日本企業の財務諸表を比例縮尺グラフで表示するサイトを作りました。
このように貸借対照表(B/S)と損益計算書(P/L)をグラフで表示することができます。
開発経緯
2019~2022年のコロナ感染に脅威を感じていた日々、ニュース番組で映し出されていた感染者グラフでデータの可視化に興味を持ちました。個人開発でも何かデータの可視化に取り組めるテーマはないかと思案していたところ、ちょうど簿記の3級を勉強していたタイミングでもあったので財務諸表の比例縮尺グラフを作ることにしました。サイトを作るうえで以下の3冊から知見や着想を得ることができました。
・荻原, 和樹. データ思考入門. 日本, 講談社, 2023.
・山根, 節. 「儲かる会社」の財務諸表: 48の実例で身につく経営力・会計力. 日本, 光文社, 2015.
・財務諸表の見方〈第14版〉. N.p., 日経BP, 2023.
設計
仕様
財務諸表の情報は金融庁が運営するEDINETよりダウンロードしたXBRL形式のファイルを元にしています。技術的にはMERN(MongoDB、Express、React、Node.js)を利用、バッチ処理はPythonを主に利用しています。フロントエンドから参照されるDBは軽量なsqlite3を採用しました。構成イメージは以下の通りです。
補足
開発前からわかっていたことなのですが、一部の企業は財務諸表データが取得できません。これは企業の業種によって勘定科目が異なるためで、特にP/Lにおける「売上高」と「売上原価」のデータが取得できません。たとえば、業種ごとに以下のような勘定科目の違いがあります。
小売業
・売上高
・売上原価
建設業
・完成工事高
・完成工事原価
保険業
・営業収益(または経常収益)
・営業費用(または経常費用)
苦肉の策として財務諸表の金額を表示する箇所は、input タグで入力可能な項目とすることにしました。取得できない値があった場合、利用者が自身で入力できるようにするためです。
まとめ
React とNode.js の学習に時間を要しましたが、日々の業務の合間に楽しく開発することができました。記事をお読みいただきありがとうございます。