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INTELLILINK Tech LearningAdvent Calendar 2023

Day 24

量子コンピュータ初学者の理解(2)

Last updated at Posted at 2023-12-23

NTTデータ先端技術株式会社の原田です。

この記事は量子コンピュータ初学者の学習による理解を記載したものです。
何分初学者ですので明らかに間違った内容があったりすると思いますが温かく流していただければと思います。

前回の記事はこちら

量子コンピュータの今

まずいわゆる一般的な製品としての量子コンピュータがある訳ではなく、さらに製品化への具体的なマイルストーンもまだ見えてはいません。
ので量子コンピュータを売るビジネスを語れる状況にはなく、ぶっちゃけて言うと筆者の所属する SIer 産業に取ってのノックアウトファクター。

が量子コンピュータの得意技的なものは見え始めていて (かつこれから研究がどんどん進むので)、将来実用化された際に当てはめるユースケースはいろいろ出てきている。
つまりこのユースケースを独占的に握っておくことで将来製品化が追い付いたときにブレイクスルーを迎えることができる、そんなビジネスモデル (≒妄想) だと認識しました。
この点は古典コンピュータの場合はどうだったかは改めて学んでみようかと思います。

日本の今

量子未来産業創出戦略 にて 2030 年の目標として、

  • 国内の量子技術の利用者を1,000万人に
  • 量子技術による生産額を50兆円規模に
  • 未来市場を切り拓く量子ユニコーン

が挙げられています。
で資料はひと通り読んでは見たものの情報量が多い上に複数要素がフラットに記載されているので正直よくわかりませんでした。何となくわかったのは、産学官で言うと中心 (お金使えるのは) は「学官」で我々のような「産」は呼ばれていくみたいな感じなのかなと。
違う方向から見ると資金力のある産は自分たちでやってしまうと言う良くあるスキームなので、量子コンピュータ中心に国家的なパラダイムシフト的なものはなさそうです。
ただワールドワイドでは活発な投資が行われていますので、腕に自信があれば個人レベルでのし上がっていけるんだと思います。

量子アニーリング

量子コンピュータとひと言で言っても複数の方式があり、そのうち前回の記事のベースは量子ゲート方式で他に量子アニーリング方式があることを知りました。

この量子アニーリング方式の説明にはイメージが掴めるところがあり、

  1. 量子ビット間に相互作用を定義する
    交差点に他の車両がいる場合は自分は侵入しないという定義 (ビットAがnの場合はビットBはnにはならないって感じでしょうか?)

  2. 量子ビットに磁場をかけて重ね合わせ状態にする
    超並列計算の状態

  3. ここから磁場を弱めていくと最終的に最適解が観測される
    条件を絞っていく過程

と言う振る舞いが為されるとのことです、何故最適解に落ち着くのかは量子力学の謎ですがプロセスは理解できました。
また同様のプロセスで最適解に至るモデルをリバースするとユースケースが出てくるというイメージもなんとなく掴めました。
あと超電導使うんですね、ここも量子コンピューティング実用化の技術的な壁かと思います。

Azure Quantum

今回実際に触るところまでは間に合いませんでしたが Azure Quantum について見てみましたので要点を軽く記載しておきます。

  • サクッと試せそうなコードとシミュレーターが用意されている

  • 何と Copilot がある

  • 費用
    計算方法はわかりづらい、$500 の無料クレジットがあるようなのでその範囲で使ってみます。

  • Q# と言う独自言語がある
    Python の方が多数派だろうし良いと思うけど…

  • 量子アニーリングプロバイダーはない?
    Amazon Braket にはあるみたい。

量子コンピュータの未来

量子コンピュータのブレイクスルーのタイミングはやはりハードウェアもしくは仮想化技術に依存するんだと思います、画期的なユースケースはどんどん出てくると思いますがコスト対効果の観点で実用化には及ばずまだ試験研究の時期が続くのでしょう。
ビジネス的には投資フェーズと言うこともあり資金力のある産の近くでないと触れる機会がないのは問題ですが、個人レベルではコミュニティと言う選択肢があるようです。

ポイントは「ブレイクスルーが起きたときには既に量子コンピュータの事を知っている」と言う状況に自らを置けるかという点になるんでしょう。
ただ量子コンピュータ以外にも同じような未来が描かれるテクノロジーはあるのでどれを選ぶかは難問です、量子コンピュータだけ取ってもユースケースを見るかテクノロジー (ライブラリ開発など) を見るかと言う選択肢もあるので…。

おわりに

前回の「じゃあ自分はどうする?」については、ひとまず Azure Quantum (合わせて Copilot も) を触ってからコミュニティに参加してみようかと思います。
あと全2回の予定でしたが Azure Quantum の体験レポートであと1回か2回増えるかもしれません。

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