NTTデータ先端技術株式会社の原田です。
2023年11月15日~17日に開催されました Microsoft Ignite 2023 の Day1 Opening keynote のざっくりとした感想の記事となります。
このシリーズは AWS re:invent および Google Cloud Next との横並びで、トップ (≒CEO) の keynote を取り上げて記載しています。
2022 の際にも似たようなことをしていますので、ちょいちょい比較も交えて進めていきたいと思います。
Microsoft Ignite とは
「Microsoft Ignite について教えてください。」と Azure OpenAI Service に聞いてみたところ、
Microsoft Ignite は、Microsoftが主催する、ITプロフェッショナルや開発者向けの年次イベントです。このイベントでは、Microsoftの最新技術や製品、サービスに関する情報が発表されます。また、専門家によるセッションやハンズオンラワークショップなどの学習機会も提供されます。通常、イベントは数日間に渡って開催され、世界中から多くの人々が参加します。最近では、オンラインでの開催も行われています。
とのことでした。
Microsoft の年次イベントには他に Microsoft Inspire と Microsoft Build がありますが、
- Microsoft Inspire : ユーザー企業含むパートナーのエクゼクティブ向け
- Microsoft Build : 開発者向け
- Microsoft Ignite : ITプロフェッショナル (欧米においては主に情報システム部門を指す) 向け
と私は理解しています。
全体の流れ
全体の流れはこんな感じでした、Copilot と言う言葉に惑わされそうですが意外と AI 縛りと言う感じではなかったです。
セクション | 開始 | 時間 |
---|---|---|
オープニング | 00:00 | 1分40秒 |
Satya Nadella 登場 | 01:40 | 1分20秒 |
Copilot Stack - AI Infrastructure | 05:30 | 12分 |
Copilot Stack - Foundation models & AI toolchain | 17:30 | 20分 |
Copilot Stack - Your data | 37:10 | 6分 |
Copilot Stack - Microsoft apps | 43:10 | 3分 |
Copilot のまとめ | 46:10 | 8分 |
AI×Mixed reality、AI×Quantum | 54:30 | 5分30秒 |
クロージング | 60:00 | 2分 |
2022 で冒頭のメッセージとして出てきた「Doing more with less」は今回1度も出てきませんでしたね、私は今後パーパス的に謳っていくとの予想をしたのですが完全に的外れでした…。
代わりにインパクトを受けたキーワードは当該セクションにて。
オープニング
場を暖めるようなドキュメンタリー風のビデオから入ります、現地は Satya Nadella 登場に向けて否応なしに高まる雰囲気でしょうか。
2022はなかったセクションですので、この手のビデオもオンラインには効果がないのかもしれないですね。(実際あんまり印象に残りませんでした)
Satya Nadella 登場
いよいよ Satya Nadella 登場ここで初めて今回は現地開催ありだと言うことに気付きました、こういうところにも時間は流れていることを感じます。
会場は熱狂的な盛り上がりと言うよりは大人な雰囲気で、このあたり Satya Nadella の人となりを写し込んでいると思います。
冒頭はクリケットワールドカップの話から入るところにライブ感があり、クリケットは試合時間が長いそうでそんなジョークも飛び出しました。
ChatGPT リリースからのイノベーションの話からパートナーシップに合わせて Copilot の話へ、この後のセクションへの自然な流れを作り出します。
そして Copilot Stack、これがこのキーノートのメインとなるキーワードです。
Copilot stack とは
ここで Copilot Stack について補足です、再び Azure OpenAI Service に聞いてみたところ、
Copilot Stackは、GitHub Copilotと呼ばれる人工知能開発ツールの一部です。GitHub Copilotは、OpenAIのGPTモデルを使用して、プログラマーがコードを書く際に自動的に提案を行い、コードの生成を助けるAIアシスタントです。Copilot Stackは、このAIアシスタントが使用するコードスタック(コードの組み合わせ)のことを指します。Copilot Stackには、多くのプログラミング言語やフレームワークが含まれており、プログラマーがより迅速にコードを生成できるようになっています。Copilot Stackは、GitHub Copilotの強力な機能の一つであり、プログラマーにとって非常に役立つツールです。
とのことでしたが、何か違う感じがしましたので調査してみまして、
Microsoft outlines framework for building AI apps and copilots; expands AI plugin ecosystem
こちらの方がイメージが掴みやすいかと思います。
いわゆる Copilot である XXX Copilot とその動作環境である Azure をスタッキングしてネーミングしたものが Copilot Stack と言う理解です。
ただ Satya Nadella の最初のセクションの時点ではまだはっきりしませんでしたが、私はもっと大きなリブランディング的な雰囲気を感じました。
ちなみに 2022 にまとめた要旨はこんな感じでした、Copilot の1年での伸し上がりが凄い。
おわりに
文量が多くなりすぎそうでしたので今回は程良いところで切らせていただいて、次回は Copilot Stack の中身についての感想を書いていきたいと思います。