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日本ディープラーニング協会の「AI for Everyone」講座をまとめてみる-5週目

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この記事について

日本ディープラーニング協会(JDLA)の初学者向けAI講座を個人的にまとめたメモです。

記事一覧、連載の購読はこちらから。

受講は無料のため、このまとめ記事で興味を持ったらぜひ本家の講座を受講してみてください。

・DL for DX|日本ディープラーニング協会

・AI For Everyone (すべての人のためのAIリテラシー講座) | Coursera

日本におけるAI/DL活用事例①

製造業領域

検査・検品

・ものづくり製造工程における検品

例:自動車部品の不良品検知、液晶パネルの欠陥検出

・食品製造現場における検品

例:チーズの包装の検品

効果も期待されているため事例も多くあるが、一方で不良品のデータは一般的に少量しか手に入らないため、それをどう学習させていくか?という部分で工夫が必要

廃棄物処理

産業廃棄物の自動分別

事例:原料検査装置

キューピー/ブレインパッドによる不良品検知の事例

20210802_1

2019年のディープラーニングビジネス活用アワード大賞

色が変わっているジャガイモをディープラーニングによって検出する

さらに、色が変わっている物だけを除外する装置と組み合わせて、効率的に検品の作業を行うことができる

キユーピー 食品検査にディープラーニング 競合にも売る太っ腹:日経クロストレンド

モビリティ領域

自動運転

・自動運転車

例:第3週で解説

・自動運搬機

例:作業現場、倉庫における自動運搬

自動運転監視

モビリティ領域におけるAIの活用というと自動運転がイメージされがちだが、同時に自動運転サービスの運用をサポートする目的でも活用されている

例:自動運転バスの車内の監視

→全員着席したか?走行中に移動していないか?

事例:Self Driving Vehicle 自動運搬機

Musashi AIという自動運搬機の事例

20210802_2

工場の現場では、ある部品を一つの場所から別の場所に運ぶというような工程は多くある

従来は人が運搬していたが、これを自動運搬機によって実現

周りの状況を認識しながら、上手に目的地までたどり着くことが出来る

医療領域

診断支援

病気の早期発見 → 医師への負担緩和、及び見落としリスク低減

例:胃がんを検出する内視鏡画像診断支援

ごく早期の癌は優秀な医師でも中々見つけにくく見逃してしまう恐れがあると言われている

ディープラーニングが持つ特徴抽出能力を適用する

具体的には「畳み込みニューラルネットワーク(CNN)」を活用し、内視鏡画像から胃がんを検出する事例では、2018年の時点で既に熟練の内視鏡レベルに匹敵する制度を実現している

→同様の技術で病理画像、歯科X線、放射線治療画像等へ応用を始めている

創薬

創薬の生産性向上

製薬企業では一般的に新薬開発に関わるコストの増大が大きな課題のひとつになっている

研究開発プロセスにおける大幅な効率化を目指してディープラーニングを中心としたAIの活用が進められている

ゲノム解析

数万から数千万の変数を持つ超高次元データの解析

ゲノムなどのゲノミックスデータは、病気などの個人差の解析・診断に役立つと考えられているが、これらのデータは数万から数千万の変数を持つ超高次元データであるため、伝統的な統計学では解析が難しい課題が多く存在している

また、AIの中でも機械学習では簡単に取り扱えない為、特徴抽出能力を自前で持つディープラーニングを活用した取り組みが広がっている

事例:ワクチン開発と抗体誘導ペプチド推定AI

フューチャー、アンジェス、大阪大学の事例

20210802_3

ワクチンの開発の創薬のプロセスにおいて、候補物質をどのように絞り込むか?ということは非常に大きな課題

そこに過去のデータを活用して、「ある性質を持たせるためにはどういった候補物質が最も可能性が高いか」ということをAIディープラーニングによって推定し、全体の効率化をはかっている

介護領域

自立共生支援

内閣府による調査では2025年には65歳以上の高齢者人口が全体の約3割に達しそのうち20%が認知症患者になると言われ、日本における介護士の確保と負担軽減の重要性は高まっている

この課題解決に向けたアプローチの一つとして、介護コミュニケーション支援におけるディープラーニング活用が注目されている

熟練介護者の能力を介護初心者にコーチングする過程でディープラーニングを応用した取り組みが開始されている

予防ヘルスケア

予防観点から「栄養・運動・休養」を可視化

事例:てんどっく~全自動点訳サービス~

東京工業高等専門学校の事例

高専DCON2020年大会で最優秀賞を受賞した「全自動の点訳サービス」

例えば、通常の文章がA4の紙1枚に書かれていた場合、点字に翻訳すると8枚になる

分量が増えてしまうと、点字にしたとしても視覚障害者にとっては非常に読みにくい

これを、ディープラーニングを使った自然言語処理の技術を用いて要約をし点字に印刷するサービス

日本におけるAI/DL活用事例②

インフラ領域

保守点検

インフラ保守点検業務の支援・自動化

例:送電鉄塔点検ドローン

ドローンを用いて送電鉄塔を撮影し、ディープラーニングにより腐食や劣化の度合いを判定する

運用効率化

既存インフラの有効活用に向けたデータ活用

例:降雨量予測によるダムの運用効率化

CNNを用いて降雨量を5分単位で予測しダムの運用効率化を図る

防災

例:地形データからの土砂災害リスクの予測

事例:溶接部のAI超音波深傷検査システム

日立造船の事例

化学プラントの中にある熱交換器の傷を探る

20210802_4

従来は、沢山ある管に対して超音波で画像を取得し、傷がないか目視で判定していた

ディープラーニングを活用することで即日分析が終わり、お客様へのフィードバックも翌日には可能になった

サービス・小売領域

小売店における顧客トラッキング

カメラとDL活用による顧客の購買行動の把握

例:Amazon Go

日本のスーパーなどでは、早くからPOS技術が導入され、データ分析と活用は長年進められてきた

しかし、POSデータは売れた商品を集計・分析することに有効であったが、それらの商品を購入するまでの顧客の購買行動までは把握できないという課題があった

この課題を解決したのが、カメラの画像とディープラーニングを活用した顧客トラッキングの仕組み

問い合わせ応答

音声対話エンジンによる自動応答

 →24時間365日サポート対応を実現

類似商品画像検索

近年、言葉では表現できない検索ニーズや、よりスムーズな買い物体験ニーズに対応することを目的に、画像の特徴抽出能力を活かした類似商品画像検索が使われ始めている

事例:ファッショントレンド予測

ニューラルポケットの事例

20210802_5

店舗内等に付けたカメラによって人々のファッションを認識し、どういった物を着ているか、色・形など事細かに分析することで、トレンドを把握し次の商品企画に活かす

農林水産業領域

人手不足への対応や熟練者の知識の移転などのほか、これまでにない付加価値を生み出すことにもAI・ディープラーニングが活用されている

農業

例:ピンポイント農薬散布

ドローンを用いて、農地を上空から撮影ディープラーニングを用いた画像認識技術で病虫害の発生場所を特定しそこにピンポイントで農薬散布を行うことによって、低農薬という新しい付加価値が生まれている

例:自動収穫ロボット

熟練者の知識を活かしつつ、人手不足を解消する取り組みの一つとも言える

畜産業

例:豚の鳴き声からの異常検知

豚の鳴き声から呼吸器系の疾患があるか、発情の兆候があるかなど豚の状態について検知する仕組みは、熟練者レベルでの24時間の監視を可能にし畜産物の安定供給にも寄与している

漁業

例:水産養殖におけるスマート給餌
例:魚市場における魚種の選別

事例:高速魚種選別システム

佐世保工業高等専門学校の事例(高専DCON2020年大会にて高い評価を得たシステム)

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魚種の判定を行い、結果に応じてアジ・サバ・その他の3つに振り分ける

その他の領域

  • 金融保険
  • 教育
  • インターネット関連サービス
  • 自然科学
  • エンタメ

日本における人材育成〜JDLAの取り組み〜

JDLAの講座・資格

  • AI For Everyone
  • G検定
  • E資格

プロジェクトフローから見た各人材に対する必要リテラシーレベル

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組織図から見た企業における理想的なリテラシー文化整備

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G検定

ディープラーニングの概要や手法、プロジェクトを進めるに当たっての注意点や法律、倫理に関する問題など、広範囲に必要な知識を体系立てて学べるシラバスになっている

本講座(AI For Everyone)の受講終了書を提示すると、受験料が割引かれる制度もある

E資格

E資格は、より開発に携わるエンジニア職のための資格試験

G検定よりもより深い理論の理解と実装に関わる知識、スキルを得るような内容となっている

E資格は保有スキルを証明するために、JDLAが認定したプログラムを受講し修了することで受験資格が与えられ、その上で受験して実際の資格を得る、という仕組みになっている

CDLE(シードル)

G検定およびE資格保有者のコミュニティ(4万人以上)

合格者同士のコミュニケーション機会の提供だけではなく、有識者による勉強会の開催や、ハッカソンの実施等を通じて資格保有者の更なるスキルアップのための学びの場を提供している

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