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10分で理解できるディープラーニングによる画像分類のポイント

Last updated at Posted at 2023-03-15

概要

画像分類は、ディープラーニングの中でも非常に人気が高く、多くの実用的な応用例が存在します。この記事では、初心者から中級者向けに、ディープラーニングを用いた画像分類を行う際のポイントを10分で理解できるように解説します。具体的には、以下の内容について説明します。

  1. 画像分類の基本概念
  2. データセットの準備
  3. モデルの構築と学習
  4. 精度評価と可視化
  5. チューニングのポイント

1.画像分類の基本概念

画像分類は、コンピュータビジョンの基本的なタスクの一つで、与えられた画像がどのカテゴリに属するかを自動的に判断する技術です。画像分類のアプリケーションは多岐にわたり、自動運転車の物体認識、医療画像の病変検出、監視カメラによる人物識別などがあります。
まずは、以下に解説サイトや本によく登場してくる画像分類の基本概念についていくつか詳しく解説します。

特徴抽出

画像分類では、まず画像から有用な情報(特徴量)を抽出することが重要です。特徴量は、画像の色、テクスチャ、形状、エッジなど、画像内のパターンを表現するための数値です。特徴抽出の方法には手動で設計された特徴量(手動特徴量)と、機械学習によって自動的に抽出される特徴量(自動特徴量)があります。

畳み込みニューラルネットワーク(CNN)

近年、画像分類の分野で最も成功しているアプローチは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を用いたものです。CNNは、階層的な特徴表現を学習することができるため、画像分類に非常に適しています。CNNの各層では、畳み込み演算により局所的な特徴量を抽出し、プーリング層で空間的な情報を圧縮しています。これにより、高次の特徴表現が構築され、最終的に全結合層でクラス分類が行われます。

学習データ

画像分類の性能は、学習データの質に大きく依存します。充分な量とバリエーションのデータが必要であり、画像とそれに対応するカテゴリラベルのペアからなるデータセットが用いられます。また、データセットは学習用、検証用、評価用に分割され、過学習を防ぐために交差検証やデータ拡張が行われることが一般的です。

評価指標

画像分類モデルの性能を評価するために、いくつかの指標が用いられます。
今回はその中でも主要な評価指標をいくつか紹介します。

正解率(Accuracy):
全ての予測のうち、正しく分類された割合です。
全体的な性能を評価するのに適していますが、クラスのバランスが悪い場合は不適切な指標となることがあります。
適合率(Precision):
あるクラスと予測された画像のうち、実際にそのクラスに属する画像の割合です。
偽陽性(誤検出)を低く抑えることが重要な場合に適した指標です。
再現率(Recall):
あるクラスに属する画像のうち、正しくそのクラスと予測された画像の割合です。
偽陰性(見逃し)を低く抑えることが重要な場合に適した指標です。
F1スコア:
適合率と再現率の調和平均で、両者のバランスを評価するための指標です。
クラスのバランスが悪い場合や、適合率と再現率のトレードオフを考慮する場合に適した指標です。
混同行列(Confusion Matrix):
クラスごとの正解数と誤分類数をまとめた表で、モデルの性能を詳細に把握することができます。
クラスごとの弱点や誤分類の傾向を明らかにするために用いられます。

これらの評価指標を用いて、画像分類モデルの性能を総合的に評価し、改善点を見つけ出すことが重要です。
また、問題設定やアプリケーションに応じて、最適な評価指標を選択することが求められます。

以降は、上記基本概念を元に実際に画像分類を行おうとする際に大切なポイントです。

2.データセットの準備

ディープラーニングにおいては、大量のデータセットが必要です。データセットは、画像とその画像に対応するラベル(クラス)から構成されます。データセットを準備する際には、以下のことに注意しましょう。

  1. データのバリエーション: 異なる角度や環境で撮影された画像を集める
  2. データの正規化: 画像のサイズや色情報を揃える
  3. データの分割: 学習用、検証用、評価用のデータセットに分割する

3.モデルの構築と学習

画像分類には、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)がよく用いられます。以下の手順でモデルを構築しましょう。

  1. 畳み込み層: 画像の特徴を抽出する
  2. 活性化関数: 非線形性を持たせる
  3. プーリング層: データを圧縮し、過学習を防ぐ
  4. 全結合層: 最終的なクラス分類を行う
    学習には、損失関数と最適化アルゴリズムを選択し、モデルのパラメータを更新していきます。代表的な損失関数にはクロスエントロピー損失、最適化アルゴリズムには勾配降下法やAdamがあります。

4.精度評価と可視化

モデルの学習が完了したら、検証用データセットを用いて精度を評価します。最初に「評価指標」の項目に記載した
正解率(accuracy)や適合率(precision)、再現率(recall)、F1スコアなどの指標を用いてモデルの性能を評価しましょう。
また、学習曲線や混同行列を可視化することで、モデルの学習状況やクラスごとの性能を把握することができます。

5.チューニングのポイント

画像分類の性能を向上させるためには、以下のチューニングポイントに注意しましょう。

  • モデルのアーキテクチャ: より深い層や異なる活性化関数を試す
  • ハイパーパラメータの調整: 学習率やバッチサイズなどを変更する
  • データ拡張: データセットの水増しを行い、汎化性能を向上させる
  • 転移学習: 事前学習済みのモデルを用いて、学習時間を短縮し性能を向上させる
  • アンサンブル学習: 複数のモデルの予測結果を組み合わせることで、精度を向上させる

まとめ

この記事では、ディープラーニングを用いた画像分類を行う際のポイントを10分で理解できるように解説しました。
これを機に、ぜひ実際にディープラーニングを用いた画像分類のプロジェクトに挑戦してみてください!

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