateValue)"
},
"results": [
{
"ErrorCode": 0,
"ErrorMessage": null,
"FieldName": "Title",
"FieldValue": "タイトル",
"HasException": false,
"ItemId": 0
},
...
{
"ErrorCode": 0,
"ErrorMessage": null,
"FieldName": "ContentType",
"FieldValue": "アイテム",
"HasException": false,
"ItemId": 0
},
{
"ErrorCode": 0,
"ErrorMessage": null,
"FieldName": "Id",
"FieldValue": "6",
"HasException": false,
"ItemId": 0
}
]
}
}
}
このうち、最後の部分にIdが含まれているため、配列からIdを抜き出す操作が必要になります。
アレイのフィルター処理でFieldNameがIdになっているものを抽出し、FieldValueのIdを取り出す作業です。
@{body('SharePoint_に_HTTP_要求を送信します:_アイテムの作成')?['d/AddValidateUpdateItemUsingPath/results']}
@equals(@{item()?['FieldName']},'Id')
body('アレイのフィルター処理')?[0]?['FieldValue']
フォルダー間でアイテムを移動する
アイテムをフォルダーからフォルダー（もしくはフォルダー外）に移動するのもHTTPリクエストを使用します。
こちらのファイルの移動アクションでは実行できませんでした。
リクエストは以下のように実行します。
_api/SP.MoveCopyUtil.MoveFileByPath()
{
"destPath": {
"DecodedUrl": "https://v45dm.sharepoint.com/sites/toaruSite/Lists/toaruList/folder1/10_.000"
},
"options": {
"RetainEditorAndModifiedOnMove": true,
"ShouldBypassSharedLocks": true
},
"srcPath": {
"DecodedUrl": "https://v45dm.sharepoint.com/sites/toaruSite/Lists/toaruList/10_.000"
}
}
destPathは移動先のフォルダーに移動した後のアイテムの完全パス、srcPathは移動前の完全パスです。
フォルダーのパスとアイテムのIdがあれば作成できそうですが、末尾に謎の_.000がついていたので、項目の取得アクションなどで確認しておく方が無難だと思います。
移動後のパスは、フォルダーのパスだけではなく、末尾にそのアイテムのIdを含むパスが必要なようでしたので、アイテムのIdから切り取って指定しています。
last(split(outputs('項目の取得')?['body/{FullPath}'],'/'))
おわりに
リストの各項目にアクセス権を個別で割り当てるのは、管理上非推奨な方法だと聞いて、「じゃあフォルダにまとめたら管理しやすくなるんじゃね？」 と思い調べてみました。
フォルダの操作自体がややこしく、これもまた推奨しかねる方法だとは思うのですが、せっかく調べたので備忘録として残しておきます。