はじめに
UTMでmacOS Tahoe 26 betaの仮想マシンをインストールができたのでlumeでもインストールできないかと試した結果、無事にインストールできたのでその方法をまとめました。
インストール手順
次の手順でインストール等を行ないます。
- lumeのインストール
- Xcode 26 betaのダウンロードとインストール(UTMの場合と同じ)
- macOS 26 betaのダウンロード(UTMの場合と同じ)
- lumeでmacOS Tahoe用の仮想マシンの作成
実行環境
下記の環境でインストールを実行しました。
ソフトウェア | バージョン |
---|---|
macOS | 15.5 |
UTM | 4.6.5 |
MacはMacBook Pro 14インチ2023 M2 Pro 16GBメモリを使用しています。
lumeのインストール
lumeとは
https://github.com/trycua/cua/blob/main/libs/lume/README.md で公開されているソフトウェアでこのページで「lume は、Apple の Virtualization.Framework を使用して、Apple Silicon 上でネイティブに近いパフォーマンスで macOS および Linux 仮想マシン (VM) を作成、実行、管理するための軽量のコマンドラインインターフェイスおよびローカル API サーバーです。」と説明されています。
上記リンク先にはプレビルドされたmacOSとUbuntuのイメージがあることが分かります。
lumeのインストール
上記のGithubのページにインストール方法が記載されていますがここではHomebrew
でインストールしました。
$ brew install lume
インストールされたバージョンはbrew info
コマンドで確認すると0.2.15でした。
$ brew info lume
==> lume: stable 0.2.15 (bottled), HEAD
Create and manage Apple Silicon-native virtual machines
https://github.com/trycua/cua
Installed
(以下略)
ベータ版ソフトウェアのダウンロード
XcodeおよびmacOSのベータ版ソフトウェアはAppleのDeveloperサイトからダウンロードできる。
※ダウンロードするにはアカウントを登録しておく必要がある。

View downloadsをクリックするとログイン求められます。ログイン後、それぞれのファイルをダウンロードします。
ファイルサイズはGB単位と大きいので時間がかかります。
プロダクト | ファイル名 | サイズ |
---|---|---|
Xcode 26 beta | Xcode_26_beta.xip | 2.92GB |
macOS Tahoe 26 beta | UniversalMac_26.0_25A5279m_Restore.ipsw | 18.29GB |
Xcode 26 betaのインストール
ダウンロードしたXcode 26 beta(Xcode_26_beta.xip)は圧縮されたファイルでダブルクリックするとアーカイブユーティリティで展開されます。展開されたファイルはxcode-beta.app
で、11.61GBありました。ファイルはどこに置いてもいいですがアプリケーションフォルダに置きました。
Xcode-beta.app
ダブルクリックして実行すると必要なコンポーネントのインストールが始まり、Xcodeが起動します。iOSやwatchOSのシミュレータのインストールするかを問われますので必要なければチェックを外してください。
lumeでmacOS Tahoe用の仮想マシンの作成
lumeのオプションをGithubのページから確認するとipswファイルから仮想マシンを作るオプションがあるので試したところうまくできました。実行するコマンドは次のとおりです。
$ lume create macOSTahoe --ipsw UniversalMac_26.0_25A5279m_Restore.ipsw
- macOSTahoeのispwイメージと同じディレクトリでコマンドを実行しています
- 仮想マシンの資源を指定せず、デフォルトで実行しています
コマンドlume
に続けるサブコマンドなどの意味は次のとおりです。
パラメータ | 意味など |
---|---|
create |
仮想マシンの作成を指示 |
macOSTahoe |
仮想マシンの名前(自分で決める) |
--ipsw |
インストールに使用するipswファイルを使用して仮想マシン作成 |
UniversalMac_26.0_25A5279m_Restore.ipsw | インストールに使用するipswファイル |
仮想マシンの資源を指定していませんがコマンド実行直後に適用された値が示されています。それを次の表にまとめます。
資源 | デフォルト値 |
---|---|
OS | macOS |
cpuコア数 | 4 |
メモリ | 8GB |
ディスクサイズ | 50GB |
ディスプレイ | 1024x786 |
コマンドの実行が完了すれば仮想マシンが~/.lume/仮想マシン名
のフォルダに作成されます。実行直後のサイズが53.69GBでした。
実行の様子の一部を下記に示します。
$ lume create macOSTahoe --ipsw UniversalMac_26.0_25A5279m_Restore.ipsw
[2025-06-12T06:35:14Z] INFO: Creating VM location=default disk_size=51200MB display=1024x768 memory_size=8192MB ipsw=UniversalMac_26.0_25A5279m_Restore.ipsw os=macOS name=macOSTahoe cpu_count=4
[2025-06-12T06:35:14Z] INFO: Creating temporary directory path=/Users/XXXXXX/.lume/29EB06FD-47A4-4903-9879-8F5347B2B8DF/
[2025-06-12T06:35:14Z] INFO: Validating VM disk state locationName=default dirPermissions=755 diskPermissions=644 diskSize=53.69 GB diskPath=/Users/XXXXXX/.lume/29EB06FD-47A4-4903-9879-8F5347B2B8DF/disk.img diskExists=true
[2025-06-12T06:35:14Z] INFO: Pre-VZMacHardwareModel: hardwareModel=132 bytes
[2025-06-12T06:35:14Z] INFO: Starting macOS installation
[2025-06-12T06:35:14Z] INFO: Installing macOS progress=0%
(中略)
[2025-06-12T06:38:38Z] INFO: Installing macOS progress=100%
[2025-06-12T06:38:38Z] INFO: macOS installation finished
[2025-06-12T06:38:38Z] INFO: VM created successfully name=macOSTahoe
lume ls
コマンドで仮想マシンのリストを表示できます。テキスト形式ではターミナルの横幅を越えてしまうのでJSON形式で表示してみます。
$ lume ls -f json
[
{
"status" : "stopped",
"os" : "macOS",
"diskSize" : {
"allocated" : 21596274688,
"total" : 53687091200
},
"locationName" : "default",
"cpuCount" : 4,
"display" : "1024x768",
"memorySize" : 8589934592,
"name" : "macOSTahoe"
}
]
status
がstopped
で起動していないことが分かります。
macOS Tahoe 26 betaのインストール
lumeで作成したmacOS Tahoe 26 betaの仮想マシンを次のコマンドで起動し、macOSのインストールを開始します。run
に続けるのがインストール時に指定した仮想マシンの名前です。
$ lume run macOSTahoe
仮想マシンを起動すると画面共有(VNC)が起動し、仮想マシンのデスクトップが表示されます。
ここからの操作はこれまでのmacOSのインストール手順と同じ操作になります。以下はその流れです。Apple Accountは使用しないでインストールしています。位置情報はうまく取得できなかったので無効にしています。
項目 | 操作 |
---|---|
最初の画面 | はじめようをクリック |
言語 | 日本語のまま→をクリック |
国または地域を選択 | 日本のまま続けるをクリック |
文字入力および音声入力の言語 | 続けるをクリック |
アクセシビリティ | 今はしないを選択し、続けるをクリック |
データとプライバシー | 続けるをクリック |
Macアカウントを作成 | フルネーム、アカウント、パスワード、パスワードの確認の入力、コンピュータアカウントのパスワードを〜」のチェックを外し、続けるをクリック |
Apple Accountにサインイン | 後で設定をクリック |
Apple Accountでのサインインをスキップしてもいいですか? | キップをクリック |
利用規約 | 同意するをクリック |
位置情報サービスを有効にする | そのままで続けるをクリック |
位置情報サービスを使用しなくてもいいよろしいですか? | 使用しないをクリック |
時間帯を選択 | 最も近い場所でたとえばTokyo - 日本を選択し、続けるをクリック |
解析 | 続けるをクリック |
スクリーンタイム | あとで設定をクリック |
Siri | そのままで、続けるをクリック |
Siriの声を選択 | 好きな声を選び、続けるをクリック |
Siriと音声入力の改善 | 今はしない、続けるをクリック |
外観モード | 好きなモードを選び、続けるをクリック |
自動的にMacをアップデート | 続けるをクリック |
ようこそ | 続けるをクリック |
以上でmacOS Tahoe 26 betaのインストールが完了し、デスクトップが表示されて使用できるようになります。
lumeの終了
macOS Tahoeをシステム終了でシャットダウンしてもコマンドの実行は継続した状態なのでCTRL+C
で終了させます。
lumeで作成した仮想マシンの削除
仮想マシンが不要になった場合はlume delete
コマンドで削除する仮想マシン名を指定して削除します。以下に実行例を示します。
$ lume delete macOSTahoe
Are you sure you want to delete the virtual machine 'macOSTahoe'? [y/N] y
[2025-06-12T07:14:11Z] INFO: Deleting VM name=macOSTahoe location=default
[2025-06-12T07:14:12Z] INFO: VM deleted successfully name=macOSTahoe
$ lume ls
No virtual machines found
さいごに
以上でlume
を利用したmacOS Tahoe 26 betaのインストール、実行方法を確認できました。