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Grothendieck Topos への入門

Category Theory Advent Calendar 2018 第一日目 の記事です。

インターネットを作り上げた先人に感謝して

圏論について

私は、大学数学の教育に一度根元から失望しており、
少なくとも私のいた当時の京都大学の一般教養カリキュラムは、ひどく後進的なものでした。
「線形代数」などという人間が手計算するような代物でないような数学を、
有限「群」の概念なくして、やるのは、本当に馬鹿げています。
いわば、九九を覚えずに、長方形の体積を求めることを強要するようなものです。
小学生にでも自明であろう、「掛け算の順序の問題」よりも、ずっとずっとひどい仕打ちであり大きな問題です。
「微分積分学」においては、テイラー展開など、紙と鉛筆でする価値のある、ある種の複雑な構造を実際に触ることができ、手計算による魔法のような効率を見るのが好きでした。

社会人となり、紆余曲折を得てから、はじめて圏論に出会い大学数学に取り組みましたが、
その中で出くわした「位相」という概念に、大きな違和感を感じました。
「位相」を有限な点の集合の上で簡素に考えれば自明であるように、これがまともな概念だとはどうしても思えないのです!

例として「四則演算」などをかんがえてみればいいでしょう。
四則演算は、連続な実数においてのみそれらが定義できて、離散的な(自然数や)有理数などでうまくいかないなどという馬鹿げた概念ではないでしょう!
しかし、従来の位相という概念は、連続空間でのみ意味をなし、離散空間では同じ方法では、全く意味をなさないのです!

この意味で「位相」は本当に馬鹿げた概念です。

学生は、いますぐにでも、従来の「集合、位相」を投げ捨て、頭の固い教授とはさよならするべきです!
まずは「圏論、グロタンディーク位相」をはじめるべきです。
「圏論」をはじめれば、自ずと必要な「集合、位相論の概念」は身につきます。

グロタンディークについて

昨日、グロタンディーク著の「収穫と蒔いた種と」をよみました。

ここにおいて、先に挙げた、位相を勉強したときの私の違和感をひも解いていくかのような文章があります。

「数」は、「不連続な」あるいは「離散な」集まりの構造を掴むのに適しています。
いわば相互に孤立した「要素」あるいは「対象」からなっており、
ひとつのものから他のものへの「連続的な移行」についてのなんらかの原理をもたない、
多くの場合有限の系の構造を掴むのに適しているのです。
これに対して、「大きさ」は、とりわけ「連続的な変形」を掴むことができる質です。
このことから、「大きさ」は、連続的な構造や現象つまり運動、空間、あらゆる種類の「多様体」、
力の場などを捉えるのに適したものです。
したがって、数論は(大まかに言って)離散構造の科学であり、
解析学は連続的な構造の科学であるといえるでしょう。
幾何学については、二千年以上にわたって、現代的な意味での科学の形のもとに存在してきたし、
「離散」と「連続」というこの二つのタイプの構造に「またがって」いると言うことができます。

私のような凡人の戯れ言が、かの天才の言葉に見えてくることを、ここに記しておきましょう!
(私の意見に耳を傾けて頂ければ嬉しいです!)

nlab ( ncatlab )

nlab は辞書です。
分からない英単語がでてきたら即座に英英辞典でその意味を引くように、
わからない数学用語がでてきたら nlab で引くということを常に心がけるべき、だと思います。

数学者たち

平井武

「線形代数と群の表現」の著者です。この書籍は、
「離散」と「連続」を行ったり来たりしながら群の理解を深めていくものです。

「離散」的な

  • 二面体群 $ G ( D _ 3 ) $ と 3次置換群 $\mathfrak{ S _ 3 }$
  • 4面体群 $ G ( T _ 4 ) $ と 4次交代群 $\mathfrak{ A _ 4 }$
  • 6面体群 $ G ( T _ 6 ) $ と 4次置換群 $\mathfrak{ S _ 4 }$
  • 12面体群 $ G ( T _ {12} ) $ と 5次交代群 $\mathfrak{ A _ 5 }$

などと、それらに対応する行列表現を丁寧に見ていきつつ、

「連続」的な

  • 等長変換群 $ ISO(E^n) $ と 直交行列群 $ O(n) $
  • 運 動 群 $ M ( E^n ) $  と 特殊直交群 $ SO(n) $

をはじめとした空間操作との対応を、捉えようとしている、
まさに離散と連続の融合を図った書籍です。
この意味で、グロタンディークの先ほどの文章表現にたいして、正しいアプローチをとっている。
                             

Masaki Kashiwara

彼は、最近の論文で、PL多様体などに対する、離散的構造における、微分の概念などを、きわめて精密に描いており、グロタンディークの先をいく存在で、現時点で私が到底おえるようなものではないが、(今はなんとなく言わんとしていることはわかる程度である)
彼の、「Categories and Sheaves」第一、二章における、圏論の基本的な操作を集合の圏にすべてぶち込んで精密に描いたものは、稀有な記述であり、必見の代物です。

わずかたったの二章のわずかなページ数で彼はそれら(kan 拡張にいたるまで、)を精密に描いているのです!
彼の文章を解読するとき、時計職人にでもなったような緊張感をもちえます!
(2章冒頭の Limit の定義をご覧ください!)

Olivia Caramello

彼女の作品(教材)は本当に美しい、グロタンディークトポスへの導入がすんなりといきます。
これから、その私なりの解釈を書いたノートをお見せしておしまいにしたいと思います。

[Olivia Caramello] Topos-theoretic Backgrounds まとめノート

注意、私のノートは本当に取るに足らないものです。
きちんと、Olivia の教科書を片手に定義をしっかりと読んでください。
以下に教科書のリンクを貼っておきます。

https://www.oliviacaramello.com/Unification/ToposTheoreticPreliminariesOliviaCaramello.pdf

「集合、位相」の定義を片手にこれからみていきます

随伴

まずは随伴の概念だけおさらいしておきたいと思います。
随伴の定義に関しては、[Awodey] が群を抜いてすばらしいです。
$ F : \mathscr{C} \to \mathscr{D} $ , $ G : \mathscr{D} \to \mathscr{C} $ が、随伴 $ F $ -| $ G $ をなすとき、そのとき

$$ \exists \eta \in Nat (Id,GF), \forall f, \exists ! g, Gg \circ \eta _ x = f $$

あるいは、

$$ \exists \epsilon \in Nat (FG,Id), \forall g, \exists ! f, \epsilon _ y \circ Ff = g $$

のどちらかがなりたてばよいのですが、
片方が成り立てばもう片方が成り立ちますので、以下のように、対称性をもった綺麗な図式全体として捉えるのがいいでしょう。

adjoint.jpg

CCC と Heyting Algebra

Heyting Algebra は、ラムダ計算の世界(Cartesian Closed Category)を、命題論理世界バージョンといったものと捉えて良さそうです。これら二つの圏は自己関手による随伴がとれる例で、
私の頭の中では以下のように整理してあります。

ccc-ha.jpg

Heyting Algebra

ある Heyting Algebra がなす圏の定義に入りましょう。
※訂正:lattice の定義のところに at most one element set と記述しましたが、これは間違いです。実際、順序関係の例として、複数の経路を持つ包含関係が考えられるので、 ある lattice のなす圏の二対象間の射集合である Hom-set は2つ以上の要素を持ち得ます。

frame-ha-lattice.jpg

Sieve の定義

Sieve の定義は、Olivia教科書の Definition 3.1 を片手に追いつつ、
適当な圏におけるある対象cにおける Sieve はつぎのように描くことができるでしょう。
(自明な sieve である maximal sieve ( $ id _ c $ により生成されるもの) については描いていません)

sieve.jpg

上図において、下二つは Sieve となる場合、ならない場合のまぎらわしい例です。

Grothendieck Topology の定義

$ \mathscr{C} $ 上の grothendieck topology とは、関数Jのことであり、以下の3つの法則を満たすものです。

g-topology.jpg

Frame と Locale の双対性

Frm は、frame を対象とし、frame 間の frame homomorphism つまり関手を射とする、一段階大きな圏であり、Loc は、その Frm の双対をとったもの、つまり射の向きのみを逆にしたものです。

Loc における対象 locale は、命題論理の証明図を表す圏として考えることができて、
その射は、以下に描くように、a set of rules と考えることができるのではないか、と考えています。
どこか、慣習的なものとは、異なるかもしれませんが、私の理解では、現時点において破綻していません。

frm-loc.jpg

おもしろい随伴の例

自由モノイド化 -| 忘却
自由圏化 -| 忘却

といったものと似た雰囲気を感じる随伴の例です。
次の図は、Olivia 教科書p5 の冒頭に記述してある Top と Loc の間に置ける随伴を私なりに描いてみたものです。

top-loc-adjoint.jpg

前層と層

以下に定義を描きます。

sheaf.jpg

グロタンディークトポス

グロタンディークトポスとは、層 $ Sh ( \mathscr{C} , J ) $ と同型な圏 $ \mathscr{E} $ のことであり、つまり、層化によって、余分な情報をそぎおとしたものとみることができると思います。

層 $ Sh ( \mathscr{C} , J ) $ は埋め込みによる、階層構造をみることで、それがなんだかわかるものですが、その層化によって、でてきた純粋な構造を抜き出したものをグロタンディークトポスとする、と捉えることができるように思います。

以下は、先ほどの sheaf の定義に出てきた適当な対象 c を起点として、その米田埋め込みを描いてみたものです。米田埋め込みの定義については、[Kashiwara & Schpira] を参照してください。

g-topos.jpg

層の例

例1 (ある圏、米田埋め込み)

任意の圏と、米田埋め込みによる組 $ (\mathscr{C}, \mathscr{y}) $ は層ではありませんが、層を構成するための模型としてみることができます(上の落書きを参照)。ここでは、実際にこれをもとに、層を構築していきます。 $ y : \mathscr{C} \to ( \mathscr{C} ^ {op} \to Set ) $ であり、$ y $ はそのままでは、では前層の定義をみたしません。

  1. $ y'(X) := y(X)( \mathscr{C} ) $ は Set の部分圏となる
  2. $ J(X) $ を $ (y'(X))^{op} $ から充満関手により、その部分圏となるようにとる

そうすると、( $ \mathscr{C} $ , $ J $ ) は層をなすのではないかと思います。
このように $ y $ が層を構成する上で、道標あるいは骨格となるような働きをするというのは、
" Sheaves in Geometry and Logic " の pp70 の prop 1 として似たようなものがあるようですが、(@tom1999_303 さんに教えていただきました。) ここではとりあげません。

((圏、グロタンディーク位相)の組を 景 site と呼びます。)

例2 (一点からなる位相空間のなす圏、関手P)

集合の圏 Set は、グロタンディークトポスであり、一点からなる位相空間 $ \mathscr{O} _ { \{ * \} } $ と、関手 P からなる、層の集合からなる圏です。

以下に見るように、$ P ( \emptyset ) $ がまさに関数の定義をみたしています。

eg-set-as-gtopos.jpg

Elementary topos と Kripke Joyal Semantics

教科書をすすんでいくと、Elementary Topos と Kripke Joyal Semantics について
かかれています。

ここにおいて、論理式が圏(トポス)として表されるのです!(なんということでしょう!)

kj1.jpeg
kj2.jpeg
kj3.jpeg
kj4.jpeg

Olivia の 分類トポス に関連した動画

彼女は、動画において、Grotherndieck Topos の重要性を何度も主張しており、
それでもって、様々な数学のモデルを構築しています。

https://www.youtube.com/watch?time_continue=3&v=8xWZpec9pwM

分類トポスに関しては、ぴあのんさんが
くわしく解説してくれるそうなので、心待ちにしたいと思います。
また、Taichi Uemura さんなど、第一線の研究者の方のツイートなども参考にしつつ、
勉強していくのが良いと考えています。

用語集

前提とする圏の言葉

  • 圏 category
  • 同型射 isomorphism
  • 積手 functor
  • 自然変換 natural transformation
  • 積、余積 product, coproduct
  • 冪 exponential
  • 自由モノイド free monoid、自由圏 free category、忘却関手 forgetful functor
  • 随伴の合成としてのモナド monad as a pair of adjoint functors
  • 集合の圏 Set
  • 圏の圏 Cat
  • 零対象、零射 zero object, zero morphism
  • 始対象、終対象 initial object, terminal object
  • 反圏 opposite category
  • 位相空間と連続写像の圏
  • 米田埋め込み yoneda embedding
  • カルテジアン閉圏 cartesian closed category (CCC)
  • subobject classifier
  • pullback
  • mono, epi
  • (elementary) topos
  • 随伴関手 adjoint functor

今日習った圏の言葉

  • lattice
  • heyting algebra
  • frame
  • locale
  • Frm
  • Loc
  • sieve
  • site
  • grothendieck topology
  • presheaf
  • sheaf
  • grothendieck topos
  • kripke-joyal semantics

参考文献

  • [圏論の歩き方委員会] 圏論の歩き方
  • [Awodey] Category Thoery
  • [Maclane] Category Theory for working mathematician
  • [Emiley Riehl] Cateogory Theory in Context
  • [Kashiwara & Schpira] Categories and Sheaves
  • [平井武] 線形代数と群の表現I
  • [Olivia Caramello] Topos theoretic Background
  • alg-d.com
  • ncatlab.org
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